日本栄養士会雑誌
Online ISSN : 2185-6877
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62 巻, 12 号
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  • 北林 紘, 片野 佑美, 山本 卓, 石井 雄士
    2019 年 62 巻 12 号 p. 641-647
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/25
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    早朝空腹時呼吸商(RQ)の低下は、夜間飢餓であった状況を示唆する所見である。腎機能の低下に伴い早朝空腹時RQが低下するとの先行研究はあるものの、血液透析(HD)患者においてはその調査は十分ではない。そこでわれわれは、HD患者の早朝空腹時RQとHD後経日経過およびHD実施時間帯の関係を明らかにすることを目的に横断研究を実施した。間接熱量計を用いて、入院HD患者9人〔男性3人、女性6人、年齢中央値68(四分位範囲65-68)歳〕を対象に、HD実施翌日、2日後、3日後の早朝空腹時RQを測定した。多重比較の結果、3水準間に有意な差を認めた〔翌日:0.87(0.85-0.90)、2日後:0.80(0.79-0.84)、3日後:0.82(0.79-0.83)、p<0.05〕。 しかし、各水準間では有意な差は認めなかった。昼HD(n=4)と夜HD(n=5)の2群に分類した解析では、昼HD群でのみ、3水準間に有意な差を認めた〔昼HD群、翌日:0.90(0.87-0.97)、 2日後:0.80(0.80-0.85)、3日後:0.81(0.79-0.88)、p<0.05〕。本研究は、HD実施時間帯がHD患者の早朝空腹時RQに影響する可能性を示唆した。

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