日本食品保蔵科学会誌
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28 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 池田 浩暢, 細田 浩, 岩橋 由美子
    2002 年28 巻1 号 p. 3-8
    発行日: 2002/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    カットレタスの褐変に及ぼすタマネギ搾汁液の阻害作用について検討した。
    (1) タマネギ搾汁液で処理すると, 保存中のカットレタスのPAL活性の上昇は48時間遅延され, 褐変は抑制された。一方, PPO活性の上昇は水洗しただけの対照区に比べわずかに抑制された。
    (2) カットレタスから抽出した酵素の活性に対する直接的な作用では, PALについてはタマネギ搾汁液による阻害作用は認められなかった。一・方, PPOについてはタマネギ搾汁液を酵素反応液の0.1量添加すると活性は約60%抑制されたが, 10倍希釈したタマネギ搾汁液で処理してもカットレタスは褐変した。
    (3) カット後時間が経過して, すでに褐変し始めているカットレタスをタマネギ搾汁液に浸漬処理すると, 低下していたHue angleが上昇し, 色調の回復が認められた。また, 浸漬処理後時間が経過しても, 色調の低下はほとんど認められなかった。
  • 荻原 博和, 河合 寧子, 野川 真美子, 亀坂 知世, 野瀬 正敏, 矢野 信禮
    2002 年28 巻1 号 p. 9-16
    発行日: 2002/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    高圧処理を施した非加熱食肉製品の製品化にあたり, 製造工程における安全性を確認するために微生物学的ならびに理化学的検査を実施した。
    製造工程での微生物の推移は, 塩漬, 塩出し, 冷乾工程では生菌数が増加する傾向が認められたが, 燃煙工程では菌数が減少する傾向を示した。さらに高圧処理工程では102~103CFU/gの減少が確認され, 製品の菌数削減に効果が認められた。微生物叢は製造工程が進むにつれて, グラム陰性菌の占める割合が減少したのに対してグラム陽性菌のMicrococcusが増加し, 主要菌叢となった。製品の品質を示すpH値, VBN値, TBA値, 水分活性値の異常な数値は製造工程中認められなかった。製造工程中において食品媒介病原細菌は検出されなかった。指標菌 (E.coli), 食品媒介病原細菌 (S. Enteritidis, S. Typhimurium, P. aeruginosa, A.hydrophila and S. aureus) を103CFU/g接種した非加熱ハムに250MPa・3時間の処理をしたところS. aureusを除き, E. coli, S. Enteritidis, S. Typhimurium, P. aeruginosa, A. hydrophilaは検出されなかった。
    以上の結果より, 高加圧ハムは従来の非加熱製品より衛生的に良質な製品を製造することができる可能性があることが明らかになった。
  • 赤米の理化学的性質と食味特性に関する研究 (第3報)
    大家 千恵子, 梅国 智子
    2002 年28 巻1 号 p. 17-23
    発行日: 2002/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    赤米を炊飯し保存したときの糊化特性をRVAで測定し, さらに五分粥の物性と官能評価を検討した。赤米 (五分づき) はササニシキ, はえぬきおよび赤米 (白米) に比べ, 粘度上昇開始温度が高かった。赤米 (白米) は炊飯直後で, はえぬき, ササニシキ, 赤米 (五分づき) よりも最高, 最低, 最終粘度およびブレークダウンが最も低い結果であった。しかし, 保存および塩類添加による粘度低下はみられなかった。このことより, 赤米 (白米) は塩類添加した味付け飯に適用できると考えられた。赤米 (五分づき) を用いた五分粥は破断エネルギーおよび重湯の粘度が低く抑えられ, 官能評価の総合評価でも好まれ, 五分粥として適していると考えられた。
  • 濱渦 康範, 境 囲希
    2002 年28 巻1 号 p. 25-32
    発行日: 2002/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    種々の条件で貯蔵されたセイヨウナシ'バートレット'果実のポリフェノール含量の変化を調査し, 果実のラジカル消去能および抗酸化能の変化との関連性を検討した。果実は厚さ30μmポリエチレンで密封あるいは有孔包装し, 2℃で貯蔵し, 適宜15℃へ移した。2℃で50日の貯蔵あるいは15℃への変温により, ポリフェノール類の含量は減少する傾向を示したが, 密封区の2℃50日における15℃変温後にポリフェノール含量が一時的に増大した。2℃貯蔵において総ポリフェノール含量は包装条件の影響がみとめられなかったが, HPLC分析したクロロゲン酸, カテキン類およびプロシアニジンB2含量は包装条件の影響が認められ, 密封区における減少が顕著であった。果肉抽出物のDPPHラジカル消去活性の変化は総ポリフェノール含量の変化と同様の傾向を示したが, 一方, SDSミセル内におけるリノール酸過酸化系 (SDS-LH系) で評価した抗酸化活性は異なる傾向を示した。DPPHラジカル消去活性は総ポリフェノール含量と高い相関が認められたが, SDS-LH系における抗酸化活性はプロシアニジンB2含量との相関が高く, 総ポリフェノール含量との相関は低かった。このことから, DPPH系ではポリフェノールの組成の違いによる影響は小さいが, SDS-LH系での評価はポリフェノール含量のみならず, 成分組成に影響されることが示され, 抗酸化機能の評価系によってはポリフェノール組成成分の変化が機能性の変化に影響することが示された。
  • 豆類もやしの栽培と鮮度保持に関する研究 (第19報)
    田尻 尚士
    2002 年28 巻1 号 p. 33-39
    発行日: 2002/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ダイズ、リョクトウ両豆類太もやしの, 異なる栽培法による生長と栽培過程および貯蔵中のタンパク質ならびにアミノ酸含量の変化より, タンパク質およびアミノ酸供給素材としての有効性を検討した。
    1. 異なる栽培法による豆類太もやしの生長
    両太もやしともに市場性5), 8) より判断すれば, DPSLが最良で収穫適期は栽培 (置床) 5日となった。一方, CRCでは生長抑制が過度となり, 嵩の減少等による収穫量や外観的品質が市場性に劣り, Controlは生長過度となり細もやし様となり, 両者ともに太もやしとしての外観的品質が市場性に欠けた。
    2. 異なる栽培法による豆類太もやしの栽培過程におけるタンパク質およびアミノ酸含量の変化
    栽培過程でのタンパク質および総アミノ酸含量は, 両太もやしともに原料豆 (乾物) に比して, 収穫適期の含量は全栽培法で大きく減少したが, 栽培法としてはDPSLが最も減少率が抑制された。
    栽培過程での変化は, 両太もやしともに全栽培法においてタンパク質および総アミノ酸含量ともに, 発芽処理時から栽培日数の増加に伴い緩慢に増加し, 栽培3~5日が最高となる増加傾向を示した。
    タンパク質含量の変化は, 総アミノ酸含量の増減と正比例傾向を示した。
    各アミノ酸の栽培過程での総合的な増加傾向は, 両太もやしともに全栽培法で含硫 (Cys), 芳香族 (Phe, Tyr) および豆類の制限アミノ酸 (Lys, Thr, Trp) が高く, 他のアミノ酸は低いことが認められた。
    各アミノ酸の増加傾向は, 全栽培法で生長抑制効果が有効に働く栽培3日前後では緩慢となり, 生長抑制効果が減退する栽培5日以後では顕著となり, タンパク質含量の増加傾向も正比例傾向を示した。
    3.異なる栽培法による豆類太もやしの貯蔵中におけるアミノ酸含量の変化
    両太もやしの貯蔵中の総アミノ酸含有量の変化は, 5±2℃下で貯蔵3日目が最高値を示し, 5日目では約1/2となり, 以後顕著に減少し貯蔵限界は5日間となった。
    貯蔵中の各アミノ酸の増減特徴は, 中性 (Thr, Trp, Val, Glu) および塩基性アミノ酸 (Arg) が増加性と安定性 (残存性) に優れ, 一方, 栽培過程中での増加傾向が顕著な含硫 (Cys) および芳香族アミノ酸 (Phe, Tyr) は貯蔵中の残存性に劣ることが認められ, 他のアミノ酸は増加性および安定性ともに劣ることが認められた。
    なお, 貯蔵中のタンパク質含量の変化は, 総アミノ酸含量とほぼ正比例傾向を示し, 安定した残存性を有することが示唆された。
    4. 豆類太もやしの貯蔵中における総アミノ酸含量に基づく最適栽培法
    最適栽培法としては, 両太もやしともにタンパク質および総アミノ酸含量ならびに外観的品質による市場性より判断すれば, 栽培過程および貯蔵中の増加傾向から, DPSLが最適栽培法であると判断された。
    ダイズ, リョクトウ両太もやしは, タンパク質およびアミノ酸供給素材として, 米飯を主食とする食形態では, 米の第一制限アミノ酸のLysや他の制限アミノ酸のThr, Trpがダイズ太もやしに安定して含有されることより, 補食効果を有する事が示唆された。
  • 上田 悦範
    2002 年28 巻1 号 p. 41-45
    発行日: 2002/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    2002 年28 巻1 号 p. 47-49
    発行日: 2002/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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