本論文では,新たに構築した,オープンソースソフトや国際標準(OGC標準)などをベースにしたタイの鉱物資源のウェブ情報流通システムを紹介する.このシステムでは,新しくカスタマイズしたWebGISポータルにおいて,OGC標準であるWMSやWPSに基づいて空間情報コンテンツの流通を行う.この新しいウェブベースの鉱物資源情報システムは,タイ国内における鉱物資源情報の普及において重要な役割を持っている.また,このシステムは,ASEANの鉱物資源に関する事務レベル会議における鉱物資源情報作業部会の活動にも貢献している.本論文では,鉱物資源情報の共有,ウエブサービスの構築,WebGISポータルの立ち上げなど,このシステムが完成するプロセスを提示している.このシステムは,構築や維持管理においてコストパフォーマンスが高く,他の地球科学分野におけるウェブベースの情報流通においても適用可能である.