情報地質
Online ISSN : 1347-541X
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22 巻, 3 号
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  • 野々垣 進
    2011 年22 巻3 号 p. 131-142
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
     3次元地質モデリングシステムは,地質学に関連する社会問題の解決に役立つ.地質情報の効果的な利用・共有を可能とする3次元地質モデリングシステムを開発するためには,既存のシステムの現状と課題を包括的に把握する必要がある.本稿では,国内外における地質境界面に基づく3次元地質モデリングシステムについて行った比較調査の結果を報告する.比較調査では,次の4つのモデリング要素に注目した;(i) 境界面を推定するための基礎データ,(ii) 境界面の推定方法,(iii) 地質分布の決定方法,(iv) モデルの可視化・保存方法.本稿ではさらに,調査結果に基づいて,地質情報の高度利用を可能とする3次元地質モデリングシステムの開発に向けた課題を検討し,(i) 入力可能なデータの多様化・既存データを効果的に利用するアルゴリズムの開発,(ii) 複数の推定方法の提供・推定パラメータの単純化および規準値の設定,(iii) 論理的展開による地質分布の決定方法の改良,および,(iv) データ形式の公開・モデリング過程を理解・再現できるデータ形式の標準化を推進することが必要であるという結論に達する.
  • 石川 有三
    2011 年22 巻3 号 p. 143-147
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は,マグニチュード9.0の超巨大地震であった.海域での地殻変動は,40 mにも達すると推定され,そのため巨大な津波が生じた.最大遡上高は,40 m近くになり,宮城県での浸水域は,869年貞観地震によるものと類似した.また,顕著な前震活動が見られ,余震活動も極めて活発である.余震域を離れた場所でも誘発された地震活動が活発で,火山地域での活発化は顕著である.今後の活動では,太平洋沿いのプレート境界での未破壊域=地震空白域や,日本海東縁プレート境界でも新潟県中部,秋田沖北海道北西沖などでは注意する必要がある.
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