日本栄養士会雑誌
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65 巻, 3 号
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  • 長谷川 美代, 堀川 千嘉, 田代 稔, 鈴木 沙織, 藤原 和哉, 北澤 勝, 加藤 公則, 田中 司朗, 曽根 博仁
    2022 年 65 巻 3 号 p. 159-168
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/03
    ジャーナル フリー

    肥満傾向または肥満を合併した2型糖尿病高リスク者において、摂取した食事の全体量、食べ方を振り返り、食後血糖との関連を把握できるための栄養教育とSMBGとの併用効果が血糖コントロールやBMIの改善に有効であるかを検討した。対象は、医療機関未受診の20 ~69歳男性でHbA1c5.6%以上6.5%未満かつBMI24 kg/m2以上の者31人を介入群15人、対照群16人に無作為化クラスター割り付けした。介入群には半年間週2回夕食2時間後にSMBGを行い、食事摂取と食後血糖の関係を認識するよう促し、その間管理栄養士と保健師が3回の栄養教育を実施し、対照群には3回の栄養教育のみ行った。解析条件を満たした者は介入群11人、対照群10人であった。介入群と対照群のHbA1cとBMIは、介入前後の変化量に有意差は認められなかった(p=0.09、0.44)。炭水化物エネルギー比は、介入群のみ介入後の比率が増える傾向にあった(p=0.06)。介入群では、内的誘惑に対する統制感が有意に改善した(p=0.01)。また、「食事量」の行動において介入群、対照群共に有意な改善が見られた(p=0.02、p=0.01)。SMBGと本栄養教育の併用が、1食における3大栄養素や食品群の適量を把握し、「栄養素が血糖に変わる速度と割合」の理解につながること、行動の振り返りと問題点の改善が自己効力感を高め、前向きな行動変容につながることが示唆された。

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