日本栄養士会雑誌
Online ISSN : 2185-6877
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64 巻, 2 号
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  • 小島 佐紀子, 奥 裕乃, 松月 弘恵
    2021 年 64 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル フリー
    本研究は調理学実習と給食経営管理実習で衛生教育を科目間連携し、手指の洗い残し部位の可視化と質問紙の調査から、手洗い教育の課題を明らかにすることを目的とした。対象は2017年度に本学の管理栄養士専攻2年に在籍し、2018年1月(調理学実習後)および7月(給食経営管理実習後)の調査に回答した44人で、両手および手のひら・甲における洗い残し22部位の観察と、手洗いに関する8項目の重要度と実践度を質問し、調理学実習後と給食経営管理実習後で比較した。手指の洗い残し調査からは、結果を可視化し洗い残しを認識することで、給食経営管理実習後の両手の洗い残しが減った(p <0.001)。22部位のうち特に改善が認められたのは、手首と小指の付け根(各p <0.001)であった。手洗いの実践度では、調理学実習ですでに身に付いている項目と、給食経営管理実習を通して実践度が高まる項目、および改善しない項目に大別できた。実践度が低い項目には衛生教育だけでなく、環境整備により改善される可能性が示唆された。
  • 中村 富予, 家辺 愛子, 今井 晶子, 藤村 佳美, 溝上 欣子, 中山 紀子, 長谷部 汐莉, 小湊 英範
    2021 年 64 巻 2 号 p. 97-104
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル フリー
    通所介護事業所では、定期的に利用者の体重測定を実施している事業所が少なく、栄養指標として最も重要な項目の1つである体重減少率を算出できない場合が多い。そこで本研究では、通所介護事業所における栄養スクリーニング項目としての体重減少率の有無が低栄養状態のリスク判定に与える影響を調べることを目的とした。通所介護事業所利用者92人を対象とし、体重減少率を含めて低栄養状態のリスク判定を行った場合と、体重減少率を除外した場合との差を比較検討した。本研究対象者の約4割が低栄養状態の中・高リスクに判定された。体重減少率を除外した場合、低リスクと判定された利用者のうち25.6%は体重減少率を含めると中・高リスクに該当した。栄養スクリーニング時に体重減少率が算出できない場合の低栄養状態のリスクは本来より軽く見積もられ、低リスクに判定された利用者の中に低栄養状態の利用者が含まれる可能性が示唆された。
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