情報地質
Online ISSN : 1347-541X
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20 巻, 4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 乾 義幸, 升本 眞二, 塩野 清治
    2009 年 20 巻 4 号 p. 197-210
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/10
    ジャーナル フリー
    3次元空間に不規則に分布する測定データから3次元格子データを推定し,VRMLビューワーを活用して等値面図や断面図として可視化するためのVisual BasicプログラムGriview3Dを試作した.各格子点の値は重みつき最小二乗法による一次式または二次式への当てはめによって計算する.本手法では重み関数の設定により推定結果が変化するため,プログラムではデータの充足度および関数の滑らかさを指標にして適切な重み関数が選択できるようにしている.九州豊肥地熱地域の温度検層データを用いて地下の3次元温度分布を推定したところ,従来の研究結果と調和する断層に沿う熱水の上昇によると解釈されるプルーム状の高温域が検出できた.本プログラムは,推定手法が単純なものであり今後の改良が必要であるとはいえ,測定データから3次元的な値の変化を予察的に調査する手軽なツールとして役立つであろう.
  • 古宇田 亮一
    2009 年 20 巻 4 号 p. 211-217
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/10
    ジャーナル フリー
     欧州を中心にしたGeoscience Information Consortium(GIC)の年会が日本で開催されることことを契機に,2009年5月25日(月)に,日本情報地質学会と独立行政法人産業技術総合研究所・地質調査総合センターが主催して,シンポジウム「国際地球情報の新たな展開」(Recent development of international Geoinformatics)を東京の秋葉原ダイビルで行ったので報告する.GICメンバーから5講演を含む8講演が紹介され,参加者は45名(うち,海外から16名)だった.主に,地理空間情報の法制度整備に対応した国内及び国際協力による地球情報の整備と管理,そのWEB-GISによる発信,その標準,オープン・ソースなどの関連技術に関する内容であった.
  • 塩野 清治
    2009 年 20 巻 4 号 p. 219-253
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/10
    ジャーナル フリー
    離散数学とは有限の対象ないしは離散的対象を扱う数学の一分野であり,情報科学の基礎理論として最も重要な位置を占めている.地質学では連続な空間や時間を地質体や地質年代のように離散化して取り扱うことが多い.空間や時間を離散的に把握し,それらの相互の関係を考えるための数学的道具として,離散数学の考え方が有効である.本講座では,野外調査データから地質構造を推定する3次元地質モデリングに深く関連する部分に限定して,離散数学の有効性と必要性を解説する.主な考察の対象は,(1)地層の分布域と境界面の関係(地質構造の論理モデル),(2) 地質構造の論理モデルから地層の分布を定める関数,(3)地層の対比や区分を同値関係として表現・解析する手続き,(4)地層の形成順序を半順序による順序づけとして表現・解析する手続き,(5)野外調査データから地下の地質構造を3次元モデルとして確定するまでの手続きである.本講座を通じて,3次元地質モデリングにおける離散数学の重要性についての認識が深まることを期待する.
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