地盤情報データベースに収められた
N値情報に基づき, 地盤構造の工学的特徴を抽出する手法について検討した.解析の対象としたのは東京湾岸域と熊本平野であり, 本研究で構築したデータベースはそれぞれ164本, 870本のボーリングデータからなる.
地表面下30mまで深度1m間隔に変換した
N値よりボーリングデータを分類したところ, 両対象地域ともにグループ番号の分布に関してまとまりがあり, グループごとにS波速度と
N値との関係, 卓越周期, 増幅特性が異なることが見出された.また, ファジィコンターリングを改良し, これを熊本平野の地表面下同一深度における
N値分布の解析に適用した結果, 推定幅の分布にも小領域ごとのまとまりがみられた.よって,
N値のクラスター分析とファジィコンターリングは, 地盤構造の境界部を推定するのに有効であるといえる.さらに,
N値から支持層を推定し, その上層部に重複反射理論を適用することで, 想定地震に対しての震度の算出を試みた.
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