映像情報メディア学会誌
Online ISSN : 1881-6908
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71 巻, 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
論文特集 ディスプレイ- IDW/AD ’16 を中心に-
巻頭言
特集論文
  • 野寺 伸武, 松本 隆夫, 小林 和樹
    2017 年71 巻10 号 p. J219-J223
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    Partial Laser Anneal Silicon(PLAS)は大型基板向けに開発した革新的なLow-Temperature Polycrystalline-Silicon(LTPS)技術であり,今回G10ラインにおいて19.5型4K LCDの試作に成功した.ボトムゲート構造において移動度はoxide Thin-Film Transistor(TFT)と同等の28.1cm2/Vs,信頼性についてはLTPSと同等の光安定性を示した.この技術はα-Si工場の高移動度TFTへの転換を最も容易かつ安価に可能とする画期的な技術である.PLASの光安定性はOrganic Light-Emitting Diode(OLED)バックプレーン,High-Dynamic Range(HDR)TV,屋外用ディジタルサイネージなどへの適応が期待できる.
  • 月井 千尋, 沈 昌勲, 服部 励治
    2017 年71 巻10 号 p. J224-J229
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,アクティブマトリクス有機ELディスプレイ(AMOLED)の1サブピクセルあたりのゲート線およびデータ線抵抗,ゲート線,データ線と各電極間容量を精密に抽出し,大型AMOLEDにおいて顕著に生じるゲート遅延,データ線遅延の影響を分布RC線路で考え,SPICEシミュレーションによって検討した.その結果,4K以上の大型高精細AMOLEDでは選択TFTの選択時間よりもゲート信号立ち上がり,立下り時の時定数が大きくなり,ゲート信号波形の鈍りが無視できない.したがって,ゲート/ソースドライバをディスプレイの両側に配置し,ディスプレイを4分割駆動し,負荷を低減させ,選択時間を拡大する方法が必須であることがわかった.
  • 鬼頭 義昭, 堀 正和, 林田 洋祐, 鈴木 智也, 小宮山 弘樹, 渡辺 智行, 倉重 貴広, 加藤 正紀, 奈良 圭
    2017 年71 巻10 号 p. J230-J235
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    フレキシブル基板上に電子回路を作製するフレキシブルエレクトロニクスは,そのフレキシブル性,形状の自由度の高さ,生体親和性などにより,従来のシリコンをベースにしたエレクトロニクスでは対応できない領域への応用が期待されており,現在研究が数多くなされている.フレキシブル基板上に薄膜トランジスタを製作するためには高い重ね合わせ精度が要求されるが,そのフレキシブル性のために基板の変形が大きく,フレキシブル基板に直接,高い重ね合わせ精度でパターンを作製することは困難であった.われわれは本問題を解決するために,ロールトゥロール方式の直描露光機のコンセプト実証機を開発した.開発装置を用いてPETフィルム上に直接±5_m以下の重ね合わせ精度のパターンを作製することに成功したので報告する.
  • 楠木 常夫, 菅野 正輝, 阿部 守晃
    2017 年71 巻10 号 p. J236-J240
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    珪酸窒化物蛍光体(Ca, Sr)2(Al, Si)5(O, N)8:Euは青色LED用赤色蛍光体として効率が良く,また,他の窒化物蛍光体のように高圧合成が必要でなく,かつ,安価な材料を使って合成可能であることから,われわれはこの蛍光体に着目し検討を進めてきた.しかし,LED点灯信頼性試験においてこの蛍光体が光劣化を起こすことがわかり,これを解決することがこの蛍光体を実用化するための課題となった.この光劣化の改善を行うため,熱劣化改善の手法を参考にしてアルカリ土類の格子位置にBaイオンを導入することの検討を行い,良い結果を得た.また,この赤色蛍光体を黄色蛍光体と組合せて使用することによって高演色白色LEDを実現することができることがわかったので,これらについて報告する.
  • 小林 潤平, 新堀 英二, 川嶋 稔夫
    2017 年71 巻10 号 p. J241-J246
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    文章を読み進める目の動きを効率化することで,読み心地や理解度を維持したまま読み速度の向上を図るための,電子リーダー上での日本語表示方式を提案する.読者が読みやすいと感じる一行の長さは20~29文字程度であるが,既存方式では行長が短いほど読み速度は低下するため,最大速度で読むためには一行40文字程度の行長が必要という課題があった.そこで本研究では,文節にもとづく改行位置の調整および文字ベースラインを文節単位で階段状に下げていく既存手法に加えて,新たに「隔行単位の背景着色」「行間隔の拡張」「階段状の行頭インデント」「行頭文節の微振動」の4手法を組合せた表示方式を考案し,その効果を読み速度や眼球運動の点から検証した.その結果,提案方式では,読者が読みやすいと感じる一行20~29文字の行長でも,一行40文字の場合と同等の最大速度で読めることがわかった.また,読み速度の向上は,停留数の減少に起因していることがわかった.
研究速報
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