生時体重の腹平均と腹内変動に及ぼす産子数, 産次, 季節の影響を調べた。分析に用いたデータは, ランドレース種のもので, 死産のある個体は含まれていない。腹内変動は標準偏差で表した。分析の結果は次の通りである。
1) 産子数が増加すると平均生時体重は小さくなり, 腹内変動は大きくなる。
2) 従って, 平均生時体重が大きくなると, 腹内変動は小さくなるが, 産子数の効果を除くことにより, この両者の関係は無くなることはないが, かなり小さくなることが推測された。
3) 産次の効果は, 産子数, 平均産時体重, 腹内変動のいずれにも見られた。産子数は1産目が最も小なく, 5産目が最も多かった。平均体重は, 1, 5, 8~10産が他の産次と比較して小さな値を示したが, 産子数の違いについて補正することにより, 5産目の小さな値は産子数が多いためであることがはっきりした。また, 腹内変動は, 産次が進むにつれて, 大きくなる傾向を示し, その傾向は産子数の違いについて補正しても変わらなかった。
4) 上記のどの形質についても, 月単位で表わした季節間には, 有意な差がなく, また一定の傾向も示さなかった。
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