日本栄養士会雑誌
Online ISSN : 2185-6877
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65 巻, 9 号
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  • 石澤 幸江, 小熊 隆夫, 今井 信行, 斎藤 トシ子
    2022 年 65 巻 9 号 p. 501-506
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/01
    ジャーナル フリー

    丸呑み・早食い・詰込み食い等摂食嚥下に課題を有する統合失調症女性患者1人を対象に、管理栄養士が定期的な咀嚼練習に介入し、栄養状態、喫食に要した時間、咀嚼回数、食事満足度の変化を検証した。3カ月間、週3回、1回15分間の舌運動と食品を用いた咀嚼練習を昼食前に行い、開始時、4週目、8週目、12週目に各項目を測定した。栄養状態は、Alb値が開始時3.6g/dLから12週目には4.0g/dLへ、GNRIは90から96へと上昇した。喫食時間および咀嚼回数は開始時に比べ4週目には急激に増加し、それ以降の増加はほぼ横ばいであった。食事満足度は、聞き取り調査に変化は見られなかったが、食事中の表情(フェイス・スケール)は、開始時1点(無表情、口角が曲がる)から12週目は5点(笑顔、口角が上がる、口を開く)となった。統合失調症患者への咀嚼練習は、噛むことへの意識付け強化となり、喫食時間および咀嚼回数が増加したことで、栄養状態の改善につながった可能性がある。

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