日本養豚研究会誌
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21 巻, 3 号
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  • 第2報 肥育豚での馬鈴薯サイレージ及び澱粉粕の利用性
    米田 裕紀, 首藤 新一, 阿部 登, 所 和暢, 糟谷 泰, 西部 慎三, 吉本 正
    1984 年 21 巻 3 号 p. 125-134
    発行日: 1984/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    肥育豚に対する馬鈴薯サイレージ及び澱粉粕の効率的利用体系を明らかにするため, サイレージの給与割合, 豚の品種別での利用性, 高蛋白質飼料の比較, 澱粉粕の嗜好性, 栄養価値, 添加割合及び栄養補正について一連の試験を実施した。
    1. 馬鈴薯サイレージの配合飼料に対する代替給与は風乾物に換算して40%が適量と考えられた。
    2. 馬鈴薯サイレージの豚の品種別での利用性は中ヨークシャー種が劣っていた。
    3. 馬鈴薯サイレージの多給による蛋白質の不足を補うためには, 大豆粕が有効であったが, アミノ酸のバランスを考慮すると種々の組合せが必要となる。
    4. 馬鈴薯サイレージは煮熟または熱湯処理によって嗜好性は向上するが, サイレージ給与の場合との飼料効率, 燃料費, 労力などの経済性を考慮する必要がある。
    5. 廃液を添加しない澱粉粕 (ポテトパルプ) と廃液を添加した澱粉粕 (ポテトミール) の嗜好性は, ポテトミールの方が良好であった。
    6. ポテトミールの消化率は, 粗蛋白質が49%と低く, 粗繊維が85%と高く, DCPは4.8%, TDNは58.2となった。
    7. ポテトミールの30%代替給与は大豆粕, 動物性油脂を添加しても発育増体は改善されなかったが, 20%代替給与では動物性油脂の添加によって, 改善が期待できた。
    8. ポテトミール, 動物性油脂の添加によって, 肉質には悪影響は全く見られなく, 良質な豚肉が生産された。
  • 小島 洋一, 中村 義一, 宮崎 昭
    1984 年 21 巻 3 号 p. 135-141
    発行日: 1984/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    グレインウイスキー蒸留生廃液を給与して子豚を育成し, さらにひき続いて肥育試験に供した。廃液の一般成分の平均は, 乾物41.0%, 現物中の粗たん白質14.3%, 粗脂肪9.9%, NFE13.2%, 粗繊維0.2%, 粗灰分3.5%でpHは4.5, 粘度は11848cpであった。第1~第3試験の対照区 (各々4, 4, 6頭) には市販育成用配合飼料のみを給与し, 試験区 (各々4, 5, 5頭) には市販育成用配合飼料: 廃液: 糖蜜をそれぞれ10:5:1, 20:15:2, 2:1:0の割合で混合して自由摂取させた。1日当たりの増体量 (kg) は, 第1試験 (28日) で対照区0.73, 試験区0.87, 第2試験 (42日) で0.86, 0.89, 第3試験 (41日) で0.75, 0.78kgであった。
    ひき続いての肥育試験では, 市販育成用飼料を同肥育飼料におきかえたが, 1日当たりの増体量 (kg) は, 第1試験 (42日) で対照区0.87, 試験区0.81, 第2試験 (35日) で, 0.75, 0.79, 第3試験 (18日) で0.98, 0.99であった。また肥育豚の枝肉計測値や脂肪や肉の色調は, 対照区と試験区の間に大差がなかったが, 皮下脂肪と腎臓脂肪の不飽和脂肪酸の割合が試験区において高く, なかでもリノール酸の割合が高かった。なお飼料費を試算してみると,廃液給与の試験区において, 対照区と比較しいずれも10%以上の節減が認められた。
    本研究を実施するにあたり, グレインウィスキー濃縮生廃液を提供していただいたサングレイン株式会社に対し, 深甚の謝意を表します。
  • I. 豚のふん尿量と豚舎内におけるふん尿分離
    瑞穂 当, 美斉津 康民, 山田 豊
    1984 年 21 巻 3 号 p. 142-149
    発行日: 1984/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚のふん尿処理を考える場合に, その前提となるふん量ならびに尿量を調査し, また, 豚舎内でふんを予乾することの可能性について実験した。得られた結果は次のようである。
    1) 養豚経営において処理の対象となるふんの量 (なま重量) は, 肥育豚の場合, 不断給飼条件では採食量にほぼ等しく, 通常の制限給飼条件では給飼量の約70%に相当する。
    2) 尿の量は本質的には体重に比例するが, ばらつきが大きく, 夏季は飲水量が多くなるため, 冬季の倍量に達する状況も見られる。現実問題として, 処理すべき尿量には若干のこぼれ水も加わるので, 不断給水条件での肥育豚の平均的数値としては, 少なくとも1頭1日3~5lの尿汚水量を見積る必要があろう。
    3) 肥育豚の排ふん回数は1日3~7回で, 時刻的には給飼時刻と関連があるように観察された。排尿回数は2~18回が数えられ, 時刻的なピークはないが, 昼間と夜間とでくらべれば, 排ふんと同様に昼間の方がはるかに多い。
    4) 豚舎内でふんと尿とをより完全に分離することが出来ないかどうか, スノコ下の床面の傾斜角度について検討したが, 尿の吸着はいずれにしても避けられず, 結果的に無効と判断された。
    5) 送風することによって, スノコ下の堆積ふんを予乾できないかどうか試みたが, 尿を吸着する方が圧倒的に優勢であり, 送風の効果は認められなかった。
    6) 上記実験結果から考えると, ふんをなるべく低水分で取出すには, 尿との接触機会を少なくする意味で頻繁に除ふんするのが実際的であると考えられる。その場合, 豚の排ふん行動の習性から考えると, そのピーク時にあたる給飼時刻のあと, 除ふんするという手順が適当と思われる。
  • II. 豚舎外におけるふんの乾燥
    瑞穂 当, 美斉津 康民, 山田 豊
    1984 年 21 巻 3 号 p. 150-156
    発行日: 1984/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚舎外へ搬出された高水分のふんを, 次の処理段階へ向けて乾燥する場面を想定した実験をおこない, 次のような結果を得た。
    1) ふんを単に放置しておくだけにくらべて, 攪拌操作を加えると, 数倍以上の乾燥促進効果が得られる。ただし, あまりにも高水分にすぎて流動状を呈するふんに対しては, 攪拌の効果が生じないので, 予め水分調整材料を加えて含水率80%以下にしてから, 攪拌操作に移ることが望ましい。
    2) 豚ふんの特性として, 含水率70%前後の頃に最大の粘性を示し, 器物に粘着し, あるいは大塊を形成して, 攪拌に大きな力を必要とする。これを避けるには, 予め水分調整資材を投入して含水率65%程度以下にしてから, 攪拌・乾燥に移る方法をとればよい。容積的にはかさばるけれども, 装置の攪拌力は小さいもので可能となり, 水分蒸発のための表面積が大きくなる利点が生ずる。
    3) 攪拌に加えて, 送風を併用すれば, ふんの乾燥速度はさらに飛躍的に促進される。
    4) 温度が高いほどふんの乾燥は速いが, 空気の流れがさまたげられた状態では, 高温の効果は減殺される。乾燥の進みぐあいは, 50℃の無風条件と, 25℃の通風条件とが, ほぼ等しい状況が見られた。
    5) ビニールハウスを使用するふんの乾燥の場合, 太陽熱を蓄積したいという希望と, 通気を良くしたいという希望とは, 相反する関係となるが, 実験結果を総合すれば, 蓄熱よりも通気を優先する方が有利であると判断される。
    6) 風は, 水分を持去る働きのほかに, 気化熱を奪われたふんを大気温まで温める働きもするはずである。太陽エネルギーの総合利用という観点から, ハウスという限られた面積で捕捉できる太陽熱と, 低温ではあっても無限大量の大気温とをくらべてみるとき, 通風乾燥の意義は再認識されてしかるべきものと思われる。
    7) 豚ふんの堆肥化を進めるにあたって, オガクズなどの代りに発酵中の堆肥を戻して, 水分調整材料として利用することも考えられる。その際, 戻す量を少量ですませたいならば, よく乾かしてから用いるべきであるが, 乾燥のしやすさを実験した結果, どの発酵段階のものでも大差はないという結果が得られた。
  • 羽成 勤, 眞田 武, 斉藤 至是
    1984 年 21 巻 3 号 p. 157
    発行日: 1984/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 羽成 勤, 眞田 武, 斉藤 至是
    1984 年 21 巻 3 号 p. 158
    発行日: 1984/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 21 巻 3 号 p. 165-219
    発行日: 1984/09/30
    公開日: 2011/11/21
    ジャーナル フリー
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