日本栄養士会雑誌
Online ISSN : 2185-6877
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66 巻, 1 号
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  • 青山 高, 粂 哲雄, 秋山 加菜, 中島 和子, 市丸 昂樹, 辻 正徳, 吉嗣 加奈子, 深谷 真史, 榎並 輝和, 池田 宇次
    2023 年 66 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/01
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    同種造血幹細胞移植(Allogeneic-Hematopoietic Stem Cell Transplantation;Allo-HSCT)に用いる栄養パスのアウトカムの関連因子を探索した。2012年から2016年までに、静岡県立静岡がんセンター血液・幹細胞移植科においてAllo-HSCTを受けた症例(18.5kg/m2 ≦BMI<25kg/m2)を対象とし、前処置開始日前日(T1)から経静脈栄養(Parenteral Nutrition;PN)終了翌日(T2)までを評価した。全36例(中央値60歳、女性16例BMI21.3kg/m2)の体重減少率と骨格筋量減少率および基礎代謝熱量(Basal Energy Expenditure;BEE)充足率は相関していた(r=0.73:p<0.01、r=0.40:p<0.05)。経口摂取熱量/標準体重は、PN期間およびPNの薬価と負相関していた(r=-0.55:p<0.01、r=-0.70:p<0.01)。経過中の栄養関連有害事象と経口摂取熱量/標準体重および全身状態(Performance Status;PS)は相関していた(r=-0.97:p<0.01、r=0.91:p<0.01)。Allo-HSCTに用いた栄養パスは、栄養関連有害事象と医療資源の節減に寄与できる可能性があると考えられた。栄養パスにおけるアウトカムの関連因子は、経過中の骨格筋量に関連している体重を支持するBEE充足率のモニタリングにあると考えられた。

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