本研究では、専門学校の女子学生(以下、女子専門学生)16人を対象に、朝食内容の相違が注意・集中力および計算・記憶力に及ぼす影響を検討することとした。対象者全員に、朝食としてバランス食(PFCバランスの良い食事)とアンバランス食(主食中心の食事)を2回ずつ計4日摂取してもらい、摂取後90分の注意・集中力および計算・記憶力の推移を比較した。注意・集中力は、パソコンを用いた視覚的反応検査から正答率と誤答率を算出し、計算・記憶力はクレペリン検査を用い計算・記憶力得点を算出した。本研究の結果からバランス食摂取日は、アンバランス食摂取日に比べ、計算・記憶力が高まることが示唆された。一方、注意・集中力について、バランス食摂取日とアンバランス食摂取日に有意差は認められなかった。朝食のPFC比が注意・集中力、計算・記憶力に及ぼす影響を明らかにするためには、体内の代謝動態や脳の各領域の神経活動を測定項目に加え今後検討を重ねる必要があるが、計算・記憶力の向上に対するバランス食の重要性が示唆された。