栄養状態と舌圧を指標とした口腔機能訓練との関連性を検討するため、介護老人保健施設(以下、老健)入所者を対象に口腔機能訓練用具『ペコぱんだ®』を使用し、舌訓練を8週間行った。舌圧を舌訓練開始前、訓練開始8週間後、訓練終了1カ月後の計3回測定した。規定どおり週に3回行えた者を実施群、規程回数を実施できなかった者、および途中で離脱した者を離脱群とし、介入期間前後のデータを比較した。実施群は訓練開始8週間後には、開始前に比べ、有意に舌圧が上昇していたが、離脱群では有意差は見られなかった。栄養状態の指標であるMini Nutritional Assessment -Short Form(MNA®‐SF)の評価は実施群、離脱群ともに介入前後で上昇する結果となったが、体重や身体計測値に変化がなかったことから、必ずしも栄養改善しているとはいえなかった。しかし、入所中に継続して舌訓練を行うことで舌圧が上昇する可能性があり、舌訓練の有用性が示された。