日本養豚研究会誌
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23 巻, 3 号
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  • 佐藤 正光, 正木 淳二, 丹羽 太左衛門
    1986 年 23 巻 3 号 p. 117-125
    発行日: 1986/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚の腟上皮表面および表層部での好中球の形態学的観察を光顕, 走査型および透過型電顕を用いて行った。
    好中球は, 細胞間隙を通過するものと, 上皮細胞を突き破りながら腟内腔に現われるものとがあった。好中球は通過している部位では体を細めており, 通過しおえた部位では球状に戻っていた。
    腟内腔に出現後, 好中球の核は生殖器の縦の方向に, 剥離上皮細胞の裏側で紐状に伸びていた。
  • 森 淳, 高橋 正也
    1986 年 23 巻 3 号 p. 126-133
    発行日: 1986/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    子豚の有効リン要求量およびフイチンリンの利用性を明らかにするため, 試験1では平均体重8.9kg, 試験2ではそれぞれ平均体重13kgおよび15kgの子豚を使用し, トウモロコシ, 大豆粕および脱脂米ヌカ主体で全リン含量, 試験1は0.54%, 試験2は0.58%の対照飼料に無機リンを試験1は0~70%, 試験2は0~40%添加し, 試験1は35日間, 試験2は70日間の飼養試験, その後リンの出納試験を行なった。
    無機リン無添加区の増体量は添加区に劣り (試験2), 試験1でも劣る傾向がみられた。飼料摂取量も試験2では無機リン無添加区は添加区に劣る傾向がみえた。
    リンの消化率は試験1, 2共, 無機リン無添加区は添加区に比較し劣り, 試験1では無機リン50%添加区 (全リン含量80%), 試験では30%添加区 (全リン含量0.72%) が最も優れた。尿中排泄リン量は無機リン無添加区は非常に少なく, 無機リン給与量の増加に伴い急激に増加した。リンの蓄積量では試験1は無機リン50%添加区, 試験2は30%添加区が最も蓄積量が多かった。有効リンの要求量は試験1は0.29%, 試験2は0.25%であった。
    血清の無機リン含量は, リンの給与量の増加に伴い増加したが, 飼養成績のリンの要求量よりも高い給与水準で最高となった。血清のカルシウム含量およびアルカリホスファターゼ活性値は一定の傾向を示さなかった。
  • I. 無機成分と酵素活性について
    押田 敏雄, 岩瀬 茂吉, 豊浦 雅次, 田中 享一
    1986 年 23 巻 3 号 p. 134-140
    発行日: 1986/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚血清の無機成分 (Fe, Ca, Mg, IP) と酵素活性 (ALP, GOT, GPT, LDH) の安定性について検討した。Feは-80℃保存で180日, Caは-20℃および-80℃保存でそれぞれ180日, MgとIPは4℃, -20℃および-80℃の保存でそれぞれ180日間安定であった。ALPは4℃以下の3温度条件の保存でそれぞれ180日, GOTとGPTは-20℃以下の条件でそれぞれ180日および90日間安定であった。また, LDH活性値は-20℃以上では2~7日間しか安定でなかったが, -80℃保存ではその安定性は180日間持続した。
    以上の結果から豚血清の無機成分, 酵素活性の安定性においては-20℃, -80℃の超低温による保存が好ましいものと判断できた。
  • II. 糖・脂質と蛋白・非蛋白態窒素について
    押田 敏雄, 岩瀬 茂吉, 豊浦 雅次, 田中 享一
    1986 年 23 巻 3 号 p. 141-147
    発行日: 1986/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚血清の糖 (Glucose)・脂質 (Total cholesterol, Triglyceride, Phospholipids) と蛋白 (血清総蛋白, アルブミン・グロブリン比,γ-globulin)・非蛋白態窒素 (血中尿素態窒素) の安定性について検討した。Gluは-20℃および-80℃保存でそれぞれ180日間安定であった。また, Tchはすべての温度条件下で180日間安定であったが, TG, PLでは-20℃, -80℃の保存で90~180日間安定であった。TP, A/Gおよびγ-glob は室温保存のγ-glob を除いて, いずれの温度条件下でも180日間安定であった。また, BUNは-20℃および-80℃の保存で, それぞれ30日, 180日安定であった。
    以上の結果から豚血清の糖・脂質, 蛋白・非蛋白態窒素の保存は-20℃, -80℃の超低温状態が安定性のうえから好ましいものと結論された。
  • 矢間 太, 友田 仁
    1986 年 23 巻 3 号 p. 148-156
    発行日: 1986/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚における生体計測値と, 産肉性との関係を検討することにより, 優秀な産肉性を有する個体を, と殺前に推定可能であるか否かを検討した。
    供試豚は, 神奈川家畜改良協会・豚産肉能力検定所における1984~1985年にわたる産肉能力検定豚であり, 産肉能力検定に合格した, ランドレース種20頭, デュロック種65頭, 大ヨークシャー種8頭の三品種全93頭である。
    各品種は雌と去勢雄とから成るが, 生体および枝肉全計測項目について, 計測値におけるF検定を行ない, 両者の間には殆んど有意差が認められなかったので, 同一母集団と見なし, 重回帰分析により, 産肉能力を推定するための, 生体計測項目の相対的重要性を検討した。
    この結果を基に, 外貌審査から産肉能力を推定するための, 各品種における種々の諸点をまとめ, これらの諸点に留意して選抜を実施すれば, 優秀な産肉性を有する個体の選抜が, 可能であることが示唆された。
  • 2. 肉豚に対する緑葉蛋白質の肥育効果
    杉本 亘之, 宮崎 元, 斉藤 隆
    1986 年 23 巻 3 号 p. 157-164
    発行日: 1986/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    アルファルファより調製したLPCの, 肉豚に対する蛋白質飼料としての効果を, 大豆粕と比較検討するため, 豚産肉能力検定飼料中に含有する大豆粕の一部ないし全量を, LPCで代替えした際の肥育効果について検討した。試験飼料は, 検定飼料中に含有する大豆粕 (9.0%含有) を, LPCで0, 25, 50および100%代替えし, それぞれ対照区, 25%区, 50%区および100%区の4区とした。供試豚は, ランドレース去勢雄24頭で, 各処理区に6頭ずづ配分した。肥育試験期間は, 各個体とも体重30kg~100kgの間とし, それぞれ単飼により, 飼料は不断給与とした。その結果, 発育成績においては, 試験所要日数, 日平均増体量, 飼料消費量および飼料要求率とも, 処理間に有意差 (P>0.05) を認めなかったが, 100%区は他区に比較し, 日平均増体量で若干劣る傾向が認められた。屠殺成績についてみると, 冷屠体重および枝肉歩留において, 100%区は他区よりも低下の傾向がみられたが, 処理間に有意差 (P>0.05) は認められなかった。その他の屠体測定値においても, 処理間に有意差 (P>0.05) は認められなかった。胸最長筋の理化学性状については, 特に処理間による有意差 (P>0.05) は認められなかった。枝肉の脂肪の水分, 色および融点については, LPCの給与による悪影響は認められなかった。また, 脂肪酸組成についてみると, ロース背部皮下内層脂肪のC18:3において, 100%区が対照区に比較し有意差 (P<0.05) を認めたものの, その他の脂肪酸については, 特に明らかな差を認めなかった。以上の結果から, 検定飼料中の大豆粕をLPCで50%まで代替え給与しても, 肥育効果および屠体形質の上で特に悪影響を及ぼさないものと判断された。なお, 大豆粕をLPCで100%代替えすると, 日増体量および枝肉歩留において若干低下の傾向が認められたが, その影響は小さく, LPCは肉豚用の蛋白質飼料として, 十分に活用できるものと推察された。
  • 仲宇佐 達也
    1986 年 23 巻 3 号 p. 165-168
    発行日: 1986/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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