日本養豚研究会誌
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20 巻, 1 号
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  • 波岡 茂郎
    1983 年 20 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1983/03/15
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    哺乳期子豚は初乳を摂取するにもかかわらず, とくに種々の局所感染に母子感染の型で罹患しやすい。その原因として初乳に由来する血中IgGは局所感染を抑制するには至らず, かつ子豚の局所における免疫応答能が不全であることがあげられる。一方哺乳豚はヒト小児の common variable hypogammaglobulinemia with B lymphocyte に類似の状態を生理的に有すると考えられる。このような哺乳期の免疫不全における機構および, この時期に種々の免疫増強剤を与えた場合その免疫応答能にどのような影響がみられるかについて2, 3の検討を行なった。
    1. 1及至4週齢における小賜粘膜固有層における IgA bearing cell 数は少なく, その増加はきわめてゆるやかである。しかし, 生下時から5日齢にかけて免疫増強剤 peptidoglycan あるいは transfer factor を経口投与あるいは接種することによって該細胞数は対照に比べて増加し, 逆に小賜内大賜菌数は減少した。また免疫増強剤接種群では対照に比較して下痢発生率が有意 (P>0.005~0.05) に低かった。しかし免疫増強剤を投与しても血中IgGレベルは対照に比べて高まらなかった。
    2. 1~5週齢豚の未梢血由来リンパ球の幼若化試験を行なったところつぎのような成績を得た。すなわちcpm, SI値とも1週齢から成豚のそれに準ずる高値を示した。また免疫増強剤投与子豚のそれらに対照と比較してcpmおよびSI値が有意に高まることはなかった。
    3. 2, 3および4週齢豚の脾蔵および賜間膜リンパ節 (MLN) におけるSRBCに対する有核細胞中のPFCをみたところその値はきわめて低く, 両者のそれを比較するとMLNではさらに低かった。これらのことから哺乳豚の免疫応答能は Suppressor T 細胞による免疫抑制の結果B細胞の分化が悪いことが想像される。
  • 3. 初生豚の熱発生量および生理反応におよぼす環境温度の影響
    戸原 三郎, 佐藤 至, 児玉 麻季子, 西野 松之, 中西 五十
    1983 年 20 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 1983/03/15
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    環境温度を適温区 (35~29℃) と低温区 (15℃) に分け, 生後2時間と同12時間, 同24時間に初生豚のCO2発生量とO2消費量, 呼吸商, 熱発生量, 呼吸数, 心拍数, 体温を調べた。
    1. CO2発生量は適温区の生後2時間が1.76±0.34l/hr, 同12時間が2.32±0.48l/hr, 同24時間が1.86±0.52l/hrで, とくに12時間後の増加割合が多かった。そして, 低温区はいずれも適温区より多く, それぞれ61%, 28%, 77%増であった。2. O2消費量は適温区の生後2時間が2.12±0.36l/hr, 同12時間が2.70±0.52l/hr, 同24時間が2.28±0.62l/hrで, とくに12時間後の増加割合が多かった。そして, いずれも低温区は適温区より多く, それぞれ60%, 47%, 72%増であった。
    3. 呼吸商は適温区の生後2時間が0.84±0.10, 同12時間が0.84±0.08, 同24時間が0.82±0.07, 低温区はそれぞれ0.83±0.09, 0.75±0.04, 0.84±0.03となり, 低温区の12時間後を除くとだいたい一定していた。
    4. 熱発生量は適温区の生後2時間が7.57±1.00Cal/kg0.75hr, 同12時間が9.11±1.31Cal/kg0.75hr, 同24時間が8.11±2.18Cal/kg0.75hrで, とくに12時間後の増加が多かった。そして, 低温区はいずれも適温区より多く, それぞれ72%, 60%, 89%増であった。
    5. 呼吸数は適温区の生後2時間が89.0±32.1回/分, 同12時間が64.9±13.6回/分, 同24時間が50.4±12.0回/分で経時的に減少しており, また, 低温区も適温区と同様に減少の傾向であった。そして, 低温区は適温区のそれぞれ76%, 96%, 119%であった。
    6. 心拍数は適温区の生後2時間が196.3±27.4回/分, 同12時間が196.0±33.6.回/分, 同24時間は178.5±28.5回/分で時間の経過に伴い減少の傾向がみられ, また, 低温区はいずれも適温区より多く, それぞれ34%, 26%, 36%増であった。
    7. 体温は適温区の生後2時間が38.31±0.87℃, 同12時間が38.54±0.65℃, 同24時間が38.43±0.25℃で, 低温区はいずれも適温区より低くそれぞれ, 適温区の95%, 97%, 97%であった。
  • 入江 正和, 崎元 道男, 大本 邦介
    1983 年 20 巻 1 号 p. 19
    発行日: 1983/03/15
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    残飯養豚における軟脂の保存性について調査し, その改善法についても検討を行なった。残飯給与による軟脂は通常豚脂と比較して酸化安定性がかなり劣っていたが, 冷凍保存 (-20℃, 2ヵ月) では問題ないと思われた。残飯にα-toc 20mg/日/頭添加では効果が認められず, 大麦80%配合は硬脂になると共に酸化安定性がもっともすぐれていた。脂肪のα-toc含量は低レベルで各区に差は認められなかった。
  • 1983 年 20 巻 1 号 p. 27-63
    発行日: 1983/03/15
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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