日本栄養士会雑誌
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65 巻, 8 号
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  • 德本 美由紀, 木戸 詔子, 中村 智子, 山口 友貴絵, 松並 晃子, 中山 玲子, 宮脇 尚志
    2022 年 65 巻 8 号 p. 447-453
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/01
    ジャーナル フリー

    「高齢者の骨を守るための栄養ケア教室」参加者(女性723人、男性74人、平均年齢74.9±5.8歳)を対象とし、超音波による踵骨部骨量(%YAM)の測定と食品摂取の多様性得点(DVS)の調査を行った。女性(10.9%)は男性(24.3%)に比べ、骨量正常群の割合が有意に低値であった。DVSの平均は、女性で4.9±2.0点、男性で3.6±2.0点であった。DVSで、「ほとんど毎日食べる」と回答した者の割合は、牛乳・乳製品、緑黄色野菜類、大豆・大豆製品で高く、一方魚介類、肉類、いも類では低かった。また、「ほとんど毎日食べる」食品群に男女差を認めた。DVSの低下は特定の食品群によるものではなく、ほぼ全ての食品群の摂取頻度が低下することにより生じた。男性は女性に比べDVSが低い傾向にあり、DVSから評価すると女性の25.0%、男性の51.4%が低栄養の可能性が考えられた。女性では年齢やBMIで補正後、骨量はDVSの有意な寄与因子であったが、男性では関連を認めなかった。本研究の結果から、高齢者における食品摂取の多様性は男女で違いが認められ、食品摂取の多様性は、女性では骨量および低栄養との関連が、男性では低栄養との関連が示唆された。高齢者の骨粗鬆症の栄養指導においては食品摂取の多様性や低栄養の予防についても考慮した男女別のアプローチが必要であると考えられた。

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