日本食品保蔵科学会誌
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24 巻, 6 号
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  • バレイショの加工特性に関する研究 (第3報)
    佐藤 広顕, 高野 克己, 小嶋 秩夫, 谷村 和八郎, 鴨居 郁三
    1998 年24 巻6 号 p. 3-7
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    比重の異なるバレイショの物性の差異の要因を明らかにするために, 細胞結着物質であるペクチン質の影響について検討した。
    (1) 総ペクチン量は高比重バレイショが低比重バレイショに比べ, 1.4倍量の1,200mg/100gと多かったが, 不溶性のHPペクチン画分は低比重バレイショのほうが大きな組成値を示した。
    (2) HPペクチン画分は熱分析の結果, 低比重および高比重バレイショともに61℃付近および85℃付近に吸熱ピークが認められ, 吸熱量は低比重バレイショが高比重バレイショに比べ約1.3倍であった。
    (3) AIS中のCa含量は低比重試料で1.31mg/g, 高比重試料で0.22mg/g, またMg含量は低比重試料で0.70mg/g, 高比重試料で0.43mg/gであり, いずれも低比重バレイショが高い含有量を示した。
    (4) バレイショのテクスチャーはEDTA処理では軟化, Ca, Mg処理では硬化した。また, HPペクチン画分の比率はEDTA処理で減少し, Ca, Mg処理で増加した。
    (5) ペクチンの性状がバレイショの生鮮時の物性に大きな影響を及ぼすこと, 比重差によるバレイショの加工特性の違いの要因の一つとしてペクチンが関与することが明らかになった。
  • 角田 潔和, 熱田 和史, 小林 一三, 金内 誠, 進藤 斉, 吉澤 淑, 小泉 武夫
    1998 年24 巻6 号 p. 9-15
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    泡盛の多様化を図る目的で, 昭和40年代前半に消失した古式製法 (シー汁浸漬工程) を再現した。それによって得られた泡盛を5年間貯蔵・熟成させ, 一般成分, 有機酸, 金属成分, 香気成分を分析し, さらに官能評価試験を行いシー汁浸漬法による香味の差異について検討した。シー汁浸漬区はTBA値エステル量, 紫外部吸収値のような成分が対照区より多いものであった。しかしシー汁の特徴的な有機酸である酪酸は製品には移行していなかった。これは醗酵中に蒸発, 麹菌や酵母による資化, 同様に他成分への変換などによるものと推察した。またシー汁浸漬区の金属成分は対照区とくらべ大きな差はなく, どちらも5年後に増加していることよりカメの成分が溶出しているものと思われた。香気成分は対照区と比べ全体的に多いものであった。特にβ-フェニチルアルコールのような中・高沸点成分が多く検出された。これらの香気成分が味の濃さ, コクの増加に関与していると推察した。官能評価試験では30歳以下18名, 31歳以上12名計30名のパネルにより行い結果について有意差検定を行ったところ, ほとんどすべてで有意差が認められた。すなわちシー汁浸漬区の製品は上立ち香および含み香が高く, 味が重厚であることが明らかとなった。特に31歳以上ではシー汁工程による泡盛の評価が高いものであった。
    シー汁浸漬による香味の差異はシー汁中の成分が直接的に製品に移行するのではなく, 原料米が作用を受けて醗酵しやすくなるという間接的なものであることが明らかとなった。
  • 呉 明昌, 陳 金樹
    1998 年24 巻6 号 p. 17-22
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ピタヤ (Hylocereus undatus Britt. et. Rose) はサボテン属の果実で, 熱帯や亜熱帯に栽培されている。その果実の可溶性固形物は17-19°Brixと高く, ミネラル, 果糖, ブドウ糖, 繊維およびビタミン類などが豊富に含まれている。果肉の赤いものと白と赤の混合したものの二種類がある。二種類とも果実の各部分の可溶性固形物, 糖類および酵素活性がそれぞれ異なることが認められた。糖分の多い順にブドウ糖, 果糖, ショ糖より構成されていたが, そのブドウ糖/果糖の比はインベルターゼとアミラーゼの活性が関連しているように思われた。
  • 凍結乾燥食品の保存に関する研究 (第4報)
    大家 千恵子, 高野 克巳, 鴨居 郁三
    1998 年24 巻6 号 p. 23-26
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本抗酸化性物質の変異原抑制効果を, 被検菌としてTA1535/pSK1002株 (ネズミチフス菌1535変異株) を用いるUVmutable (Umu) テストにより検討した。変異原にはTrp-p-1, Trp-p-2およびIQの3種を用いた。水蒸気加熱処理した凍結乾燥豚肉の抽出液では30~40%の抑制がみら礼さらに精製した抗酸化性物質では変異原抑制率は74~100%と大きな効果が認められた。変異原発現には活性酸素が大きく関与するといわれており, 精製抗酸化性物質は活性酸素の消去作用を持つことから, 高い抑制効果を示したものと推察された。
  • 因野 要一, 入江 正和
    1998 年24 巻6 号 p. 27-32
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    葉菜類の栄養価や鮮度の指標となるカロテン含量の非破壊簡易予測を目的として, 3種の光ファイバーを用いた可視光による光学的予測について検討した。
    (1) 所内, 市販の葉菜類 (シュンギク, ホウレンソウ, シロナ, カンサイナ) の葉について, 透過率表面反射率内部反射率を測定し, 透過率, 透過吸光度, 表面反射率内部反射率のそれぞれのスペクトルデータを説明変数とし, カロテン含量を目的変数として, 重回帰分析を行った。その結果, 寄与率 (R2) がそれぞれ, 0.664, 0.773, 0.728, 0.377で, 内部反射率以外で高い相関性が得られたので以後反射率透過率スペクトルより, カロテン予測式を検討した。
    (2) 反射率透過吸光度について, カロテン含量と各波長のスペクトルの単相関を調べた結果, 反射率では, 400~700nmで高い負の相関, 透過吸光度では400~700nmで正の相関が認められた。
    (3) 波長の帰属性を検討するために, 標準のカロテンやクロロフィルのスペクトルを測定した結果カロテンは400~500nm, クロロフィルは430nmと680nm付近に吸収帯を持っていた。
    (4) 寄与率の高かった透過吸光度および表面反射率のスペクトルを用いて検量線を作成し, 未知のサンプルに対して, かコテン含量を予測した結果, 透過吸光度で寄与率が0.74, 予測誤差が660, 表面反射率で寄与率が0.65, 予測誤差が420となり, 葉菜類中カロテンの非破壊予測の可能性が示唆された。
  • 大久保 増太郎
    1998 年24 巻6 号 p. 33-46
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1998 年24 巻6 号 p. 47-49
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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