わが国の高齢者人口は急速に増加し、対策として地域包括ケアシステムの構築が始まった。地域ケア会議が推進され、主な構成員は自治体職員、医師、看護師、管理栄養士等であるが、管理栄養士の参加は少ない。緑風荘病院は介護予防事業等住民への栄養ケアを行ってきたため、日本栄養士会による栄養ケア・ステーションのモデル認定を受け、男の料理教室、介護予防イベントの企画運営等、「栄養ケア活動」 を行ってきた。さらに、栄養ケア活動を 「地域ケア会議」 を通して行うことで、より住民や多職種に近い存在として活動を広げている。例えば、地域ケア会議から居宅療養管理指導につなげ、宅配の手配等を行い、介護支援者の負担軽減につながった。介護予防イベントでは、高齢者食の実演・試食等を行い、好評を得た。男の料理教室は、自宅での食事管理が向上した。集合住宅の調査の回答率36.2%(n=304)で、買い物・食事バランス・調理に対し、不安を抱くものは1割未満だった。関わりたい専門家は、医師やケアマネジャーであり、栄養士は少なかった。地域包括支援センターに隣接した栄養ケア・ステーションの増設が必須と考えられた。