日本養豚研究会誌
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14 巻, 2 号
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  • 宮沢 一男, 菅野 幸基, 田畑 正彦
    1977 年 14 巻 2 号 p. 63-71
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    わが国で開発された超音波技術を利用して, 豚生体のロース断面積と脂肪層を測定し, 作図上の諸問題を調べると同時に, 枝肉実測値との相関関係, 撮影条件などについて検討した。
    試験には体重およそ90kgのランドレース70頭を用い, 体長の中間を測定した。撮影方法は生体内に超音波を照射し, その反射をブラウン管に写し, ポラロイド・カメラで撮影した。撮影はと殺前日におこない, 直ちに作図して, と殺放冷48時間経過した同部位と比較した。
    その結果
    1 記録写真からロース境界を決定する主要部位は, 次の5個所と考えられた。
    (1) 背中心線
    (2) 第3脂肪層
    (3) 背中心線に面した境界
    (4) 肋骨上面
    (5) 背腸肋筋と外側境界
    なお, (3) については背中心線から3.8mm間隔をおいた平行線と横突間筋の上部から35度で背中心線に交又する, 二本の補助線を用いた。
    2 超音波測定値と枝肉実測値との相関は, r=0.935で, 1%水準で有意であった。
    3 1の (3) の条件を, 5.8mmの平行線と21度の交又線に変更し, 新らた面作図をおこなった。その場合, 枝肉実測値との相関は, r=0.954 (P<0.01) で, 2の結果よりやや高い値が得られた。
    4 超音波による測定値の精度は極めて高く, 生体のままでロース面積が推定できることが明らかになった。
    5 脂肪層の厚さの相関は, r=0.861 (P<0.01) であった。
    6 超音波の音速は, 赤肉・1740m/s, 脂肪・1450m/sが適正と考えられた。周波数は, 2MHzによる映像が明確であった。
  • IV 豚の初発情発現時期の検討
    丸山 淳一, 井口 元夫, 宮原 強
    1977 年 14 巻 2 号 p. 72-77
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    雌豚の初発情発現時期を検討するために, 卵巣, 卵管子宮, 子宮頸管, 膣および膣前庭等の各生殖器官を解剖組織学的に調査した。
    供試豚はランドレース種214頭, 大ヨークシャー種12頭, ハンプシャー種8頭, デュロック種5頭および交雑種96頭である。
    1. 初発情発現前 (生後170~180日令, 体重90~95kg) ランドレース種の各生殖器官の相関関係において, 卵巣重量は他の生殖器官とに有意な相関関係が認められなかった。卵胞の大きさでは卵管, 子宮, 子宮頸管および膣前庭等との間に有意な相関関係が認められた。
    2. 初発情発現前の豚の各生殖器官の発育状態において生後日令区分では子宮, 子宮頸管および膣重量等が生後190~200日令頃から急速な増大が見られた。体重区分では子宮頸管および膣重量が体重110kg頃から急速な増大が見られた。
    3. 初発情発現時の各生殖器官の変化について, 初発情発現前と比較すると, 前卵胞期では変化がなく, 後卵胞期は子宮および子宮頸管重量が2倍に増大し, 排卵期では子宮重量が約6倍, 他の生殖器官が約2倍に増大していた。黄体期と排卵期との各生殖器官重量の比較では卵巣が黄体期に増大しているが, 他の生殖器官は黄体期に減少している。
    4. 雌豚の初発情発現期について, 生後日令区分では170日令頃から初発情発現が開始し, 10日間を経るごとに約10%発現率が増加した。生後250日令頃には約90%の初発情発現が見られた。体重区分では85kg時より初発情発現が開始し, 5kg増体ごとに約8~10%発現率が増加した。体重130kg時には90%以上の初発情発現が見られた。
  • 宮脇 耕平, 五味 一郎, 田中 章人, 川上 素行
    1977 年 14 巻 2 号 p. 78-89
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚の胃潰瘍の発生機序は複雑で, この原因や予防法は単一なものではない。そこで今回われわれは, 現在までに説えられている胃潰瘍の発生しやすい環境として, ケージ飼育法を用い敷料は全く用いず, 市販配合飼料のみを給与するといった飼養形態のもとで, ペプシン活性を抑制することによって本症を予防しようとする目的をもって, ペプシンの特異阻害物質であるペプスタチンを飼料に添加し, 前胃部潰瘍の予防効果, ペプシン活性の抑制効果, 並びに発育, 臨床所見, 血液性状, 枝肉および諸臓器等への影響について検討し次の結果を得た。
    1. ペプスタチンの投与による胃潰瘍の予防効果は有意とはならなかったが, 対照区と比べて50・100ppm両区には本症の発生が抑制される傾向が認められ, 本剤の50ppm以上の飼料添加によって胃潰瘍の予防効果が期待できるものと考えられた。
    2. ペプスタチンのペプシン活性に及ぼす影響は, 有意な抑制効果が認められた。また空腹時のペプシン活性と本剤の添加濃度との間には直線回帰が認められた。
    3. ペプシン活性は空腹時には高く給餌によって低下し, 給餌による影響を強く受けるものであった。したがって, 胃内のペプシン活性の異常な上昇を防ぐためには, 胃内に常に食糜の存在することが必要で, 胃内容を容れない空腹時を作らないことが, 本症の予防上効果が高いものと考えられた。
    4. 発育, 臨床所見, 血液性状, 諸臓器等に及ぼす本剤の影響は特に認められず, 日量0.7~5.7mg/kgの連続投与では全く毒性は無いものと考えられた。
  • 戈 福江
    1977 年 14 巻 2 号 p. 90-93
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 14 巻 2 号 p. 95-122
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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