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三崎 隆
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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本研究では,ノルウェーにおいて実践されている理科教育並びにSTEM教育の実態を現地の義務教育学校の視察を事例に報告する.ノルウェーにおける理科教育は,5つのコア・エレメント(科学的実践と思考,テクノロジー,エネルギーと物質,地球と生命,身体と健康)から構成されている.Ris skoleでは実生活に関連づけて科学的な思考を高めるカリキュラムとともに,STEM教育の選択科目が展開している.Lutvann skoleでは実生活に直結する教材を扱って科学的な思考を高めるとともに,各学年における野外教育においてSTEM教育が展開している.
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服部 裕一郎, 上ヶ谷 友佑
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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近年,オーセンティック(authentic)な学習の必要性が強調される中,学習者へどのように真正な問題文脈を提供するかについての精緻な研究が待たれ.本研究では,真正性を離散的な立場捉えるのく,連続的な立場で捉え,学習者に与える問題文脈について,「真正性の度合い」の観点から考察を行う.どの程度に,学習者真正性を提供することが肝要なのか.課題意識対授業設計上示唆を得ることが本研究の目的である.研究の結果,真正性の対象として「内容の真正性」と「活動の真正性」に関して,これらを接続する教材開発モデルを提案し,異なる「真正性」間の関係を議論した.そて,学習者にとって,その問題文脈が考えるに足有意味性を持ち得かどうの程度を表す「親和的潜入性」概念の存在を示唆した。この概念は,数学授業の設計上,問題の属性を検討すること示唆持ち得る.
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森嶋 麗奈, 今井 壱彦, 山田 優基, 松嵜 昭雄
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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割合の理解に課題があることは,60年以上も前から指摘されている.現在もこの課題は解決されていない.そこで本稿では,埼玉県内公立小学校第6学年を対象としておこなわれた調査の内で,百分率に関する「持ち物検査問題」に焦点をあてる.そして,「持ち物検査問題」の解答とその解答を選んだ理由をもとに,割合の問題の解き方という視点で,児童が割合と百分率に対してどのような見方・考え方をもっているのかを明らかにすることを目的とする.解答を選んだ理由を考察した結果,百分率に起因する誤答と百分率に起因しない誤答に大別することができた.百分率に起因する誤答からは,割合と百分率の関係を十分に理解していないことに課題があることが想定できた.そして,割合と百分率が上手く接続できていないことが,百分率を理解することを困難にしているのではないかという示唆を得た.
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落合 美沙, 竹井 丈広, 松嵜 昭雄
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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次期学習指導要領では,分数の乗除に関する内容が移行となる.本稿では,分数÷分数の算数科教科書における,面積図と数直線の複合図に着目する.複合図は,除数が単位分数ではない場合と単位分数である場合の2つに大別できる.例として,G社とKe社に掲載されている複合図の作成過程について整理する.これにより,複合図の作成過程において働く数学的な見方・考え方の特定に向けた考察を行う.
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舩越 亮太
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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本研究の目的は, 数学と理科との両教科で学習する概念が個人内でどう結びついているのかを定量的に明らかにすることである. 本研究では, 中学校数学科で学習する関数領域と中学校理科で学習する「運動の規則性」単元に着目し, 9つの概念「速さ」「表」「グラフ」「比例」「等速直線運動」「y=ax」「自由落下」「y=ax^2」「慣性」を抽出して, 分析を行った. クラスタ分析を用いて, テスト得点高群とテスト得点低群とが有する概念構造を比較したところ, テスト得点高群は, 教科の枠組みにとらわれない形で概念が構成されているのに対して, テスト得点低群では, 教科の枠組みごとに概念が構成されており, 有する概念構造に違いがあることが明らかとなった. 教科の枠組みにとらわれない概念構造を獲得するには, 学習の転移を促進する必要があると考えられ, 両教科の共通性に着目した指導の必要性が示唆された.
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田村 篤史
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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Math for Excellenceの教材開発のためには,数学的能力・才能の高い生徒のより多くの抽出,およびその特徴の分析が不可欠である.そのため,(田村,2018)において数学的才能のチェックリスト(質問紙)を開発した.質問紙は,数学オリンピック予選合格者と一般的な高校生のグループから,予選合格者を正判別率93%以上で判別することができるが,マハラノビスの距離による2次の判別分析を用いたため,判別関数が非常に煩雑である(48変数の2次式).任意の集団から予選合格者の予測が容易に行えることが望ましく,本研究では,変数増加法によるロジスティック回帰分析を用いて,任意の集団に適用可能な汎用的でシンプルな回帰式を導出した.
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宮国 泰史, 福本 晃造, 城間 吉貴, 杉尾 幸司, 古川 雅英
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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琉球大学が実施する科学教育プログラム「琉大ハカセ塾」の受講生が提出した,合計113本の「研究計画書」の記述内容を分析することを通して,受講生の研究の指向性と研究概念の発達程度を分類した。いくつかの研究計画書においては,自分の知りたいこと,行いたい実験等についての記述がある一方で,明瞭な疑問文あるいは疑問形の接続詞を欠くなど,「衝動的」な研究概念の段階が認められた。また,疑問の対象とする現象の中身について検討すると,「どうなっているのか」,「どうなるのか」などの疑問の対象とする現象について予測や仮説が立てられていない状態や,「表土の違いにより汚染の状態にも違いがあるのか」や「淡水魚の泳ぎ,ヒレの使い方,つくりは関係があるのか」などの予測や仮説が立てられている疑問形の形などに,分類することが可能に思えた。これらの結果をもとに,児童・生徒の研究概念の発達過程について考察する。
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中山 雅茂
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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これまで小学校理科における棒温度計の使用方法に関しては,第 3 学年での地面の温度や第 4 学年での気温を測定する場面で,目盛の読み方と棒温度計に直射日光が当たらないようにすることが指導されてきた.第4 学年での水の沸騰に関する実験では,沸点の測定ではなく沸騰している時の温度が一定であることを実験を通して理解する現象の一つして注目されてきた.中学校ではこれを踏まえ,純粋な物質の沸点や融点を測定する実験を行うことが示されてきた.今回,平成 29 年の学習指導要領改訂により,中学校理科では混合物を加熱する実験を行うことが示された.これらを踏まえ,小学校理科における棒温度計の使用に際して,正しい水温の測定方法を指導することを提案する.
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伊藤 裕子
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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学校教育において既に薬教育は開始されているが,社会の動向に合わせた学習内容の改訂が必要である.本研究では,薬教育を対象として,新学習指導要領が社会の動きを捉えて改訂されているのかを,新学習指導要領解説の記述内容の変化及び薬教育に対するニーズのアンケート調査の分析により明らかにすることを試みた.その結果,アンケート調査で薬教育ニーズがもっとも高い「危険ドラッグ」は,高等学校の新学習指導要領解説の「保健」に新しく取り上げられ,社会の動きを捉えた改訂であることが示された.
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大口 莉奈, 森田 直之, 鈴木 憲征, 保坂 勝広, 金子 雅彦, 長田 学, 早川 信一
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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東京都立科学技術高等学校は平成29年度まで文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールに11年間指定され,科学技術に関する探究活動が授業科目である「課題研究」を中心に展開されている.本校では2年次より生徒全員が履修する(3単位)「課題研究」において,生徒は個々に研究テーマを設定し,約2年間に渡り,探究活動を行う.平成29年度からそれまで設定されていた学校設定科目である『科学技術と人間』が課題研究を学ぶための素養を身につけるための科目として『科学技術探究』に発展した.平成29年度以前の入学生は履修できていないため探究活動を支えるプログラムは用意されてこなかった.本研究では『課題研究』を履修した生徒の立場で本校の教育プログラムを検証する.
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石橋 一昴
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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本研究は,高等学校数学Aの確率における根元事象についての問題の答えが,学問数学による答えとは異なることから,数学教育の確率単元における根元事象には暗黙的な仮定が存在すると考え,それを明らかにすることを目的とした.また,先行研究の知見から,暗黙的な仮定が存在すればそこから指導上の課題が明らかになるとの示唆を得たことから,確率教育の課題の指摘にも取り組んだ.その結果,確率教育の根元事象は,各根元事象が同様に確からしいことを暗黙的な仮定としていることが明らかになった.次に,事象の確率の定義に「根元事象が全て同様に確からしい」という記述があることと,各根元事象が同様に確からしくない問題が扱われていることを,確率教育における自己矛盾として指摘した.さらに,これらの矛盾から,確率教育における根元事象の意味が一貫していないことを指摘し,それを乗り越えるための対応方策を提案した.
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田代 佑夏, 井出 幸輔, 島田 英一郎, 田中 俊太, 湯浅 健吾, 三崎 隆, 村松 浩幸, 茅野 公穂, 谷塚 光典, 市川 公明
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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文部科学省指定研究開発学校として「幼小中一貫の教育課程開発」を進める中で,小学校低学年(第1~3学年)には,従来の教科を緩やかに統合した「学びの領域」を新設し,実践している.「かがく領域」では,自然科学に関わって遊ぶ児童の姿を,教師が算数的,理科的,技術的視点から据えた資質・能力表を窓口に支えることで,児童が主体的に自己を発揮しながら,自然科学の意味や役割を自覚的に学ぶことが示唆された.
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~自然体験教室と理科の学習をつなぐ海洋教育カリキュラム開発と実践~
里 浩彰, 千葉 和義
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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平成19年に制定された海洋基本法では,学校教育での海洋教育の推進を定めているが,現状では十分に実施されていない.原因の一つが,海から離れた内陸地域でも実施可能な海洋教育カリキュラムが十分に整備されていないことがあげられる.本研究では,内陸地域である東京都北区の小学校をモデルに,内陸地域でも実施可能な海洋教育カリキュラムの開発,実践を行った.臨海地域で実施する自然体験教室と,学校で実施する第5学年「物の溶け方」の学習を海洋教育の観点から再考し,一連の海洋教育カリキュラムとして実践した.その結果,児童らの海に関する興味関心を高めることができるとともに,海を守ること,海を利用すること等の視点が育まれたことが示唆された.さらに,既存の学習内容を海洋教育の観点から再考することで,内陸地域でも実践可能な海洋教育カリキュラムを開発できる可能性について見出すことができた.
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椎橋 げんき, 大貫 麻美, 石沢 順子
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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2020年から小学校でのプログラミング学習が必修化する。一方で、幼児期の遊びを通したプログラミング的思考の資質・能力の基礎を育む教育と小学校のプログラミング教育とのつながりは弱く、幼児教育におけるプログラミング教育について述べている研究も少ない。幼児期の遊びを通したプログラミング的思考の芽生えを明らかにし、保育環境と融合するプログラミング教育の体系化をめざすことを目的とした研究の基礎的研究として、ビジュアル型プログラミング言語アプリケーション「viscuit(以下、ビスケット)」をインストールしてあるタブレット端末を、幼児が遊びの過程で操作する様子を記録、分析した。分析結果から、幼児の興味・関心が「描く際の色の選択」、「描いた線が取消できれいに消える」、「描いた絵が自由に動かせる」、「複製が劣化しない」、「オリジナルと同じの画像を大量複製可能」の5つに大別できることなどが示された。
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髙橋 瞭介, 桐原 一輝, 桐生 徹, 大島 崇行
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
児童の空間認識力の向上を目指し,ドローンを活用した授業実践を行い,授業前後でテストを実施した.本研究の目的は,ドローンを飛行させるプログラミング教育が児童の空間認識力の向上にいたるのかを明らかにすることである.その結果,学力層の中位群と低位群において,事前テストに対し事後テストの点数が有意に上昇し,事後テストにおいて低位群は高位群と中位群に対し有意な差は見られるが得点の上昇が見られ,中位群は高位群と有意な差が見られない同水準まで達したことが明らかになった.
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―「棄却域の見方」と「仮説棄却の方法」に着目して―
塩澤 友樹
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は,高等学校数学科における仮説検定の系統的な学習指導に向けた示唆を得ることである.この目的に対して,本稿では,平成30 年告示高等学校学習指導要領解説数学編理数編における数学Ⅰ「新素材枕問題」及び数学B「細工コイン問題」について分析した.そして,「棄却域の見方」と「仮説棄却の方法」に着目し,中高大内容の系統性の観点から学習指導の系統性について考察した.その結果,(1) 数学Ⅰ「仮説検定の考え方」では,「外れ値」の範囲の見方を重視し「棄却域の見方」の素地を養うこと,(2) 数学B「仮説検定」では,「仮説棄却の方法」は「p 値と有意水準を比べる方法」と「検定統計量と棄却域の関係をみる方法」の2つあり, 中高大内容の系統性から後者を主として単元に位置付ける必要があることの2 つの示唆が得られた.
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So Samborey, SHIMIZU Kinya
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
The purpose of this study is to identify teacher trainees’ misconceptions in Atom and Molecule. The data was collected from 83 teacher trainees at Kampot Provincial Teacher Training Center. The results were discovered that teacher trainees held some misconceptions that: 1) atoms and molecules cannot be seen at the micro level, 2) chemical bonds of atoms have different charge, 3) atoms are living.
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KAO Sovansophal, SHIMIZU Kinya
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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This study examines trends and patterns of Cambodian upper secondary school students’ attitudes towards science. Certain students’ attitudes towards science patterns were indeed embedded significant differences between male and female, science and social science tracks, and urban and non-urban.
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HUN RAVY, SHIMIZU KINYA
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
The study investigated teacher educators’ attitudes towards, their ICT competence, and the relationship between the two. The findings indicated that teacher educators had a positive attitude towards the use of ICT in education while their ICT competence was still moderate. Teacher educators’ attitudes towards ICT significantly related to their ICT competence.
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山下 修一, Anderson David
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
2018年度,千葉大学との関係が深いUBC新渡戸紀念庭園で,新渡戸博士との関係が深い台湾の大学院生を対象として,博物館教育の視点を取り入れた約1時間の新渡戸紀念庭園での博物館教育プログラムを試行した.その結果,プログラムを受講した大学院生の新渡戸紀念庭園へのイメージが肯定的に推移した.2019年度には,改善したプログラムを7月中にUBCで展開する予定なので,その結果についても報告する.
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Heng Tola, SHIMIZU Kinya
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
This study aims to examine the knowledge level of science process skills of pre-service student teachers and to investigate the effect of Biology experiment on improving science process skills of pre-service student teachers in Teacher Training Institutions in Cambodia. This study used quasi-experimental design with pre and post-test which access 7 skills of SPS along with control group.it was found that student teachers had high level in Observing, Inferring, Classifying, Defining Operationally and Formulating Models, but low in Formulating Hypothesis skill. There were significant different in Observing skill based on area of institution and in Inferring skill based on their level of education. As a result of second objective, it was found that there was only one skill had significant different in Formulating Hypothesis skill between experimental and control group.
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―日本とカンボジアの中学校理科授業の比較分析から―
中村 琢, 犬飼 騰浩
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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理科授業において学習者が主体となっ実験や観察を行たり,探究的な活動などを通し課題解決したりするなどの授業形態が,授業者によ一方的な学習形態と比べて,学習者の科思的な思考力の育成と科学的な概念の獲得に有効であると考える.本研究では,日本とカンボジアの理科授業の形態について,授業者と学習者の行動を比較する .両国の中学校の理科授業について学習者と指導者の行動とどちらに主体があるのかを分類した.加えて,教科書・教材の使用法と授業者へのインタビュー調査を実施し,授業者の意識を比較した .学習者が授業時間内に授業者や学習者間で相互に対話しながら活動する場面に富む日本と,授業者による理論の解説と問題演習に充実したカンボジアの違いが明らかなった.
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山田 真子
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
本研究では,国民学校の理数科理科の教科書について,教科等横断的な視点から数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせて働かせることに着目して分析し,今後の教科等横断的な視点での理科の内容等の組み立てについて検討した.その結果,理数科理科の教科書には,数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせて働かせることのできる学習内容が扱われていることが明らかになった.今後の教科等横断的な視点での理科の内容等の組み立てにおいては,他教科の理科と関連する学習内容と他教科の見方・考え方を考慮することが重要であることが示唆された.
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山口 大輔, 磯﨑 哲夫
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
本研究は,科学教育における科学コミュニケーションのデザインを考案することを目的とした. まず,科学コミュニケーションに関する先行研究のレビューを中心として,科学コミュニケーションの教育的 意義について検討した.次に,科学的リテラシー育成に関する先行研究のレビューを中心として,科学コミュ ニケーションのデザインについての目的論・内容論・方法論的検討を行った.最後に,それらの結果を踏まえ, 科学教育における科学コミュニケーションのデザインを考案した.
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安部 洋一郎, 松本 伸示
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
小学校第5学年理科の学習内容である振り子の単元は,測定誤差の影響によって児童の理解が妨げられることが先行研究において指摘されている.そこで,測定誤差とそれに対処する手続きについて理解を深めることを目的とした授業を同単元において行った(N=89).取り上げた学習内容は,結果を平均する手続きと,外れ値を除去する手続き及び,それらを行う理由の理解である.授業後の調査の結果それらの理解が深まったことが確認された.
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―力学領域に着目して―
荒谷 航平, 丹沢 哲郎
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は,1821~1930年の米国のハイスクール「自然哲学」及び「物理学」の教科書において,先行研究で明らかにされた両科目の目的がどのように具体化されているのかについて,力学領域に着目して明らかにすることである.本研究では,17冊の教科書を対象に,先行研究と同様に次の3期間の学習内容を分析した.その結果,第1期(1821~1872年)では神による自然界の創造に関する記述,第2期(1873~1899年)では数式や実験活動に関する記述,そして,第3期(1900~1930年)では大気圧の発見などの物理学史に関する記述が見られた.以上の結果は,荒谷・丹沢(2019)が明らかにした「自然哲学」や「物理学」の第1期と第3期の目的の妥当性を裏付けた一方で,第2期の目的について再考する必要性を示唆した.
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―数学学習における「試験」の肯定的役割のサンプル分析―
上ヶ谷 友佑, 大谷 洋貴
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
本稿の目的は,数学教育研究に内在する暗黙的な価値観を反省するための,新しい研究方法論の開発である.特に本稿では,これまでの数学教育研究において,学習者に対する動機付けとしての試験の役割が否定的に捉えられてきた経緯を反省することを1つの問題意識として,試験の役割の肯定的側面を発見するための研究方法論を具体的に例示する.本稿は,大きく分けて次の3つの内容からなる.まず,推論主義と呼ばれる哲学的視座に基づきながら,計量言語学的手法によって分析可能な概念使用のモデルが提案される.次に,証明の学習で楽しかったことについての中学2年生の自由記述を定性的に分析することで,数学教育における「試験」の肯定的役割が3点示唆される.最後に,この定性的分析の結果を,定量的分析に接続するための方法論を具体的に論じる.今後の課題としては,この方法論の多様な概念への適用可能性についての議論が残された.
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朝比奈 翔太, 稲垣 成哲, 武田 義明, 山口 悦司, 溝口 博, 楠 房子, 舟生 日出男, 杉本 雅則
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
近年, 地球規模で生物多様性の低下が問題視されている. 日本では,生物多様性に関する環境問題の1つに里山の放置などがある. 将来に渡り里山の生物多様性を維持するために, 若い世代が里山の植生遷移を学習することは非常に重要であろう. そこで, 里山の植生遷移を効果的に学習できるよう, 「里山管理ゲーム」が開発された. 本研究では, このゲーム画面上の学習支援領域が効果的に作用しているかを調査するため, ゲームプレー中の視線を計測した. 本報告では, 被験者1名に着目し, ゲーム画面上のど領域に視線が停留するかを分析した結果, 学習支援領域から, 害虫の影響を読み取ることなく, ゲームを進めている可能性が示唆された.
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-「My 里山画面」の実装と「里山シミュレーター」の改良-
出口 明子, 川島 芳昭, 大久保 達弘, 相沢 尭和
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
筆者らは環境学習のためのデジタルゲーム教材として,里山の植生遷移及びその管理や利活用についての理解支援を目的とした「里山Life・アドミンズ」の開発・評価研究を行っている.本研究ではその機能拡張として,「My里山画面」の実装と「里山シミュレータ」の改良を行った.本稿ではこれらの機能拡張の概要を解説するとともに,大学生を対象とした予備的評価の結果を報告する.
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江本 有咲, 久野 新, 川端 樹, 楠 房子, 稲垣 成哲, 花木 久実子, 安宅 範子, 野上 智行
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
フリー
本研究では,子ども向けの効果的な動物学習のために,動物の骨格とその動きの観察を支援する3DCGアプリケーションを提案する。本3DCGアプリケーションは,ライオン,ペンギン,パンダの3種類の動物の骨格とそれらの動作を拡張現実により表現したものであり,動物園での利用を想定している。特徴としては,観察対象の動物とシームレスに骨格の形態的情報を表示し,(1)動物の骨格を360度いずれの角度からでも観察できる,(2)骨格の一部を選択し,拡大することによって,細かい形態を観察できる,(3)骨格を動かすことによって動物の特徴的な動作を観察できることであった。本3Dコンテンツは,ライオン,ペンギン,パンダの3種類の動物の骨格とそれらの動作における動きを表現したものであった。
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神山 真一, 山本 智一, 稲垣 成哲
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
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本研究の目的は,教員志望の大学生対象にア ーギュメントを小学校理科授業に導入するための指導能力育成プログラムを開発することである。 プログラムのプロセスは, アーギュメントの定義と意義について のレクチャー,児童のアーギュメントの実態に関するレクチャーと演習,アーギュメントの指導と評価について 体験的に理解する演習,小学校で実際に行われたアーギュメント指導の概観, 学生が自ら授業を立案して実践する模擬授業の実施であった。 各プロセスにおいては, McNeill and Krajcik Krajcik(2011 )をもとにした 12 の教授方略について,これらよる指 導能力を育成するようにプログラム内容を設定した 。プログラムの各内容では,先行研究に基づき ,理由付け指導の充実,学習問題の設定指導の充実,アーギュメント構造の指導の充実を重点事項とした。
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安積 典子, 川上 雅弘, 山内 保典, 仲矢 史雄, 萩原 憲二, 秋吉 博之, 片桐 昌直, 井奥 加奈, 生田 享介, 岡崎 純子, ...
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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小学校の若手教員を対象にした理科研修のプログラムとして,課題探究型のグループワークを実施した.同じ容器に入った正体の分からない5種類の水を,8種類の候補の中から同定するという課題に,情報の収集・整理,予想・仮説の立案,実験計画の立案,実験の実施,考察,発表のためのポスター制作まですべて,4名からなる班のメンバーの協力により取り組んだ.最後にポスターセッション形式の発表と,ルーブリックによる相互評価を行った.事後アンケートの結果から,受講者らはこのプログラムを通じて,集団での学び合いの有効性について体験的に理解したことが伺えた.一方,発表ポスターと相互評価の結果からは,科学的なものの見方や考え方に関して班ごとの到達度に幅があることが明らかになった.
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~教師をめざす学生の探究過程における思考の反覆に光をあてて~
加藤 慎一, 森本 明
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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数学的な見方・考えのよさが分かる授業を具現すことは,児童生徒における数学的に考える資質・能力を高める上で重要である.算数学科の教特性を考慮しつ,一人児童生徒力・学習状況に応じながら,数学的に考える資質・能力を高めた数学的な見方・考え方のよさが分かる教材と授業づくりにおいて不断の検証改善を重ねる構え身につけことは,教師めざす学生って必要だろう.また,その中で,具体的に活動デザインを探究すること,そしてれを経験する学生のうちに積んでおくこともまた必要だろう.本研究は,このよに考える立場から思反覆光をあて学生が数的な見方・考え方のよさが分かる活動デザインを探究す過程考察する.本稿では,関数的な見方・考え方に焦点化して,そのよさが分かる活動デザインの学生による探究過程を促進すことを,これまでの成果ならびに課題の一端を報告する.
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清水 優菜
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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本研究の目的は,三角比における困難感尺度を開発し,その信頼性と妥当性を確認することであった. 3大学の大学生 270 名を対象に,質問紙調査を行なった.探索的因子分析の結果,三角比における困難感は,「問 題解決」と「相互関係」,「鈍角の三角比」,「三角比に関する定理」で構成されることが明らかとなった.基準関 連妥当性を検討するために,三角比の得意度および容易さとの相関係数を算出したところ,4因子とも負の相関 が認められた.さらに,困難感因子の学年間および学校間の差異を検討した.その結果,(1)偏差値の低い学生 は困難感が高いこと,(2)学年が高くなると,三角比に関する定理への困難感が高くなることが明らかとなった.
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山口 忠承, 石原 美希, 角田 莉奈, 高見 静香
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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小型核磁気共鳴装置を用いた有機化合物の解析は,化合物の化学構造知ることを通じて有機化学の理解を深めることにつながる.しかし,高校の現場で活用するためには,短時間での反応や精製の簡単さや,簡単な実験操作に加えて,生成物の純度を上げる等の制約がある.本研究では原料としてサリチル酸を用いて,サリチル酸エチル,アセチルサリチル酸の合成を行い,それぞれの化合物の化学構造の解析を試みた.これに加えて,原料を含めて,3つの化合物の物性差が学校現場で簡単に明らかになる手法の検討を行った.高校の有機化学を習う単元や,大学の教養レベルの実験で活用できる化合物の化学構造と,各物理的な性質が関連付けたICT教材を作成した.
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発話分析に基づく学習プロセスの検討
坂本 美紀, 山口 悦司, 都倉 さゆり, 山本 智一, 稲垣 成哲, 俣野 源晃
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
会議録・要旨集
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本研究では,科学技術の社会問題に対する意思決定を扱う小学生向けの教育プログラムの成果評価の一環として,意見対立の解消・緩和に向けた解決策を考案するグループ議論における児童の発話を分析し,学習活動のプロセスについて検討した.児童の発話を5つのカテゴリーに分け,授業間で出現率を比較した結果,学習の進展に伴う発話タイプの変化と,扱う論点の困難さに起因すると考えられる変化の両方が確認され,授業改善への示唆を得ることが出来た.
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トピックモデルを用いたグループ議論の分析の試行
山口 悦司, 坂本 美紀, 松河 秀哉, 都倉 さゆり, 山本 智一, 稲垣 成哲, 俣野 源晃
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
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本研究では,科学技術の社会問題に対する意思決定を扱う小学生向け教育プログラムの評価の一環として,教育プログラムにおける学習プロセスを評価するためのテキストマイニング技術の適用可能性を探るために,テキストに含まれる話題(トピック)を推定する手法「トピックモデルを用いた分析」を適用して,意見の対立の解消・緩和に向けた解決策に関するグループ議論の試行的な分析を行った.トピックモデルを用いた分析の結果,教育プログラムの学習プロセスの評価として意味のあるラベルの命名ができたトピックを計 7つ抽出することができた.
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大黒 孝文
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
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教師教育の主要な課題として新しい世代の教員を養成し,その専門性や資質・能力を育成することは重要な課題とされている.これらの課題克服の一助として,理科を教える教員志望大学生を対象に,従来型の授業を表現したマンガ教材とAL型授業に修正した指導案を比較する学習活動を通して,AL型授業を読み解く教材を開発した.教員志望学生を対象に実験を行い,修正部分の気づき,及び教材の使用感と有効性について質問紙調査を行った結果,学習者はほぼ指導案の修正部分を読み取ることができており,本教材を効果的な教材と判断していることが明らかとなった
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宇宿 公紀, 加藤 尚吾, 加藤 由樹, 千田 国広
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
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LINEでは,既読無視や未読無視といった“スルー(無視)”がトラブルの原因の一つとしてしばしば指摘されるが,スルーは特に複数のメンバーでやりとりができるグループトークで生じやすいと言われている.本研究では,LINE利用者を対象にしたアンケートを実施し,スルーをしやすいと捉えられているグループトークのメンバーの数やグループの種類,話題について調査した.その結果,7人~10人程度からスルーをしやすくなること,メンバーの意思や親密度に関わりなく作成された形式的なグループでスルーをしやすいこと等が明らかになった.
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孔 泳泰
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
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今回の研究は,OECD主管のPISA 2015の調査の中で革新的な分野として新たに実施された協働的問題解決力の国際調査結果から韓国の結果を国際的に比較しながらまとめたものである.韓国の2015 PISA調査の協同的問題解決力(Collaborative problem solving)の結果に基づいて,日本を中心に参加国との国際比較研究を行った.
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蓮尾 信太郎, 生尾 光, 小川 治雄
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
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教科書中にて取り上げられている燃料電池教材は出力が小さい。また,市販されている実験キットは高価であり普及には至っていない。本研究では,電解質膜について十分な出力が得られるとともに,安価かつ実験室内でも簡便に調製可能な条件を検討した。自作したセルを用いて燃料電池を組み立てたところ,モデルカー等の負荷を作動させることができ,その価格も大幅に抑えることができた。
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小笹 康輔, 網本 貴一
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
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本研究では,安価なマイコンと半導体センサを使った簡易計測装置を作製し,比色定量や温度測定を含む探究的な実験活動を展開した.自作された簡易計測装置による実験において,教材用に市販されている計測機器等で行った場合と比べて,遜色ない精度でその結果を得ることができる.大学生および高等学校教員を対象として実施された教育実践では,計測装置の作製とそれを用いた探究的な実験活動の有用性を受講者が実感できたことが伺えた.本セッションでは,作製した簡易計測装置を実際に用いる実演を通じて,探究的な実験活動における自作計測装置の活用の可能性について議論する.
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今宮 則子, 都築 章子, 中野 義勝, 平井 和也, 藤田 喜久
セッションID: 1
発行日: 2019年
公開日: 2020/07/31
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サンゴ群集の経時的変化を見ながら,サンゴの生息を阻害する様々な要因がサンゴ礁生態系に与える影響とその度合いを学ぶための,高校生向け参加体験型学習プログラム「サンゴのテリトリーウォーズ」を開発した.さらに,英語版と小学生向け「サンゴのテリトリーウォーズkid’s」も開発した.本発表では,この「サンゴのテリトリーウォーズ」の開発の意図,プログラムデザインの特徴,各種の実践・活用事例について紹介する.
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