映像情報メディア学会誌
Online ISSN : 1881-6908
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ISSN-L : 1342-6907
70 巻, 6 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
  • 伊東 賢治, 伊藤 聡志, 山田 芳文
    2016 年70 巻6 号 p. J118-J124
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/25
    ジャーナル フリー
    圧縮センシングをMRIに応用する場合に,MR画像のスパース性は一般に弱いのでスパース性を与える関数が必要となる.スパース性を導入する関数は,高いスパース性を与えるとともに収集軌道である観測行列との間に高いインコヒーレンス性を持つことが要求される.スパース性を導入する関数にはWavelet変換が知られているが,本研究では我々が提案するeFREBAS変換を利用する方法について検討を行った.展開スケールを自由に変えることができるeFREBAS変換の特徴を利用すると観測行列とスパース性を導入する関数との間のインコヒーレント性を顕著に高めることができる.反復的な再構成の中で7種類の展開スケールを使用した結果,単一の展開スケールを使用する場合に比べ再生誤差が大幅に軽減されることが確認された.また,Wavelet変換やCurvelet変換と比較しても本方法の優れた性質が確認された.
動画付き論文
  • 畠中 一成, 鹿嶋 雅之, 佐藤 公則, 渡邊 睦
    2016 年70 巻6 号 p. J125-J132
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/25
    ジャーナル フリー
    電子付録
    情報化が進むに伴ってバイオメトリクス個人認証の重要性が注目されている.本研究では,生体的特徴の中でも行動的特徴(人の癖)を用いる個人認証システムを提案した.本研究では行動的特徴の中でも偽造が困難で紛失等の心配のない空中筆記動作に着目した.照明条件に頑健な距離センサ(Leap Motion)から取得した署名の座標情報,速度情報,筆記時間,指識別情報をそれぞれ比較するシステムである.本稿では,空中筆記時にフレキシブルに指を変え,空中署名認証を行うシステムの有効性の検証を行った.実際に署名取得環境を構築し,被験者50人に対し収集した署名を用いて評価実験を行った.本人認証実験と他人偽筆実験において,他人偽筆で画面フィードバック無しの場合,指識別情報を用いない場合はEER=3.72%,指識別情報を用いたフレキシブル署名の場合はEER=2.67%となり,フレキシブル空中署名個人認証の有効性を確認できた.
フィールド論文
  • 住吉 英樹, 河合 吉彦, 望月 貴裕, サイモン クリッピングデル, 佐野 雅規
    2016 年70 巻6 号 p. J133-J141
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/25
    ジャーナル フリー
    2011年の東日本大震災の際には,報道用の素材映像(震災映像)が大量に撮影された.これらの震災映像を整理,蓄積し活用していくことは,放送局としての使命でもある.しかし,短期間にあまりに大量の映像が撮影されたため,データベース化も進んでおらず,再利用もままならない状況であった.今回,被写体認識技術を中心とするメタデータの自動付与技術を利用して,放送現場でも容易に利用できるメタデータ補完システムを開発し,メタデータの付与作業の支援と映像検索を実現した.本稿では,開発したメタデータ補完システムの機能と性能の概要,およびNHK福島放送局で行っている実験について報告する.
動画付き研究速報
  • 井阪 建, 藤代 一成
    2016 年70 巻6 号 p. J142-J145
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/25
    ジャーナル フリー
    電子付録
    安価ながら効果的な裸眼立体表示を可能にするディスプレイシステムの開発は,ビジュアルコンピューティング分野におけるきわめて重要な課題の一つである.ホログラフィに代表されるような,ハードウェアの描像原理を高度化することで発展してきた既存システムは,現時点では生成映像の品質を向上させにくいという課題がある.そこで本論文では,複数枚の汎用ディスプレイを直交に配置したL字型の表示空間上で,陰影と運動視差を中心とする単眼性の奥行き知覚要因を利用して,一般的な2Dグラフィックスと同等の解像度と明度をもつ,個人向けの裸眼立体映像を手軽に生成する手法を提案する.ユーザの視線追跡により本手法の有効性を確認する予備的評価についても報告する.
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