日本養豚研究会誌
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19 巻, 3 号
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  • 押田 敏雄, 向井 寿輔, 本庄 利男, 田中 享一, 光崎 龍子, 和気 三男
    1982 年 19 巻 3 号 p. 141-146
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚ふん尿を高水分で好気的に発熱発酵させた液状発酵飼料 (Liquid Fermented Feed, LFF) を重量比で10%を市販配合飼料 (くみあい・ピグエースC) に添加した飼料で肥育生産した豚肉 (試験区) と, 市販配合飼料のみで肥育生産した豚肉 (対照区) の肉質, 特に風味を三点比較法により比較検討した。試料は焼肉と焼豚にそれぞれ調理し, 18歳~20歳の女子学生36名をパネルとして検査を行なった。
    その結果, 焼肉とした場合は試験区, 対照区の識別はできなかったが, 焼豚とした場合は試験区, 対照区の識別ができ, その嗜好は試験区を好むグループと, 対照区を好むグループとに分散され, どちらも有意であった。
  • 上村 俊一, 当山 慶正, 松川 俊一
    1982 年 19 巻 3 号 p. 147-154
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    沖繩県の3市町村で発生した豚赤痢64頭に対し, リンコマイシンの筋肉内注射による治療試験を行なった。
    その結果, 10mg/kg体重 (注射液として0.1ml/kg), 5mg/kg体重 (同0.05ml/kg) のいずれも治療効果を示し, 翌日には38例 (59.4%), 2日目までに61例 (95.3%) が正常便に回復した。特に, 10mg投与は良好で, 48例中35例 (72.9%) が翌日までに, 残りも全て2日目までに正常便となり, 平均完治日数は1.27日で5mg投与の2.00日より有意に優れる結果を示した。リンコマイシン注射液による治療で, 発症豚は糞便性状の回復とともに糞便中のT. hyo., および潜血反応も消失して行った。
    リンコマイシン注射液は, 豚赤痢の治療に極めて顕著な効果を示した。
  • I. 構造の異なる豚舍の管理作業
    戸原 三郎, 佐々 斉, 岡田 光弘
    1982 年 19 巻 3 号 p. 155-164
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    著者らは, 千葉県香取郡下に設置された4種類の豚舎, すなわち, 糞尿分離型スノコ式豚舎 (以下, A), ふん尿混合型スノコ式豚舎 (以下, B), 単飼型ケージ式豚舎 (以下, C), 群飼型ケージ式豚舎 (以下, D) の管理作業を調査し, 管理者1人で1頭の豚を1日管理するために必要な所要時間と歩行距離にまとめた。これらの豚舎は, いずれも自動給餌器, 自然除ふん機の装備のないものであった。
    その結果の要約は, 次のとおりである。
    1. 管理作業は, 給餌給水作業, 除ふん清掃作業, 手入れ観察作業, 飼料調製作業, 舎内整備作業, しき料投入作業の6種に分類された。
    2. 4種類の豚舎を平均した場合の全管理作業の所要時間は24.10秒であり, 歩行距離は6.36mであった。
    3. 所要時間を最も多く要していた単位作業は除ふん清掃作業で12.59秒であり, 給餌給水作業はこれに次いで8.27秒であった。これらの作業に要する所要時間は全作業の80%強を占めていた。
    4. 歩行距離に最も多くを要していた単位作業は給餌給水作業で2.65mであり, 除ふん清掃作業はこれに次いで2.44mを要していた。この2者を合せると全作業の80%を超えていた。
    5. 給餌給水作業では, 所要時間の少なかったのは (D) で6.87秒であり, (C) は最も多くを要し10.79秒であった。また, 歩行距離では (A) が最も少なく1.46mであり, (D) は3.69mを要していた。
    6. 除ふん清掃作業では, 所要時間の最も少なかったのは (C) の2.81秒であり, (D) は17.60秒を要していた。また, 歩行距離においては (C) の0.70mが最も少なく, (D) は4.19mを要していた。
    7. 作業能率を豚舎別にみると, 所要時間, 歩行距離とも最も能率の良いのは (C) であり, 以下 (B) (A) (D)の順であった。
  • 入江 正和, 大本 邦介
    1982 年 19 巻 3 号 p. 165-170
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    脂肪組織のテクスチャー及び軟脂の判定基準に関する方法を確立するために, テクスチュロメーターを用いて軟脂を通常豚脂と比較検討した。
    組織脂肪の硬さ, ガム性は背脂肪 (内層, 外層) においては軟脂および硬脂グループで差は認められず, 腎脂において有意差があった。凝集性については各グループ間で殆ど差がなかった。
    部位別では, テクスチャー特性 (硬さ, 凝集性, ガム性) は背脂肪外層でもっとも高い値を示し, 次に皮下内層, 腎脂の順であった。
    軟脂は皮下組織脂肪において通常豚脂と比較してテクスチャー特性は殆ど変わらないものと思われた。
    部位による細切, 抽出脂肪の硬さは組織脂肪の時と逆の関係であった。
    細切あるいは抽出脂肪の硬さにおいて, 軟脂グループは硬脂グループより有意に軟らかかった。
    これらの事から組織脂肪の硬さは組織強度に負う所が大きく, 細胞の貯蔵脂肪の性状には影響されにくいことがわかった。
    また, 細切脂肪, 特に腎脂を用いたテクスチュロメーターによる硬さの測定値は軟脂の客観的な評価方法としてもっとも有効であると思われた。
  • 2. 豚の熱発生量測定におけチエンバー法とマスク法の比較
    戸原 三郎, 中村 彰, 西野 松之, 佐藤 至, 丹羽 美次
    1982 年 19 巻 3 号 p. 171-176
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    著者らはチエンバー法 (A区) とマスク法 (B区) で, 豚のCO2発生量とO2消費量, 呼吸商, 熱発生量, 呼吸数, 心拍数を測定する実験を行った。供試豚はデュロック種3頭 (27.4±1.9kg)で, チエンバー法は22例, マスク法は17例について測定した。
    1. 環境温度はA区が平均19.50±1.55℃, B区は18.39±1.06℃, 相対湿度は前者が平均83.3±6.7%, 後者は67.3±12.0%, 絶対湿度はA区が平均11.3±1.4g/m3, B区は8.2±0.9g/m3となり, いずれもA区の値はB区より若干高く, とくに相対湿度の差が多かったが, 両区の間に有意差は認められなかった。
    2. CO2発生量はA区が平均12.61±2.54l/hr, B区は13.26±3.11l/hr, O2消費量はA区が平均15.82±2.99l/hr, B区は15.11±3.33l/hrであったが, いずれも両区の間に有意差は認められなかった。また, 呼吸商はA区が平均0.82±0.07, B区は0.88±0.10で, 両区の間に若干の差が認められた。
    3. 熱発生量はA区が平均6.14±1.10Cal/kg0.75・hr, B区は6.14±1.47Cal/kg0.75・hrであったが, 両区の間に有意差は認められなかった。
    4. 呼吸数はA区が平均43.8±17.1回/分, B区は40.6±9.2回/分, 心拍数はA区が126.5±9.9回/分, B区は129.1±9.7回/分で, 双方とも両区の間に若干の差はみられたが, 有意差ではなかった。
    5. 豚の熱発生量の実験において, チエンバー法とマスク法の両測定値の間に統計的な有意差が認められなかったので, いずれを採用してもよいと考えられるが, 豚にはチエンバー法のほうが適していると思われる。
  • 1982 年 19 巻 3 号 p. 177-199
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 昭三
    1982 年 19 巻 3 号 p. 200-202
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 社団法人日本種豚登録協会
    1982 年 19 巻 3 号 p. 206
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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