日本養豚研究会誌
Online ISSN : 2186-2567
Print ISSN : 0388-8460
ISSN-L : 0388-8460
14 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 豚の閉鎖群育種の一事例に関する検討
    西田 朗, 仁昌寺 博, 伊藤 菁
    1977 年 14 巻 3 号 p. 125-132
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚の閉鎖群育種において, 一定の集団の大きさを維持するには, 危険を見越して必要な数よりも多くの交配を行なっておかなければならない。普通, 交配後に余分となった雌豚を淘汰することとなるが, その際の選抜基準が雌だけの能力である場合と, 交配された雄との平均能力である場合とで, 選抜差にどの程度の差が生じるかを一事例について検討した。
    作図による検討と数値積分, 逐次近似法による検討の結果, この事例において, 無作為および非相似交配を行なうときには, 交配された雄との平均能力による選抜が雌だけの能力による選抜に比較して世代当り能力の標準偏差の3~5%大きな選抜差をもたらすことが明らかになった。この差は毎世代累積されて大きくなるものであり, 選抜基準を雌だけの能力から交配された両性平均能力へと変更するために必要な作業は, 容易なものであるから, この変更は意義があると言えよう。附随的に, 世代当り遺伝的改良量を大きくするという点に限れば, 相似交配が他の交配法よりもはるかに優れていることが, 明らかになった。
  • 丹羽 太左衛門, 佐藤 正一, 佐藤 鉄郎
    1977 年 14 巻 3 号 p. 133-140
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚の妊娠を早期に判定することは, 子豚の生産, 妊豚の飼養管理等の上からもきわめて重要なことである。本研究は豚の妊娠診断をなるべく的確かつ簡易に行なうことを目的として, 日本製超音波 Doppler phone を用いて実験を行ない, 次の如き結果を得た。
    1) 妊娠初期においては, 胎児DSは母豚後肢の内側付根付近で聴取されやすく, 妊娠の進行に伴いより前方で聴取されるようになる。
    2) 超音波 Doppler 法による妊娠診断の適中率は, 交配後22~29日で80%, 30~39日で62%,40~49日で77%, 50日以降では90~100%であった。なお, 最も早く妊娠診断をし得たのは妊娠27日のものであった。
    3) 胎児心拍数は, 妊娠初期には240回/分前後であるが, 妊娠の進行と共に若干減少の傾向がある。母体拍動数は, 胎児心拍数の約半分である。妊期による差は顕著でない。
    4) 胎児DS検出時間は, 約5秒から10分の間で, 熟練すれば測定開始後1~2分で第1音が聴取できる。
    以上の結果から, 本法は, 野外での豚の妊娠診断法, 特に早期妊娠診断法としてきわめて有効であると思われる。
  • I. わが国における豚の胃食道部潰瘍の実態
    山口 真俊, 竹本 和夫
    1977 年 14 巻 3 号 p. 141-149
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚の胃食道部潰瘍について1969年5月から1973年4月までの4年間にわたり, 一連の調査および試験研究を行った。
    屠場に出荷屠殺された豚の胃を検査したところ, 1,763頭中正常なもの54.7%, 胃食道部に異常を認めるもの45.3% (不全角化31.3%, 糜爛5.4%, 潰瘍8.5%) と, わが国でもいわゆる豚の胃潰瘍が多発していることを確認した。
    ことに調査中判明しに興味ある事実は, 敷料を用いず微粉配合飼料のみを与えて飼育されている豚群に高率の発生がみられることで, その発生率は80%以上に達し重度の糜爛や潰瘍の発生は25%以上にも及んだ。またこれらの群での発育不良による淘汰豚の70%程度が潰瘍を主因とするものであった。
    肉豚肥育を目的とする養豚場での疾病などによる被害状況を調査したところ, 4年間の総生産頭数27,150頭中胃潰瘍を主因とする死亡数は173頭 (0.63%) で, 淘汰豚1,239頭 (4.5%) の約70%が胃潰瘍を主因とするものとすれば, 総数の約4%が胃食道部病変によっって直接被害をうけたことになり, 豚の疾病その他による経済的損失の主位を占めた。
    胃食道部病変のうち不全角化の段階のものでは発育その他に悪い影響を及ぼさないが, 糜瘍や潰瘍にまで病変が進行すると, その程度によって種々の悪影響が認められ大量の出血による乏血死や, 悪急性の衰弱死をまねき, 慢性化すれば発育不良におち入るものが多い。
    年令, 季節, 品種, 微生物や寄生虫の感染, 中毒などと潰瘍発生との関係はとくに大きいものとは考えられないが, 性別による発生率の差は著るしく, 去勢豚67.1%, 雌豚32.9%の割合であった。
    ストレスとの関係は胃食道部病変の発生に直接関与するものではないようであり, 密飼によるストレス説は, 同密度でも敷料を用いて飼育する場合にはほとんど発生しない事実から考えると甚だ疑わしい。
  • 丹羽 太左衛門
    1977 年 14 巻 3 号 p. 150-152
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 14 巻 3 号 p. 160-181
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 14 巻 3 号 p. 186-187
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
feedback
Top