本研究では、大学祭を活用した健康増進事業普及活動の基礎資料を得るために、S大学祭の健康教育企画であるN学部企画参加者の健康観や参加理由について年代別特徴を調べた。その結果、参加者の約40%がS大学近隣のA市民で、60歳以上の高齢世代が多い一方、A市以外からは60歳未満の参加が多く、各年代の80%以上が健康マイレージ事業の非認知者であった。また、若い世代ほど生活習慣病予防への関心、食生活改善実践率および食生活・運動習慣の行動変容ステージが低く、行動変容ステージ無関心期の割合は、全年代で運動習慣よりも食生活で多かった。さらに、健康マイレージ事業の認知者は、必ずしも生活習慣病予防への関心、食生活改善実践度および各行動変容ステージが高くないことも分かった。大学祭は、幅広い年齢層とさまざまな健康意識の地域住民の参加が見込まれることから、健康マイレージ事業等のポピュレーションアプローチへつなぐ場として活用すべきであることが分かった。