情報地質
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1 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 菅野 強, 佐々 宏一, 大屋 昌之, 柴田 伸介
    1990 年 1 巻 2 号 p. 161-168
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    地下探査比抵抗解析情報の評価へのAICの利用: 菅野強・佐々宏一・大屋昌之・柴田伸介
    近年の地下電気探査における結果解釈では高分解能のシミュレーション解析技術は, 確かに大変重要なツールの1つになっている.そして, 他の分野とも同様に, 数値的に厳密な解も大切なことであるが, むしろ統合的にみて信頼性の高い, より適切な比抵抗解析情報が望まれている.本論文では, 電気探査における適切なモデルの選定とその評価のための1つとして, 比抵抗垂直探査結果のリニアフィルタ法アルゴリズムと赤池の情報量規準AICおよび等価層問題を取り上げて, 現地探査結果の例題から検討を行った.
  • 野呂 春文
    1990 年 1 巻 2 号 p. 169-177
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    データに含まれるノイズが独立にガウス分布にしたがうならば, 最小二乗法により推定された回帰パラメータは, 不偏で分散最小である.しかし, データが異常値で汚されている場合, 最小二乗法による推定値は正しくないものになる.この問題を克服するために, 従来頑健 (ロバスト) 推定法が広く採用されてきた.頑健推定法では, 各データに重みをつけて最小二乗推定をおこなう.重み付けの方法や度合は解析者の裁量に委ねられている.ガウス分布よりも裾の重い分布をもちいれば, 最尤法によって異常値の影響の少ない良い推定量が得られる可能性がある.一旦, 最尤推定量が得られると, 赤池のAICによって, 最適なモデルの選択が可能となる.この報告では, 裾の重い分布として第7種ピアソン関数族を用いる.この分布は, コーシー分布, 近似的なラプラス分布, ガウス分布を自然につないでいる.そのため, この分布を用いた回帰手法は頑健でしかもデータへの適合性が高い.
  • 中田 文雄
    1990 年 1 巻 2 号 p. 179-189
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    1990年3月, 栃木県宇都宮市大谷地区の大谷石採取場跡地が陥没した.陥没する直前には, ちょうど自然地震の前震に相当する振動 (野外AE) が認められた.我々は, 岩盤内部の進行性亀裂, 坑内の天井や壁から岩塊が剥離し落下する振動, 残柱の座屈時の振動などを振動 (野外AE) として定義し, データ処理システムを活用してその振動記録を処理することにより, 陥没の時間的・空間的な予測を行っている.振動観測データ処理システムの特徴は, 振動の時間変化を捉えるには発生頻度よりも活動指数が有効であること.振動の個別情報と観測点の情報, 並びに観測地区全体の地図情報を一体化したデータベースを構築していること.陥没の位置的な予測のために, 振動の推定発生位置と振動の規模を基本とするアボイドマップを作成していること.陥没の時間的な予測のために, 双曲線関数を利用した予測式を作成していることであり, 1990年3月の陥没の場合にはその発生位置をほぼ正確に予測することができた.
  • 古宇田 亮一
    1990 年 1 巻 2 号 p. 191-203
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    デジタル処理によるパターン認識手法を南九州の高隅山地域におけるランドサット衛星TM画像の端, 線, 線密度と標準偏差の解析に適用した.高隅山地域は白亜紀から第四紀までの堆積物が分布し, 中新世に貫入した高隅山花崗岩が中心に位置し, ほぼ20km×24kmの広がりをもつ.高隅山花崗岩の周辺には含金タングステン鉱床が分布しているが, 既に廃鉱となっている.画像から抽出された端状構造と線状構造の多くは, 断層, 節理面, 裂か面, 層理面の走向等の地質構造に対応している.その理由は, 線方向が, この地域の一般的地質構造の傾向に合致し, 線状構造と端状構造が概ね似ており, 長く連続性のある端状, 線状構造が主断層に調和的であるからである.テクスチャーとしての標準偏差画像や線密度画像に示される面的特徴は地層の分布にほぼ調和的である.パターン認識による面的特徴の解析は資源探査等に応用するための地質解析に有効である.本研究では, 線状構造, 線密度と標準偏差画像の重ね合わせ表示を, 地質解析に用いるべく, 新たに提唱している.
  • 視点の違いによる様々な地質モデルー
    横田 修一郎
    1990 年 1 巻 2 号 p. 205-210
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    地質図作成の自動化を考えるにあたって, これまで漠然としていた作成目的・視点の違いによる地質図の多様性を考察した.現実の地質図作成過程を念頭におけば, その前段階のモデル化の視点には, 大きく分けて (i) 現実の地質状態をできるかぎり正確かつ忠実に表現しようとするものと, (ii) 地質学上の特定の概念や関係のみを強調して表現しようとするものの2通りがあると考えられる.そしてすべての地質モデル構築の視点はこれらを座標軸とするいずれかの位置に表現できる.モデルが数値的に表現されたものであれば, 座標上のいずれのモデル間でも変換は可能であろう.
    目的・視点に応じた様々なモデルの構築手順としては, この互換性を基礎にして, 基本となる精緻なモデルから様々な概念や関係を強調したモデルへ変換していくことが考えられる.ただし, 内挿法によって断片的な野外データから基本モデルをつくるにあたってはある程度の概略的なモデルの存在が前提となる.これが地質図や地質モデルに主観の入る大きな原因と考えられるため, この段階におけるアルゴリズムの確立も必要である.
  • 論理型言語Prologを用いて
    坂本 正徳, 塩野 清治
    1990 年 1 巻 2 号 p. 211-217
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    塩野・弘原海 (1988) に述べられている論理地質学の規則を用い, 層序を組み立てる作業を計算機を用いて処理する方法を述べる.露頭から得られる関係に関するデータを二項関係で表わし, その性質を定義し, 記号論理演算処理の形で処理するアルゴリズムを作成した, そして, 計算機で処理をおこなうために論理型言語Prologを使用してプログラムを作成した.本研究は, 計算機による地質図作成システムの構築という目標において, 層序を推定するための基本的な研究である.
  • 松本 則夫, 渡部 芳夫
    1990 年 1 巻 2 号 p. 219-225
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    パーソナルコンピュータで坑井情報管理システムを開発した.坑井データの入力と管理には, 表計算ソフトウエアのMicrosoft Excelを用い, グラフィック出力には地理情報システムPC-ARC/INFOを用いた.MS-Excel上のデータをARC/INFOで利用するため, フォーマット変換プログラムを自作した.開発したシステムでは, 坑井データの管理や坑井位置図・断面図の表示ができるだけでなく, 表示した画面を基にしてグラフィック画面上で等深度面図や地層対比図を編集することができる.本システムは坑井情報管理システムを構築する際の表計算ソフトウエアと画面出力用ソフトウエアの現実的な組み合わせの一例である.本システムを使用すれば, 坑井データを用いた地質学的な堆積盆の解釈が, 従来よりも容易となろう.
  • 菅原 義明
    1990 年 1 巻 2 号 p. 227-234
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    GEOLIS FD版はGEOLIS (日本地質文献データベース) の全データをフロッピーディスクに収めたもので, 一般に配布されている.筆者は, GEOLIS FD版のデータを検索するためのプログラムを開発し, その利用法について検討した.
    そのプログラムは1) 複数のKEYWORDの論理結合によってデータを検索できる2) 検索結果出力を整型できるそして3) 出力デバイスファイルを選択できるという特徴をもつ.また, プログラムは, ANSICで書かれ, MS-DOSの標準システムコールを使用していないため, ほとんど全て日本語MS-DOSが使用できるパーソナルコンピュータで作動する.
  • 1990 年 1 巻 2 号 p. 235-236
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
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