地質調査では露頭の記載が重要である.調査が進むにつれて観察記録の数が多くなり, 観察結果の整理が大きな負担になる.このため, 露頭リストだけでなく, 露頭データを整理検討できる露頭データベースの開発が必要になる.
カード型データベースを前提として集合論を使用した露頭構造の数学的モデルを検討し, ラベル付き有向グラフD (V, A) の概念を露頭構造に適用した.この場合, 節点Vが地層の識別名の集合に, 辺Aが地層間の接触関係の集合に相当する.このラベル付き有向グラフを使用すると, 地質構造記載言語が導入でき, 露頭で観察される地質構造が数学的に表現できる.また, 地質構造記載言語を使用するとある地域の露頭群からその地域の地質構造の中間モデルが作成できる.一方, 二項関係を使用すると、各地層の特徴や接触面の特徴が地質構造に関連付けて表現できる.
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