日本養豚研究会誌
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8 巻, 2 号
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  • 古郡 浩, 戸原 三郎
    1971 年8 巻2 号 p. 57-66
    発行日: 1971/08/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    新生豚の生理貧血と損耗の関係ならびに子豚の鉄欠乏性貧血の発育阻害を明らかにしようとした。生理貧血と損耗の関係を調べるため, 13腹117頭の新生豚を用い, コンクリート床の豚房で, 10日齢まで母乳のみで哺育し, この関係を追跡した。また, 鉄欠乏性貧血の発育阻害の実験は, 11腹83頭の子豚を用い, 3日齢から60日齢まで行なった。鉄処置区はデキストラン鉄の筋肉内注射ならびにフマール酸第一鉄の経口投与を行ない, 貧血区は無処置とした。その結果の概要は次の通りである。
    1 出生時体重の平均値は1.15kg, 分布範囲は0.47-1.95kgであった。出生時体重の正常値を平均値土標準偏差×2とすると, 正常値は0.59-1.71kgの範囲であった。出生時Hb量の平均値は10.7g/100ml, 分布範囲は6.5-14.8g/100mlであった。正常値は8.1-13.3g/100mlの範囲であった。
    2 出生時体重の小さい個体は体重増加が劣り, また出生時Hb量が低く, Hb量の減少が大きい傾向にあった。出生時Hb量の低い個体はHb量の低下がきわめて大きく, また, 出生時体重が小さく, 体重増加が劣る傾向にあった。すなわち, 出生時体重の小さい個体や出生時Hb量の低い個体が貧血の影響を受けやすかった。出生時体重の大きい個体と出生時Hb量の高い個体は, 体重増加が良好で, Hb量の減少が少ない傾向にあった。
    3 出生時体重による死亡率は, 1.0kg未満の群が30%, 1.0kg以上1.4kg未満の群が16%, 1.4kg以上の群が5%であった。出生時Hb量による死亡率は, 10.0g/100ml未満の群が30%, 10.0g/100ml以上12.0g/100ml未満の群が14%, 12.0g/100ml以上の群が12%であった。なかでも, 出生時体重が小さく, かつ出生時Hb量が低い個体の死亡率が43%で, もっとも高く, しかも, その死亡は3日齢以前に多かった。これは, 出生時体重の大きい個体や出生時Hb量の高い個体の死亡が3日齢以前に全く認められなかったのと対照的であった。したがって, 新生豚の生理貧血は3日齢以前の損耗と関係が深いことが明らかとなった。
    4 出生時体重と出生時Hb量は腹による差異が明瞭で, しかも, 産子数の多い腹は出生時体重の小さい個体や出生時Hb量の低い個体が多かった。したがって, 産子数の多いことが, 出生時体重の小さい個体や出生時Hb量の低い個体を生産し, 損耗率が高くなる原因である。
    5 鉄欠乏性貧血の発育阻害の実験において, 貧血豚の増体量は30日齢以降明らかに低下した。したがって, 鉄欠乏性貧血は長引いた場合, 発育の阻害要因になることが明らかになった。しかし, 発育がこの貧血の原因であるので, 貧血が発育におよぼす影響を早い時期から明確に知ることはきわめて困難である。
  • 柏崎 守, 三谷 賢治, 波岡 茂郎
    1971 年8 巻2 号 p. 67-70
    発行日: 1971/08/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    B. coagulance の乳酸菌製剤 (動物用ラクリス, 三共) を規制環境中のHPCD豚に投与した場合, 投与菌は糞便中にどのような状況で出現するかをしらべ, つぎの成績を得た。
    すなわち, 1頭あたり B. coagulance の約5×107個を人工乳に添加して1日に1回, 5~20日間にわたって連続して投与したところ, 該菌はすでに投与24時間後の糞便中に105~106個の範囲で出現し, との菌数は投与期間中比較的安定して持続した。しかし, 投与を中止すると, 出現菌数は比較的すみやかに減少し, 中止7日目以後ともなると糞便中からほとんど消失してしまう傾向にあった。一方, B. coagulance の投与によって, 糞便中の大腸菌および腸球菌の菌数, ならびに総菌数が大きく変動するようなことはなかった。
  • 森 淳, 長野 錬太郎, 姫野 健太郎, 高橋 正也
    1971 年8 巻2 号 p. 71-80
    発行日: 1971/08/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    繁殖雌豚の合理的な育成法を知るため, 育成期間中の栄養水準の相違が発育, 飼料要求率, 初回発情日齢, 排卵数, 胎児の生存率および母豚のと体等におよぼす影響を調べた。
    ランドレース種 (L種) およびその雑種 (YL種) の雌豚各12頭を多給区, 基準区, 少給区の3区にそれぞれ4頭づつ分け, YL種は平均体重80kgから, L種は50kgから試験を開始した。飼料は豚産肉能力検定用2号を用い, 次のように給与量をきめた。すなわち, 基準区の給与量に対して, 多給区, および少給区では, それぞれその120%および80%相当量を給与した。一方, L種の試験では基準区の給与量はYL種と同一であるが, 多給区および少給区の給与量はそれぞれ基準区の115%および85%とした。また交配はYL種では120kg到達後第1回目の発情で, L種は2回目の発情でおこない, 交配後40目にと殺解体し, 排卵数, 胎児数, と体の性状などについて調べた。
    その結果, 供試豚の発育は多給区が最もすぐれた。基準区は多給区にやや劣る程度であったが, 少給区は他区に比して発育が著しく劣った。
    基準区の飼料要求率は多給区よりもやや低く, すぐれたが, 少給区は多給区よりも劣った。
    初回発情到達日齢および初発情時の体重は, 多給区と基準区の間にほとんど差がなかったが, 少給区では到達日齢がおくれ, しかも軽るい体重で発情を示した。
    排卵数はYL種では多給区がやや多く, L種では少給区が多かった。
    排卵数に対する胎児の生存率は少給区が多給区, 基準区に比して高かった。
    と体測定項目のうち背脂肪の厚さには飼料給与量による差異が明らかであったが, その他の項目については有意差は認められなかった。
  • 第1報 無機薬物添加による凝集と〓過
    和賀井 文作, 藤沼 一郎
    1971 年8 巻2 号 p. 81-86
    発行日: 1971/08/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 1971 年8 巻2 号 p. 87-91
    発行日: 1971/08/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 1971 年8 巻2 号 p. 93
    発行日: 1971/08/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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