日本食品保蔵科学会誌
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24 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 後藤 昌弘, 後藤 隆子, 茶珍 和雄
    1998 年24 巻3 号 p. 159-163
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    より簡便で迅速に品質保持をはかることを目的として, 100%CO2処理をイチゴ果実に行い, その品質保持効果について調べた。CO2処理時間が長いほど腐敗果が少なくなる傾向を示したが異臭や異味, ガク片の褐変などによって品質が低下するため, 6時間程度の処理が最も適していることがわかった。また, 収穫後から処理までの時間を変えて果実に処理を行ったところ, 処理果実はすべての区で無処理果よりも腐敗果の発生が抑制されており, 果肉硬度の強化効果も認められた。CO2のかわりにN2処理を行っても果実硬度の増加はみられず, 果実内ペクチン物質含量の割合も処理による変化がなかった。
  • 工藤 慶太, 和田 政裕, 菅家 祐輔, 印南 敏
    1998 年24 巻3 号 p. 165-171
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    シイタケとエノキタケの凍結乾燥粉末を抗原感作したラットに経口投与し, 血清中IgG濃度および消化管粘膜中のBリンパ球の応答を調べた。
    その結果抗原感作条件下においてエノキタケ粉末投与群では体重当たりの小腸重量が有意に増加し, シイタケ粉末投与群のそれとは異なることを認めた。血清中の抗体産生 (IgG) はシイタケ粉末投与により促進されることが示されたが, エノキタケ粉末投与による効果は明らかではなかった。両キノコ粉末投与による消化管粘膜中のκ-light chainの応答には一定の傾向が認められなかった。しかし, IgA発現細胞の割合は, 小腸や盲腸に比べて結腸で高く部位による応答の異なることが示唆された。
  • 竹永 章生, 伊藤 真吾, 露木 英男
    1998 年24 巻3 号 p. 173-181
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    DHAを添加した調製粉乳を試料とし, 酸素量を制御したものおよび未制御のものを各々25℃と5℃に24週間貯蔵し, 含有するTLならびにDHAの経時的動向について調べた。さらに貯蔵温度や酸素制御の脂質劣化に対する効果についても検討した。
    全条件下において, TL含有率の経時的変化は見られなかった。またTLの酸化指数においては, 酸素を制御した場合では明確な変化は見られなかったが, 酸素を制御しないで貯蔵した場合においては各指数とも経時的に上昇し, 脂質劣化が進んだことを示していた。さらに酸素を制御しない場合のAV, PVにおいては5℃貯蔵よりも25℃貯蔵において変化が大きく, 脂質劣化に対する低温貯蔵の効果を認めた。
    TLを構成するNLとCLの各組成比の経時的変化について見ると, 酸化指数の場合と同様に, 酸素制御の脂質劣化に対する有効性が認められたが, 貯蔵温度による顕著な差異は見られず, 低温貯蔵の効果は認められなかった。
    TLを構成する主要脂肪酸 (18 : 1n9酸, 16 : 0酸, 18 : 2n6酸, 18 : 0酸, 12 : 0酸および14 : 0酸) 組成比の経時的変化は, 全条件下において小さく, 特に酸素を制御した場合には脂肪酸の酸化分解はほとんど進行しないことが判明した。また, DHA組成比の経時的変化については, 酸素を制御しないで貯蔵した場合の, CLにおいてのみ顕著な低下が認められた。この場合, TLに占めるCL組成比が低いため, TL全体としての経時的変化はほとんど認められなかった。これらの結果から, 貯蔵温度と酸素を制御した場合, 添加された調製粉乳中のDHAの持つ様々な生理的効果が長期的に保持されるものと考えられる。
  • 張 〓, 橋永 文男
    1998 年24 巻3 号 p. 183-188
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    高圧電場による大豆油の酸化安定陛を向上させるため, 10, 15, 50および105kV/mの4段階の電場強度を作り, 大豆油を板状および線状電場中で10, 30, 60,120および480分間それぞれ処理し, その後60℃および120℃の暗所の恒温器に保存しながら, 油の酸化安定性に対する高圧電場処理の影響を調べた。
    (1) 15kV/mの電場強度 (板状電極) で60分間, 120分間および480分間処理した場合, 大豆油の酸化誘導期は対照区 (無処理) と比べて14時間, 24時間および19時間延長し, 特に120分間処理が顕著な酸化抑制効果を示した。
    (2) 板状電極を用いて異なる電場強度で120分間処理した結果10, 15および50kV/m電場強度の処理は酸化抑制効果を示した。しかも, 15および50kV/m電場強度で120分間処理した大豆油を60℃および120℃に保存した場合も, 貯蔵温度の高低にかかわらず酸化安定性が増加した。
    (3) 以上の結果から, 15-50kV/mの高圧電場で大豆油を120分間処理すると酸化抑制効果が高く, これより穏やかな処理条件下では酸化抑制効果が低下し, これより厳しい条件下では逆に酸化を促進することが明らかとなった。高圧電場処理による酸化抑制効果のメカニズムは明らかではないが, 油中に含まれるトコフェロールなどの微量物質に高圧電場処理を行うことにより, これらの微量物質が抗酸化性を浴びた可能性が高いと考えられる。
  • 青果物のビタミンCに関する研究 (第11報)
    泉 秀実
    1998 年24 巻3 号 p. 189-192
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ハッサク果実のこはん症は, フェノール物質の酵素的酸化が関連した褐変を伴った果皮障害である。このため, フラベド中のL-アスコルビン酸 (AsA) は抗酸化剤としての働きにより, ごはん症の褐変の抑制に役立つ。また, フラベド中のAsA含量は, 果実発育中の受光量に影響されるので発育中の受光量がごはん症の発生に及ぼす影響を, 15℃に貯蔵あるいは5℃から昇温後の20℃に貯蔵したハッサク果実を用いて検討した。
    日光に晒された樹冠外側から収穫された果実は, 樹冠内側の果実あるいは布で遮光処理された果実よりも, 貯蔵中にごはん症が多く発生した。さらに, 樹冠外側の果実の陽光面は, 同じ果実の日陰面よりもこはん症が発生しやすかった。樹冠外側の果実のフラベド中のAsA含量は, 樹冠内側の果実や遮光処理された果実よりも高かった。樹冠外側の果実の陽光面のフラベト中のAsA含量と全フェノール含量は, 日陰面よりも高かった。貯蔵中のAsA含量は, 陽光面のフラベドにおいて最も顕著に減少した。
    以上のように, ハッサク果実のこはん症は果実発育中の受光量に影響されることが明らかとなった。受光量の多いAsA含量が高い果実ほどその発生は多く, ごはん症の発生には栽培中の光環境によるAsA含量以外の要因も関与しているものと思われた。
  • 河野 澄夫
    1998 年24 巻3 号 p. 193-200
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 物と人
    高島 靖弘
    1998 年24 巻3 号 p. 201-209
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1998 年24 巻3 号 p. 211-213
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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