日本養豚研究会誌
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最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 1) 生理反応について
    鎌田 寿彦, 中村 孝, 野附 巌, 森田 琢磨
    1986 年 23 巻 4 号 p. 173-178
    発行日: 1986/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    夏季における豚の熱射病に対する知見を得るために, 供試時体重が45~48kgの去勢豚を環境制御室内に収容し気温を時間経過とともに上昇して生理反応を測定した。1頭目の豚には33℃から37℃までの変化を3日半, 2頭目の豚には1頭目の豚の感作に加えて更に49℃までの変化を計4日半, 3頭目の豚には10℃以上環境温度を急激に上昇して41℃に4時間感作させ, 感作中の心拍数, 呼吸数および直腸温を測定した。その結果, いずれの生理反応も気温の上昇に伴って増加または上昇した。心拍数は気温41℃以上で増加した。呼吸数と直腸温の増加, 上昇は気温とより密接な関係にあり, この生理反応の増加, 上昇の程度は気温が徐々に上昇した場合には気温40℃近辺までは変化が緩やかであった。呼吸数と直腸温の最高値はいずれも3頭目の豚で観察され気温41℃下でそれぞれ230回/分, 42.8℃であった。また, 2頭目の豚でも気温が49℃になった時に42.8℃の直腸温が記録された。観察された呼吸数の最高値はこれまでの32~34℃における報告に比べると非常に多く, このことは気温40℃近辺でも豚が呼吸数を増加して高温に耐える能力を有していることを示しており, 心拍数と直腸温の結果もこれを裏付けている。また, 測定を終えて環境制御室から出した時にいずれの豚もかなりの抵抗力を残していたことを考え合わせると, 気温の単一要因のみであれば我が国において夏季に経験される程度の高温には豚が耐え得ると思われた。
  • 2) 病理学的所見
    中村 孝, 鎌田 寿彦, 野附 巌, 森田 琢磨
    1986 年 23 巻 4 号 p. 179-183
    発行日: 1986/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    3頭のランドレース去勢雄豚がそれぞれ, 37, 41および49℃の高温感作された後, 放血殺後おのおのについて病理組織学的観察を行なった。
    その結果, 3例ともに脳に軽度の充うっ血がみられ, さらに2例の同部に部分的水種性変化が存在した。
    検索した骨格筋には変性性病変である節状凝集, 硝子化, 融解のいずれかの病変が散発的であるが全例に存在し, なかでも, 高温でしかも負荷時間の長かった例では比較的強い壊死, 清掃・再生の変化が筋線維にみられた。
    これらの軽い病変は高温感作にともなう熱射病の病変とは言い難いものであったが, 豚の熱射病における病理形態学的変化の研究成果が乏しいことから, 実験的熱射病としての基礎データの一つとなり得るものと考えられた。
  • 入江 正和, 西村 和彦
    1986 年 23 巻 4 号 p. 184-191
    発行日: 1986/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    カポック粕の飼料中含量と給与期間が豚の脂肪の性状に及ぼす影響を4ヵ月齢の子豚16頭を用いて調査した。飼料にはすべて大豆油7%を加え, 軟脂豚を発生させた。カポック粕の飼料中含量を4水準 (0, 2, 3, 4%) とし, 給与期間を2水準 (4, 7週間) とした4×2要因配置の乱塊法によって試験を実施した。使用したカポック粕は圧搾油粕で, 粗脂肪含量は8.8%, シクロプロペノイド脂肪酸 (CPFA) 含量は1.34%であった。脂肪のヨウ素価, 屈折率には処理による差はほとんどなかった。カポック粕の効果は脂肪蓄積部位によって差がみられた。背脂肪外層ではカポック粕給与による有意な影響はみられず, 背脂肪内層および腎臓周囲脂肪については融点, C18:0/C18:1比の値にカポック粕給与による有意な増加がみられた。また, カポック粕は2%レベルでは4週間の給与ではあまり効果がなく, 7週間の給与を必要とした。しかし, 3%あるいは4%レベルでは4週間の給与でも7週間と同じ効果があり, 3%でも4%でもその効果は変わらなかった。以上のことから軟脂豚防止のために使用するCPFAは, 低いレベルでは給与期間を長くとる必要があるが, ある程度の高いレベルであればそれ以上添加しても効果の向上は期待できず, 短期間の給与でもよいことがわかった。
  • 宮腰 裕, 太田 達郎, 咲山 久美子
    1986 年 23 巻 4 号 p. 192-195
    発行日: 1986/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    1腹6頭の子豚 (Landrace×Hampshire) を実験に用い, 2日齢から14日齢までの間に, 寒冷ストレスおよび取扱いのストレスをそれぞれ2回負荷して, 血漿カテコールアミン濃度を測定し, 平常時の値と比較した。実験時の子豚の直腸温, 吸乳量およびヘマトクリット値は日齢に伴う正常な変動を示し, また, 血漿グルコース濃度には与えられたストレスによると思われる変化が認められなかった。7日齢以前のストレス負荷時における血漿中のノルエピネフリン (NE) およびエピネフリン (E) の値は平常よりも高い傾向を示したが, 10日齢以降ではその傾向が明らかではなかった。NE/E比はストレス負荷時の値が平常時よりも有意に高く (P<0.05), また寒冷ストレス時の値が取扱いストレス時の値よりも高かった。
    以上のことから新生期におけるストレスに対する血中カテコールアミン放出反応が認められ, 特に寒冷ストレスに対してはノルエピネフリン濃度が相対的に高くなることが示された。
  • 1986 年 23 巻 4 号 p. 196-216
    発行日: 1986/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 山本 正幸
    1986 年 23 巻 4 号 p. 217-221
    発行日: 1986/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 鄭 英彩
    1986 年 23 巻 4 号 p. 222-227
    発行日: 1986/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 吉本 正
    1986 年 23 巻 4 号 p. 228-230
    発行日: 1986/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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