日本養豚研究会誌
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21 巻, 2 号
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  • 佐藤 正光, 正木 淳二, 丹羽 太左衛門
    1984 年 21 巻 2 号 p. 39-45
    発行日: 1984/06/05
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    雄ブタ副生殖器 (精嚢腺, 前立腺, 尿道球腺) を走査型電子顕微鏡および光学顕微鏡で観察した。
    精嚢腺は単層円柱上皮細胞層からなる分枝管状腺を示した。上皮細胞は, 表面が全体に膨らんでいるもの, 膨らみがつぶれているもの, 細胞表面の一部のみが膨らんでいるものが見られた。上皮細胞表層には棒状の微絨毛が観察された。
    前立腺は背の高い単層円柱上皮細胞からなる複合管状腺を呈し, 上皮細胞質中に多量の顆粒を含んでいた。上皮細胞表面は円形で, 盛り上がりを示し, 一部が突出していた。
    尿道球腺は, 複合管状腺を示し, 上皮は単層円柱上皮からなり, 核は小さく, 基底部に位置していた。分泌物 (のり状物質) は, 脂質を含むものと含まないものに分かれ, 後者は丸味をおびた長方形を呈して四方に連らなっていた。のり状物質の他に, 直径約20μmの球状物質が, 腺胞末端部および導管部に観察された。それら球状物は, 膠様物表面に付着して射出されていた。
  • 米田 裕紀, 杉本 亘之, 吉本 正, 所 和暢
    1984 年 21 巻 2 号 p. 46-56
    発行日: 1984/06/05
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    冬季における肥育豚の発育遅延防止のため, 飼料の増し飼い, 飼料の熱量増加及び高栄養化, 豚舎の暖房, 寒冷環境が飼料の消化率に及ぼす影響について検討を行った。
    1) 飼料の増し飼いによって発育増体は向上し, 豚舎の暖房によって発育増体及び飼料要求率は改善された。寒冷環境下では飼料の20%増し飼いによって肥育日数は短縮されるが, 飼料要求率はほとんど差がなかった。飼料の増し飼いによると殺成績, 枝肉形質, 内質に及ぼす悪影響は認められなかった。
    2) 飼料の熱量増加によって発育増体は改善され, 飼料要求率は向上したが, 寒冷環境下での1kg増体に要するTDNにはほとんど差がなかった。熱量増加のため添加した動物性油脂は肉質 (特に脂肪性状) を低下させた。
    3) 飼料の高栄養化は発育増体及び飼料要求率を向上させ, 寒冷環境下でも1kg増体に要したTDN, DCPは少なかった。
    4) 寒冷環境が飼料の消化率には粗繊維を除き, 低下させる悪影響は認められなく, 同様に, 栄養価においても差がなかった。
  • 第1報 肥育豚でのラジノクローバサイレージの利用性
    米田 裕紀, 首藤 新一, 阿部 登, 所 和暢, 糟谷 泰, 西部 慎三
    1984 年 21 巻 2 号 p. 57-69
    発行日: 1984/06/05
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    肥育豚に対するラジノクローバサイレージの効率的利用体系を明らかにするため, サイレージの給与割合を異にした場合の発育, 枝肉形質及び肉質に及ぼす影響, 利用可能限界, 豚の品種別での利用性, 高熱量飼料の比較, 動物性油脂の添加率及び種類, 肉質改善のための濃厚飼料の種類, 体重別のサイレージの給与適量について一連の試験を実施した。
    1. 肥育豚でのラジノクローバサイレージの配合飼料に対する代替率は, 発育増体を考えると風乾物で40%が限度であった。
    2. ラジノクローバサイレージの豚の品種別での利用性には差がなかった。
    3. ラジノクローバサイレージの多給によって不足する熱量を補うためには, 動物性油脂が最適であった。
    4. ラジノクローバサイレージの多給における動物性油脂の添加率は配合飼料に対し, 10~15%の範囲であった。
    5. 熱量を補正するために添加する動物性油脂の種類としては, ファンシータローが有効であった。
    6. ラジノクローバサイレージと動物性油脂の給与によって低下する肉質改善のための濃厚飼料は, 大麦主体 (85.2%) の配合飼料に肉質改善の効果が最も大きかった。
    7. ラジノクローバサイレージの発育段階別の給与適量は, 体重40kgまでの給与率を低くし, 体重50~70kgの間に多給した方が発育増体は良好であった。
    8. いずれの実験とも, ラジノクローバをいかに食い込ませるかが重要で, 採食率を高める給与法として, 濃厚飼料と混合給与することがよいと考えられる。
    9. サイレージの調製には, 当初, 原料草を予乾して行っていたが, 水抜きと重石, 密封を十分にすれば, 予乾, 添加物は特に必要なく, 良質のサイレージが得られた。
  • 第2報 豚舎内の細菌分布状況について
    渡邊 忠男, 鈴木 伸一, 霜島 正人, 近江 弘明
    1984 年 21 巻 2 号 p. 70-75
    発行日: 1984/06/05
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    豚舎 (繁殖および肥育) 内における細菌の分布状況について検討し, 次の結果を得た。
    1. 付着細菌数は, 肥育豚舎の方が繁殖豚舎より多い傾向を示していた。
    2. 付着細菌数が最も多かったのは, 豚床であり, 次いで出入口, 飼槽および給水器に多く認められた。
    3. 付着細菌数は, 温度20℃, 湿度70%, 炭酸ガス濃度0.1%およびアンモニアガス濃度10ppm以上の場合に増加が認められる。
    4. 豚床, 飼槽および給水器においては, 豚舎内環境条件にはほとんど影響を受けずに, 常に多数の細菌が存在していた。
    5. 出入口, 消毒槽, 飼槽および給水器では桿菌が多く存在したが, 一方, 天井および豚床においては球菌の方がより多く認められた。
  • VI. 性成熟前期の豚における誘起発情徴候の検討
    丸山 淳一, 井口 元夫, 宮原 強, 加藤 良忠
    1984 年 21 巻 2 号 p. 76-81
    発行日: 1984/06/05
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    性成熟前豚40頭を用いて, 卵胞ホルモンおよびPMSGを投与した誘起発情の経時的な発情状態と, 初発情豚の発情発現状態との比較検討を実施した。
    卵胞ホルモンとして, 安息香酸エストラジオールを0.2mg, 0.4mgおよび0.8mg投与した。各投与量区間における腟前庭粘膜上皮細胞層の変化には差異が見られなかった。また, 安息香酸エストラジオール0.2mg, ジプロピオン酸エストラジオール5mg, エストリオール10mgおよびジエチルベストール2.5mg等の供試剤を投与した。各供試剤別の粘膜上皮細胞層の変化においては供試剤区間に差異が見られなかった。
    卵胞ホルモンおよびPMSG 500IU投与による誘起発情豚と初発情豚との粘膜上皮細胞層の変化においては, 各試験区間に3日目で有意差が認められた。腟前庭粘膜上皮細胞層の厚さは, 初発情豚で発情前期開始後3日目が109.6μで最も厚く, PMSG区および卵胞ホルモン区は投与後4日目がそれぞれ98.8μおよび85.5μで最も厚かった。
    外陰部の発赤の変化においては, 各区とも試験開始後3日目が最高になり, 経時的な変化でも時期間で有意差が認められた。また, 外陰部の幅の変化においては初発情豚区および卵胞ホルモン区がそれぞれ3日目が4.2cmおよび3.63cmで最大であった。PMSG区は4日目が3.57cmで最大であった。なお, 各試験区の外陰部の幅の変化において, 試験開始後4日目および5日目では差異が見られなかったが, 他の試験期間中では初発情豚区が最も大きかった。
  • 1984 年 21 巻 2 号 p. 82-107
    発行日: 1984/06/05
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 戸原 三郎
    1984 年 21 巻 2 号 p. 108-112
    発行日: 1984/06/05
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 清水 悠紀臣
    1984 年 21 巻 2 号 p. 113-116
    発行日: 1984/06/05
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 社団法人日本種豚登録協会
    1984 年 21 巻 2 号 p. 123
    発行日: 1984/06/05
    公開日: 2011/06/08
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