情報地質
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25 巻, 3 号
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  • ─石灰石鉱山の濃度推定によるケーススタディ─
    伊藤 俊秀, 別所 昌彦, 陳 友晴
    2014 年 25 巻 3 号 p. 149-157
    発行日: 2014/09/25
    公開日: 2014/10/08
    ジャーナル フリー
    石灰石鉱山のCaO分布の補間をクリギング法で行った際の補間精度と解析データ密度との関係について考察した。 まず,実際に稼働している石灰石鉱山の切羽で採取された繰粉データの濃度を用いて160m四方の区域に対し1m間隔の濃度分布を作成し,これを教師データとした。つぎに,この教師データの濃度分布からデータを間引くようにして2m~9m間隔(元データに対するデータ密度が25.3%~1.4%)の8種類のテスト用のデータセットを用意した。 これらのテスト用のデータセットを用いて球バリオグラムによる通常クリギング補間でCaO濃度の分布図を作成し,これらの分布図と教師データの分布図を比較した。結論として,2m~6m間隔(元データに対するデータ密度が25.3%~3.0%)のテストデータからは,教師データの分布図と比較的一致した良好なCaOの濃度分布図を得ることができた。解析データのデータ密度が低下すると補間精度も低下するが,精度の低下傾向は線型モデルのように単純ではなく,5m間隔(元データに対するデータ密度が4.2%)のテストデータで作成した分布では全体の75%以上の領域で誤差率が1%未満の精度であったが,8m間隔(元データに対するデータ密度が1.4%)のテストデータで作成した分布では全体の50%以上の領域で誤差率が1%を超えていた。本稿での考察は,石灰石鉱山での補間精度について,数値的な指針を提供するものである。
  • 麻植 久史, 多田隈 直幸, 小池 克明
    2014 年 25 巻 3 号 p. 159-168
    発行日: 2014/09/26
    公開日: 2014/10/08
    ジャーナル フリー
    地下水資源の持続的利用を図るには,多種の地下水調査データを統合し,帯水層を含む水理地質構造を詳細にモデル化することが不可欠であり,これにGISが有効に適用できる.そこで,本研究では上水の100%を地下水に依存している熊本市域を対象とし,垂直地質断面図,地下水位観測データ,数値地形モデル,シームレス地質図,湧水地点分布の5種類のデータとArcGIS(ESRI)を用いて,3次元地質分布,地下水位分布と経年変化,地下水位と降水量の相関,地下水位での地質,および湧水地の位置と地質・地形との関係を明らかにすることを試みた.解析の結果,垂直方向の高い透水性によって水位変動率が特に大きい部分が存在すること,領域西部は完新統の有明粘土層,西部はAso-4 火砕流堆積物が第一帯水層水位での主要地質となっていること,および湧水地は地形勾配の急変部で,表層付近の地質と帯水層地質の境界部に主に分布することなどを明らかにできた.
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