近年、入院から在宅療養への移行が推進される中、入退院時支援への管理栄養士の参画も求められている。本研究では、管理栄養士の退院時支援の業務実態および課題事項を検討することを目的とした。2021年7〜8月、入院医療機関で退院時支援に携わる管理栄養士75人を対象に、Web上で自己記入式質問票調査を実施した。調査では、経験年数や栄養食事指導の実施状況等の属性、退院時支援に関する業務(退院時栄養食事指導等6項目)の時間的余裕と自信の程度等を尋ね、重回帰分析で各業務の自信に関わる要因を検討した。また、退院時栄養食事指導業務における取り組み・課題・要望は、自由記述から質的記述的手法で整理した。管理栄養士による退院時支援の拡充には、経験年数のみでなく、退院後も支援を継続するために必要な「時間」や、他職種、同職種、家族等、入院中から退院後にかけて患者をとりまく場所や人との「連携」を強化していく必要性があることが示唆された。