日本食品保蔵科学会誌
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26 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 於勢 貴美子, 茶珍 和雄, 今堀 義洋, 上田 悦範
    2000 年26 巻4 号 p. 193-197
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    (1) ヨウサイにおいて, 低温下で障害発生前にTBA値がいったん増加し減少したのは, 生体膜脂質が酸化されることによるものと推測された。一方, 生体内の酸化反応の結果生成される過酸化水素も同様の傾向を示した。
    (2) NAD+/NADH比は貯蔵中を通じて20℃区よりも1℃区で高かった。NADP+/NADPH比は両区とも減少した。ECは20℃区で貯蔵中0.8付近を示し, エネルギー的に高い状態であったが1℃区では障害発生前に減少した。
    (3) ペルオキシダーゼ活性は1℃区で20℃区より低い値を示したが, AsAペルオキシダーゼおよびカタラーゼ活性は1℃区で障害発生前に増加したもののその後減少した。一方, PPO活性は20℃区より1℃区で高い活性を示した。
  • 麦味噌の品質に関する研究 (第1報)
    松田 茂樹, 工藤 康文
    2000 年26 巻4 号 p. 199-203
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    味噌に含まれる総および遊離フェルラ酸について分析し, 麦味噌および米味噌を比較したところ, フェルラ酸は麦味噌に多く含まれることがわかった。このことは原料である大麦にフェルラ酸が多く含まれることに起因すると考えられた。また, 麦麹には米麹に比べて総フェルラ酸含量, 遊離フェルラ酸含量ともに多く, かつ麹菌を接種しない大麦ではほとんど検出されない遊離態のフェルラ酸が麹中に多く見い出された。麹中の遊離フェルラ酸含量は麹菌の種類によって異ったが, これは製麹過程で大麦中の結合型のフェルラ酸を分解あるいは他の物質へ変換する能力の差によるものと考えられた。
    麦麹のエタノール抽出液のDPPHラジカル捕捉能と総ポリフェノール量には正の相関が認められた。この抗酸化活性は製麹過程でのポリフェノールの増加とともに強くなる傾向が認められたが, これはフェルラ酸のみならず他のポリフェノール類も関与しているものと推定された。
  • 山内 直樹, 久保 裕美, 重藤 裕司, 片川 聖
    2000 年26 巻4 号 p. 205-210
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    葉柄付きブロッコリー (Brassica oleraceas L.) 花蕾を貯蔵し, 内容成分と鮮度の変化について調べ, 葉柄の有無による品質への影響について検討した。初夏取りプロッコリーは品種'緑笛'を, 秋取りは品種'緑炎'を使用した。花蕾の頂部で葉部を切断し, 花茎を対照より約1cm程度長く切断したものを葉柄付きとし, 対照とともに3℃に貯蔵した。花蕾の黄化の進行については, 初夏取りが秋取りに比べ早くみられたが, 葉柄付きによる抑制効果はほとんどみられなかった。葉柄付きおよび対照のクロロフィルa含量は, 外観の変化と同様初夏取りでは徐々に減少がみられたが, 秋取りではほとんど変化がみられなかった。アスコルビン酸含量は両収穫糊で, 葉柄付きならびに対照で徐々に減少が認められた。クロロフィルとアスコルビン酸の保持においては, 葉柄付きの効果はほとんどみられなかった。糖含量についてみたところ, 特にスクロースにおいて初夏取りおよび秋取りとも, 対照では顕著な低下がみられたが, 葉柄付きでは低下の抑制が認められた。フルクトースでは, 初夏取りで貯蔵に伴う減少がみら礼葉柄付きではその抑制がみられた。グルコースでは貯蔵に伴い著しい減少はみられなかった。
    以上の結果から, ブロッコリー花蕾の葉柄付き貯蔵は糖含量, 特にスクロースの減少を抑制することがわかった。また, 葉柄付きでは葉部切断面の褐変抑制と出荷時に花茎を切断することにより花茎部の褐変抑制が可能となり, 生産地での出荷前の短期間貯蔵での品質保持技術として利用できるものと思われた。
  • エンリケスファビオ ギメナ, 川田 和秀, 松井 年行
    2000 年26 巻4 号 p. 211-217
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ツルムラサキ (Basella alba L.) の鮮度保持, アスコルビン酸含量, 呼吸速度, イオン漏出や形態学的変化に及ぼす貯蔵温度の影響について検討した。貯蔵温度25℃での品質の低下は葉の黄化が主な原因で, 貯蔵46日後に約50~60%のアスコルビン酸含量の減少が認められた。0℃と5℃では貯蔵12~14日後でも葉は緑色のままでアスコルビン酸の約26~36%を消失した。低温は黄化, アスコルビン酸の損失や呼吸速度を減らすのに効果的だった。しかしながら, 25℃に2日間移動すると炭酸ガス生成は急速に増大し, 10℃あるいは15℃よりも0℃と5℃で貯蔵した葉は有意に多くの増加が認められた。この呼吸の増大は, 0℃と5℃でのイオン漏出速度の増加と関係していた。低温障害は0℃と5℃貯蔵で認めら礼その傷害は葉のピッティングや萎凋 (膨圧ロス) であった。気孔は葉の表皮における唯一の開口部でその頻度は向軸表面より背軸表面のほうがより多かった。気孔近辺の組織の割れや気孔外部の浸出物は, 0℃と5℃で貯蔵1214日後に観察された。
  • 横沢 広嗣, 竹中 哲夫
    2000 年26 巻4 号 p. 219-225
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    昨今, 食品に含まれる食物繊維が人の健康維持に深く関与していることが明らかにさ礼食物繊維に対する社会的関心が高まっている。一方, 生おからには, 豆乳としてしぼりきらなかったタンパク質をはじめ, 脂質, 繊維質が多量に含まれており, 中でも繊維質に関しては, 水溶性食物繊維としてペクチン, 水不溶性食物繊維としてセルロース, ヘミセルロース, リグニンが全体で約50%以上含まれている。
    大豆種子中には, 約40%のタンパク質が含まれ, 脱脂大豆を水または食塩水で抽出すると, 約90%が抽出される。しかし, おから中に約35~40%のタンパク質が残存し, これらを除去するために酵素処理やpH処理を施しても, 効果を得にくい。この要因として, 大豆中に含まれる不溶性グロブリンの存在, おから調製時の加温による不溶化, 繊維質に物理的に抱き込まれて溶出しずらい形態を持つタンパク質の存在が考えられる。本報告では, 高純度の食物繊維を得るために, おから中に混在する不溶性タンパク質の除去を主目的とし, 酵素的あるいは化学的処理による “おから食物繊維” の純化, およびそれに伴うおから粒子形状の経時的変化を走査型電子顕微鏡 (SEM) により観察し, 形態の変化とタンパク質残存量および食物繊維含有量の関連を検討した。
  • 宮澤 文雄, 金井 美恵子
    2000 年26 巻4 号 p. 227-235
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    2000 年26 巻4 号 p. 237-239
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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