日本養豚研究会誌
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22 巻, 4 号
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  • IV. 自動給餌機と自動除ふん機を装着した豚舎の管理作業
    岡田 光弘, 戸原 三郎
    1985 年 22 巻 4 号 p. 191-199
    発行日: 1985/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    著者らは千葉県市原市において, 構造が同じで管理者が異なる2棟の肥育豚舎の管理作業を調査した。これらの豚舎には, 自動給餌機と自動除ふん機が設置されていた。結果を要約すると次のとおりである。1) これら2棟の肥育豚舎の管理作業については, 除ふん清掃作業, 観察作業, 点検整備作業, 出荷作業の4種の単位作業が観察された。2) 豚舎構造が等しいにもかかわらず, 除ふん清掃作業の方法には管理者による差が認められた。E豚舎の豚房内の除ふん作業は, スコップを用いるふんのかき取りとホーキを用いる掃き寄せにより行われていたが, F豚舎のそれは, スコップだけを用いていた。E豚舎とF豚舎の冬季の作業は全豚房を対象に行われていたが, F豚舎の夏季には1豚房おきに除ふん作業を行なっていた。3) 調査時における肥育頭数は, E豚舎の冬季が162頭, 夏季が207頭であり, F豚舎の冬季が264頭, 夏季が444頭であった。1日の作業時間は, E豚舎の冬季が6,444秒, 夏季が4,830秒であり, F豚舎の冬季が4,107秒, 夏季が3,827秒であった。1日の作業動線長は, それぞれ1,438.75m, 1,130.95m, 1,179.60m, 1,032.10mであった。4) 得られた結果を既往の成績と比較するため, 飼育密度で修正し, 調査対象豚舎の収容頭数を412頭とした場合, 肥育豚1頭を管理者1人で1日管理した場合の日常的管理作業に要する時間は, E豚舎が17.90秒, F豚舎の冬季が8.05秒, 同夏季が3.82秒であった。肥育豚1頭を1日管理するために必要な歩行距離は, それぞれ3.64m, 2.51m, 1.08mであった。5) この結果を, 著者らが報告したふん尿分離型スノコ式豚舎とふん尿混合型スノコ式豚舎の所要時間ならびに歩行距離と比較すると, 大幅な短縮が認められた。しかし, 観察作業等の豚の健康管理に係る作業は, 実数値ならびに全作業に占める割合ともに増加していた。
  • 千国 幸一, 神部 昌行, 小沢 忍, 小石川 常吉, 吉武 充, 矢野 信礼
    1985 年 22 巻 4 号 p. 200-205
    発行日: 1985/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    ランドレース種, ハンプシャー種, デュロック種の去勢と雌より30, 50, 70, 90kg時に背脂肪の脂肪組織を採取し, 成長に伴う脂肪酸組成の変化と脂肪酸組成にみられた品種間差, 性差の発現時期の検討を行なった。成長に伴って外層, 内層とも飽和脂肪酸量とモノ不飽和脂肪酸量が増加し, リノール酸量が減少したが, 70kgから90kgの間での変化は少なかった。90kg時の品種間差はミリスチン酸, パルミトオレイン酸, ステアリン酸, オレイン酸, リノール酸で有意な差となった。これらの差異を要約すると, ランドレース種は他の2品種と比ベリノール酸の少ないことが特徴であった。ハンプシャー種とデュロック種の差異はモノ不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の量比にみられ, ハンプシャー種がデュロック種に比べ高い値を示した。これらの差異は30kg時にはすでに表われており, その特徴が90kg時まで継続していた。ランドレース種内での腹の違いによる脂肪酸組成の差異も30kg時より存在し, 遺伝的に決定される脂肪酸組成の差異は30kg時に表われていることが示された。90kg時の性差はミリスチン酸, パルミチン酸, ステアリン酸, リノール酸に認められ, 去勢は飽和脂肪酸が多く, リノール酸が少なかった。この差異は30kg時にはなく, 50kg時より成長に伴って拡がる傾向にあった。
  • 杉本 亘之
    1985 年 22 巻 4 号 p. 206-212
    発行日: 1985/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚に対するアファルファ, ビートパルプおよびポテトパルプの多給が, 消化器官各部位の内容物の性状およびVFA濃度とその組成にどのような影響を及ぼすか検討した。試験飼料は, 対照区: 豚産肉能力検定飼料単一給与, アルファルファ区: 対照飼料80%+アルファルファ20%, ビートパルプ区: 対照飼料70%+ビートパルプ30%, ポテトパルプ区: 対照飼料70%+ポテトパルプ30%の4飼料とした。1) 盲腸以降における消化管内容物中の水分含量は, 対照区およびアルファルファ区に比べ, ビートパルプおよびポテトパルプ区が高い値で推移した。2) 消化管内容物のpHについて, 胃のpHは飼料による影響が認められたが, 小腸上部以降では各処理区ともほぼ類似の変動パターンを示し, 小腸部でpHは5.7~6.6と高まり, 盲腸および結腸入口でpHは5.4~5.8に低下し, 直腸でpHは6.2~6.8と再び上昇した。3) 消化管内容物のNH3-N濃度は, 胃では各処理区とも10~17mg/100gと低かったが, 小腸では対照区およびアルファルファ区で増加し, 特にアルファルファ区における増加が著しかった。消化管内全体を通じ, ビートパルプおよびポテトパルプ区のNH3-N濃度は, 対照区およびアルファルファ区に比較し, 総体的に低い値で推移した。4) 消化管内容物の乳酸含量は, 各処理区とも胃および小腸で高く, 盲腸以降で非常に低かった。なお, 対照区およびアルファルファ区は, 胃に比較し小腸部で乳酸含量が著しく増加したが, ビートパルプおよびポテトパルプ区のそれは胃以降しだいに低下を示した。5) VFAは消化管各部位で認められたが, 各処理区とも特に盲腸および結腸入口で高濃度に存在した。小腸末端部以降におけるVFA組成は, 対照区に比較しその他の繊維質飼料区で酢酸の割合が高く, プロピオン酸割合が低かった。以上の結果より, 繊維質飼料の種類によって, 豚の消化管内容物の性状に及ぼす影響の異なることが推察されたが, 豚に対する繊維性成分の栄養学的意義に関しては,豚の生産性との関連において, 今後の検討が必要と考えられる。
  • 2. 食品残滓物を中心に配合した場合のと肉成績ならびに肉質について
    松岡 昭善, 鈴木 伸一, 池田 周平, 濱岡 俊哉
    1985 年 22 巻 4 号 p. 213-220
    発行日: 1985/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豆腐粕, ラーメン屑などの食品残滓物を主体とした発酵飼料を豚に給与し, と肉成績および肉質に及ぼす影響を追究し, 次の結果を得た。と肉成績については, 発酵飼料給与豚がと殺体重に達するのに, 検定飼料給与豚よりも20日程度多く要したものの, 両者間には顕著な差は認められなかった。背最長筋の硬さについては, 発酵飼料給与豚が軟脂であるにもかかわらず, Texturometer による測定結果には顕著な差は現れなかった。筋肉の一般成分については, 水分含量は発酵飼料給与豚が高い傾向を示し, 背最長筋と半膜様筋では有意差が認められた。粗タンパク質含量は検定飼料給与豚が高い傾向を示し, 半膜様筋では有意差が認められた。肉色については, 飼料による影響は顕著でなかった。体脂肪については, 発酵飼料を給与することにより, 融点が低下し, ヨウ素価が増し, リノール酸の顕著な増加, パルミチン酸およびステアリン酸の減少, ステアリン酸に対するリノール酸の比率ならびに全不飽和脂肪酸の顕著な増加が認められた。筋肉脂質の脂肪酸組成については, 体脂肪の脂肪酸組成と類似した傾向を示した。以上の結果より, 豆腐粕, ラーメン屑などの食品残滓物を主原料とした発酵飼料を豚に給与した場合, 発酵により嗜好性は改善されるが, 軟脂豚の発生が明らかとなったので, 発酵飼料の質の改善はもとより給与方法などについて検討する必要があると考える。
  • 上田 博史
    1985 年 22 巻 4 号 p. 221-226
    発行日: 1985/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    鉄剤の投与法および投与量の違いが子豚の貧血に及ぼす影響を, ヘモグロビン量, ヘマトクリット値, 血漿鉄, 鉄結合能, 不飽和鉄結合能および鉄の飽和指数を指標として, 通常の飼養条件下で調査した。投与法の影響は, 鉄として100mgの硫酸第一鉄 (7水塩) とデキストラン鉄をそれぞれ経口投与および筋肉内注射して, 無処理の貧血区と比較した。投与量の影響は, 鉄として100mgおよび200mgのデキストラン鉄を筋肉内注射して, 貧血区と比較した。硫酸第一鉄の経口投与はヘモグロビン量およびヘマトクリット値を増加させたが, 等量の鉄をデキストラン鉄として筋肉内注射した場合に得られた効果に比べ, その影響は一過性で, 持続性に乏しからた。デキストラン鉄の筋肉内注射で, 離乳前の血漿鉄および鉄の飽和指数は増加し, 鉄結合能および不飽和鉄結合能は低下した。これらの影響はデキストラン鉄の投与量が多いほど顕著であった。しかし硫酸第一鉄の経口投与による影響はみられなかった。また離乳によってもデキストラン鉄の筋肉内注射と同じ効果がみられた。
  • 1985 年 22 巻 4 号 p. 227-241
    発行日: 1985/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 大眉 博
    1985 年 22 巻 4 号 p. 242-245
    発行日: 1985/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 矢野 幸男
    1985 年 22 巻 4 号 p. 246-255
    発行日: 1985/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 社団法人日本種豚登録協会
    1985 年 22 巻 4 号 p. 259
    発行日: 1985/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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