環境感染
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13 巻 , 4 号
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  • 脇山 博之, 田中 良弘, 児玉 芳夫, 奥村 敦, 深澤 昌史, 四ノ宮 成祥, 六反田 亮, 矢野 一好
    1998 年 13 巻 4 号 p. 221-225
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    大型野外浄水器による河川水処理後の水を, 微生物学的に水質評価した.池・川および沼の水 (以下, 原水) を, 長毛濾過・限外濾過・逆浸透濾過および活性炭処理の4ステップで大量に浄化処理した (浄化処理後の水を以下, 浄水).処理前後で細菌, ウイルス, 野生型ファージおよびエンドトキシンの存在の有無 (濃度) を調べた.原水100 ml中には一般細菌が2.4×104~4.6×106 cfu, 大腸菌が2.1×102~9.3×102 cfu, 野生型ファージが37.7±11.5 pfuおよびエンドトキシンが0.5~2.4μg, それぞれ存在していた.大腸菌と野生型ファージは完全に除去された.一般細菌は99.4%以上, エンドトキシンは99.9%以上の除去率であった.ウイルスと病原性大腸菌O157は原水・浄水ともに検出されなかった.一般細菌とエンドトキシンの除去率が100%に達しなかった理由は, 浄水器を通過したためではなく, 給水ホースの汚染によるものと考えられた.大型野外浄水器による微生物除去能評価に際し, 当初は種々のタイプの微生物について検討することが望ましいと考えた.実際にはウイルスと病原性大腸菌O157は検出されなかつたが, 微生物のサイズを考慮すると, 微生物指標としてはファージ等により代用可能と考えられた.以上, 塩素処理等の後処理を行わない状態で微生物等の除去能を評価し, 良好な結果を得た.大型野外浄水器は大災害等の緊急時に非常に有用と考えられた.
  • 換水・洗浄の指標
    宮田 町子, 李 娜, 江崎 孝行
    1998 年 13 巻 4 号 p. 226-233
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    家庭用24時間循環風呂 (24時間風呂と略) 浴槽水の衛生保持のためには, その汚染状況を的確に把握して浴水交換や浴槽・循環装置・濾材の洗浄 (以下, 換水・洗浄と略) する必要がある.このため, 我々は3家庭の浴槽水について1997年3月から7月の期間にかけて10の実験的測定系を設定し, その汚染経過を1測定系について7~10日間毎日モニターした.汚染指標には細菌ではレジオネラ属菌, 一般細菌, 大腸菌群を, 水質では一般に使われている濁度 (T) と化学的酸素要求量 (COD) を, さらに入浴者の分泌物であるアンモニア性窒素 (以下NH3-Nと略) と尿素の濃度についても測定し, 入浴日数に比例して蓄積される指標を求めた.その結果, 細菌類や濁度, CODは浴槽水汚染の指標とはなるが入浴日数とは比例しないことから換水・洗浄の目安としては不適当であることが分かった.これに対してNH3-Nと尿素の濃度は, いずれの系においても入浴日数にほぼ比例して蓄積した.このことから, 一般家庭における24時間風呂浴槽水の汚染状況は, NH3-Nと尿素を指標とし, 公衆浴場水質基準のKMnO4消費量25 mg/L (COD値では約6.3 mg/L) に相当するNH3-N濃度, 約0.7 mg/Lと尿素濃度, 約2.3 mg/Lを導き, これらを限界濃度として換水・洗浄を行うことを提案する.また, レジオネラを含む細菌類に対し41℃保温や塩素系殺菌剤の有効性, さらに濾材の「有用細菌」付着処理や粗濾過フィルター使用については, むしろ原生動物の住家を保障し, ひいてはレジオネラ属菌の生存・増殖を保障することになる裏付けを得た.
  • 垣花 シゲ, 植村 恵美子, 岩永 正明
    1998 年 13 巻 4 号 p. 234-237
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus, 以下S.aureus) はヒトの鼻腔内に常在しやすく, 鼻腔から手を介して感染すると考えられるため, 患者および医療従事者の鼻腔内保菌者は感染源として重視されている.今回, 我々は病棟看護婦53人, 対照群として健康学生104名の鼻腔内細菌検査を1人につき3回行った.看護婦におけるS.aureusの分離頻度は36~39%と3回とも一定の頻度でみられた.学生におけるS.aureusの分離頻度は25%であった.看護婦50名中3ヵ月間にわたり3回とも陽性であった者は13名 (26%), 3回とも陰性であった者は27名 (54%) であった.このようにS.aureusの保菌には傾向があり, S.aureusが付着しにくい要因について, 今後明らかにしていく必要がある.看護婦から分離した黄色ブドウ球菌56株のうち14株からmecA遺伝子を検出した.看護婦53名中メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の保菌を1回でも確認された者は8名 (15%) であり, 3回連続して陽性であった者は3名 (6%) であった.学生から分離した26株中にはMRSAは存在しなかったことから, やはりこれは病院の特殊環境からきていることは明らかである.今回, S.auresが3回とも分離され, それがMSSAからMRSAへあるいはその逆へと変わった者は2名みられたが, それが一過性の存在を意味するのか, それとも常在するS.aureusのクローンが変化しながら定着しているのか, 明らかにするには長期間の追跡調査が必要である.
  • 職制別の保菌状況とムピロシン軟膏による除菌効果
    重松 聡, 前田 康典, 前田 貴美子, 田中 修一, 青山 重靖
    1998 年 13 巻 4 号 p. 238-244
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    医療従事者はそれぞれの立場で病院感染対策に積極的に参加し, それを怠ることはできない.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) は, 易感染患者 (compromised host) において感染を生じる危険性が高い.MRSA感染制御には手洗いあるいは手指消毒, 環境の汚染対策などの基本的な対策に並行して, 患者および医療従事者の保菌者対策が重要とされている.そこで全職員を対象に講習会を開き, さらに対策を充実させるため, また保菌率の把握のために鼻腔内MRSA検査を実施した.全体の保菌率は1回目23.7% (52/219名), 2回目13.5% (28/209名) であった.職制別では看護スタッフの保菌率がもっとも高く1回目37.6% (41/109名), 2回目26.8% (26/97名) であった.また, スタッフに対しムピロシン軟膏による鼻腔除菌を2回実施し, 1回目は102CFU/plate以上, 2回目は30CFU/plate以上MRSAが検出された者を対象とした.追跡調査をした結果, 1回目および2回目の使用ともに約100%の除菌率を示し, 除菌効果は約1ヵ月間持続することを確認した.
  • 梅木 茂宣
    1998 年 13 巻 4 号 p. 245-249
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    長期臥床中や中心静脈栄養中の患者, あるいは気道感染症や尿路感染症を繰り返す患者に6ヵ月間断続的にムピロシン軟膏を鼻腔内塗布し, 全身のMRSA管理におけるムピロシン鼻腔内塗布の有用性について検討した.塗布前鼻腔内にMRSAを認めた5例全例で1ヵ月後に鼻腔内MRSAが消失した.また, 塗布前に腸骨部や仙骨部の褥瘡からMRSAを頻繁に検出した4例のうち2例で, ムピロシン鼻腔内塗布後褥瘡部のMRSA検出率が低下した.さらに, 塗布前に喀痰よりMRSAを検出した2例において塗布後3ヵ月間MRSAの消失を認めた.以上の結果より, 長期臥床中や中心静脈栄養中, あるいは気道や尿路に感染症を有する患者における全身のMRSA管理にあたって, ムピロシン軟膏の鼻腔内塗布が有用である可能性が示唆された.
  • 小滝 照子, 三田尾 賢, 井原 基公, 木村 公重, 重光 昌信
    1998 年 13 巻 4 号 p. 250-254
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    当院産科病棟では, 新生児のMRSA院内感染防止対策の重要性を認識し, 種々の対策を行ってきた.その対策内容の変更により1989年5月より1997年8月までをI期~V期に分けた.当院臨床検査部臨床微生物検査室に提出された検体のうちMRSAが検出された1歳未満の症例を, 出生日により上記の1~V期に分け検討した.
    1) 院内感染対策を行う前 (1期) は, 新生児室内でMRSA膿痂疹6例, 涙嚢炎1例が認められ, 産科退院後の症例より7例のMRSAが検出された.新生児室の消毒剤による清拭, 一行為一手洗いの感染対策 (II期) を行った結果, 新生児室での膿痂疹などからMRSAは検出されなくなった.
    2) 職員と入院前の妊婦鼻腔ブドウ球菌検査を行い, MRSA検出例は除菌を行った (III期, IV期).新生児室でのMRSA発症はなく, 産科退院後の症例よりMRSAが検出された例は, III期3例, IV期2例と減少した.
    3) 他院NICUから当院新生児室へ転院してきたMRSA鼻腔保菌児が原因と考えられる院内感染が発生し, その後MRSA鼻腔保菌の介助者が原因と考えられる院内感染が発生した (V期).新生児室での発症は膿痂疹の1例のみであったが, 退院前の新生児鼻腔ブドウ球菌検査でMRSAの保菌が認められた.産科退院後の症例より4例にMRSAが検出された.
    4) 新生児室での院内感染対策は, 新生児室での発症を激減させるだけでなく, その後のMRSA保菌・発症を減少させることが示唆された.
  • 大石 正夫, 宮尾 益也, 阿部 達也
    1998 年 13 巻 4 号 p. 255-257
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    最近経験されたmethicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA) 眼感染症の7症例について報告した.症例は全眼球炎1例, 眼窩蜂巣炎2例, 角膜炎1例, 眼瞼結膜炎1例および慢性結膜炎2例である.全例に脳疾患, 糖尿病, 腎不全, 気道感染症など全身合併症を有しており, compromisedhostであった.分離されたMRSA7株はvancomycin, arbekacinには全株が感受性で, ペニシリン剤, セフェム剤, 他のアミノグリコシッド系薬剤には耐性であった.治療はVCM点滴静注, ニユーキノロン点眼剤が投与されて症状の改善をみた.MRSA眼感染症の現況と対策につき言及した.
  • 布施 文男, 山本 健二
    1998 年 13 巻 4 号 p. 258-261
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    東京大学医学部附属病院分院における感染対策委員会では, 1993年より委員の中に Infection Control Nurse (ICN) 的役割を設け, 施設の汚染や職員のMRSA保菌者調査を定期的なっている1).月1度開催される感染対策委員会ではMonthly Reportとしてこれらの調査結果および入院, 外来患者のMRSAの分離頻度や薬剤感受性のみならず, 分離頻度の高かった他の病原菌についても報告している2).最近当院では, 病棟別の分離菌分布表と薬剤感受性情報を含む病棟別隔週感染レポート発行を始めた.その結果,(1) これまではできなかった病棟別の評価ができるようになった,(2) 各病棟に直接届けるため, データが各病棟勤務者に直接, 早く目に届くようになった,(3) 検査材料が統計データに記載されているため疾患別に評価できるようになったなど, Monthly Reportの欠点を大幅に改善できるようになった.また, このレポートにより院内感染患者に対し, 細菌検査室より薬剤感受性検査結果が出る前に抗生物質投与を行う必要があるなどの場合にも非常に有用であることが判明した.
  • ヨーロッパ諸国と我が国における院内感染対策事情の比較
    市場 ゆかり, 鍋谷 佳子, 金沢 きみ代, 殿岡 幸子, 嶽本 剛平, 杉山 香代子, 成毛 一子, 堤 寛, 桜井 公, 向井 征二, ...
    1998 年 13 巻 4 号 p. 262-266
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
  • イギリスの院内感染対策マニュアルの内容, 活用点の考察
    金沢 きみ代, 村山 郁子, 新井 裕子, 岡田 成彦, 鍋谷 佳子, 市場 ゆかり, 由良 秀典, 向野 賢治, 原 司, 波多江 新平
    1998 年 13 巻 4 号 p. 267-271
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
  • イギリスにおけるLink Nurseの役割
    鍋谷 佳子, 市場 ゆかり, 金沢 きみ代, 向野 賢治, 古田 信弘, 殿岡 幸子, 原田 正弥, 杉山 香代子, 村山 郁子, 波多江 ...
    1998 年 13 巻 4 号 p. 272-275
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
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