日本食品保蔵科学会誌
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24 巻, 4 号
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  • 角田 潔和, 岡田 俊樹, 小林 一三, 金内 誠, 進藤 斉, 吉澤 淑, 小泉 武夫
    1998 年 24 巻 4 号 p. 227-236
    発行日: 1998/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    3地点 [0℃での低温状態 (低温試験区), 東京都内での室温状態 (室温試験区), 福島県平田村蓬田岳山中 (平田村試験区)] において5年間にわたり清酒4種類, 焼酎4種類の貯蔵・熟成試験を行いそれぞれの変化を調べた。
    (1) 1年間にわたり平田村試験区の気象観測を行った結果年平均94.6mmの降雨量, 温度11.4℃, 湿度71.9%であり, 酒の熟成に適していると思われた。
    (2) 清酒は全体的にDRS, 酸度, アミノ酸度が減少, pH, 着色度が上昇することが認められた。これらの値は室温試験区が最も高く, 平田村試験区は低温試験区と室温試験区の中間的な値を示した。清酒の中では純米酒が最もその変化が大きく, FRS, 3-DG, 色度, フルフラールが貯蔵3~5年目にかけて急激に上昇することが認められた。
    (3) 焼酎は清酒に比べ大きな成分変化は認められなかったがその中ではエステル, アルデヒド類の減少が目立った。また平田村試験区は清酒と同様低温試験区と室温試験区の中間的な値を示した。さらに泡盛Aの酢酸エチノらアルデヒド類の経年変化を調べたところ, 全ての試験区で貯蔵1年目から減少しており, 低温試験区でも成分変化が生じていることが明らかとなった。これらは官能評価の結果と一致した。
    (4) 12名のパネルにより官能検査を行い, その結果について有意差検定を行ったところ, 清酒ではすべて, 焼酎でも泡盛と芋焼酎の一部を除き平田村試験区での熟成において有意差が認められた。
  • ナス果実の低温障害に関する研究 (第9報)
    阿部 一博, 黒岡 浩
    1998 年 24 巻 4 号 p. 237-242
    発行日: 1998/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究は, ナス果実の低温障害発生とアスコルビン酸含量との関連性を明らかにしようとしたものである。
    4品種のナス果実を3段階の熟度で収穫し, アスコルビン酸 (総アスコルビン酸 : TAA, 酸化型アスコルビン酸 : DHA, アスコルビン酸 : AsA) 含量の差異を調べたところ, 収穫シーズンが異なっても, 未熟果のTAAやAsA含量が最も多く, 過熟果の含量が最も少なかった。フェノール物質含量も未熟果で最も多く, 過熟果で最も少なかった。オルトジフェノール/AsAの値は収穫シーズンや品種に関わらず, 熟度が進むに連れて値が小さくなった。
    1℃貯蔵で低温障害の発生しやすい未熟果や適熟果のAsA含量の減少とフェノール物質含量の増加は顕著で, 発生の少ない1℃貯蔵の過熟果や20℃貯蔵の3段階の熟度の果実におけるこれらの含量変化は少なかった。
  • 石丸 恵, 今堀 義洋, 辰巳 保夫, 茶珍 和雄
    1998 年 24 巻 4 号 p. 243-247
    発行日: 1998/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    カット野菜の微生物制御技術として用いられる次亜塩素酸ナトリウム溶液浸漬処理は, カットレタスおよびカットキャベツ中のァスコルビン酸含量を減少させ, 洞時に酸化型アスコルビン酸占有率を高めることや, 次亜塩素酸ナトリウム溶液処理後の水洗工程でアスコルビン酸の流失も伴うことが示された。
  • 植松 齊, 池田 勇治, 新部 昭夫, 久保井 榮, 三浦 泰昌, Mikio SATO, 車 垠〓, 愼 英範
    1998 年 24 巻 4 号 p. 249-254
    発行日: 1998/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    1992年から, 94年にかけて韓国から50~60トンのリンゴが輸入されたが, このことは今後の両国間におけるリンゴ貿易拡大の可能性を示すものである。日本と韓国では果実の甘さや適度な硬度, 日持ち性などに優れた'ふじ'が主要品種として栽培されていることから, 日本と韓国産リンゴ'ふじ'の果実品質を比較することによって, 自然環境と品種特性との関係がより明らかになるとともに, 両国のリンゴ貿易の今後を予測する上で極めて重要な示唆が得られるものと考えられる。そこで韓国の醴泉および大邱からほぼ中庸な果実を詰めたダンボール箱を各々6箱選び, 国内では青森, 秋田, 山形, 福島および長野 (長野市および松川町) の地域から各々2箱を選び, 果実重, 果形, 果実硬度, ブリックス, 滴定酸および搾汁率を調査した。さらに各地域における果実の生長期間中の気温および降水量を測定し, 果実品質と気象条件の関係を調査した。
    韓国の醴泉および大邱の7月の平均気温および最高気温は日本のいずれの地域より高かった。そして青森の6月から10月までの最低気温は両国のいずれの地域より低かった。5月から9月までの松川町の降水量は両国の全地域の中で最も多かった。しかし他の地域の降水量はほぼ同程度であった。
    果実品質では, 福島県産の果重が最も大きく, 他の地域はほぼ同程度の重量であった。日本産果実の横径および縦経の最大値と最小値の差は韓国産果実より小さく, したがって韓国産果実より整形であった。しかし, D/L指数, 果肉硬度, ブリックス, 滴定酸および搾汁率では両国間に差が認められなかった。
    日本産果実の果重, 横径, 縦径およびD/L指数の変動係数は韓国産果実より顕著に小さかった。しかし, 果肉硬度, ブリックス, 滴定酸および搾汁率の変動係数には日本および韓国に顕著な差は見られなかった。
  • M. A. MWASARU, F. M. MATHOOKO, C. A. ONYANGO, C. KIYUKIA, S. M. NJOROG ...
    1998 年 24 巻 4 号 p. 255-266
    発行日: 1998/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ケニヤにおける経済的基盤は, 農業であり, 1990~1995年の資料によれば, 農業生産は国内総生産額の26.2%を占め, 工業生産は13.6%, サービス業は60.2%を占めている。この傾向は今後も続くと考えら礼ケニヤの農業生産の事情と特質を世界に広く知らせ, 輸出の拡大を図る必要がある。本稿ではケニヤにおける穀物, 豆類, 油料種子, 果実・野菜肉類などの生産, 加工利用および輸出, ならびに伝統発酵飲料の製法の特徴と利用について解説した。
  • 宮尾 茂雄
    1998 年 24 巻 4 号 p. 267-280
    発行日: 1998/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1998 年 24 巻 4 号 p. 281-283
    発行日: 1998/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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