日本食品保蔵科学会誌
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30 巻, 1 号
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  • 野口 智弘, 長岡 卓, 首藤 里津子, 高野 克己
    2004 年 30 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 2004/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    小麦粉中よりTGase活性の検索を行ったところ, タンパク質量の高い小麦粉ほど高いTGase活性が検出され, 従来タンパク質量と加工特性との間に相関があるとされてきたが, 新たにTGase活性と加工特性との間に関連がみられた。また, グリアジンおよびグルテニンへの作用性を検討したところ, ジスルフィド結合によらない高分子化がみられ, TGaseによるイソペプチド結合の形成が確認された。
    小麦粉生地物性に与える小麦粉由来TGaseの影響を解析したところ, TGase添加によって, 破断強度および破断距離は増加し, TGaseが生地物性に影響を及ぼすことが確認された。また, 製パンへの作用について検討を行ったところ, いずれの小麦粉においてもTGaseの作用によって, 発酵体積および焼成体積ならびに硬さは増加したが, 内相のキメは粗くなり製パン性改善効果に問題が残った。そこで, グリアジンおよびグルテニンを添加し, TGaseと併用したところ, 焼成体積および硬さは増加し, 内相のキメも細かくなり, 製パン性の改善効果がみられ, SHやASWを用いてもDNS同等のパンを製造可能であることが明らかになった。
  • 森 哲也, 金内 誠, 進藤 斉, 角田 潔和, 吉澤 淑, 小泉 武夫
    2004 年 30 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2004/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    金華火腿から分離された微生物309株より, 火腿脂質の不飽和化に関与する菌株のスクリーニングを行い, 糸状菌6株を選抜した。この中でA-59は脂質中の不飽和脂肪酸の割合が82.0%と選抜菌株の中で最も高く, 特にオレ・イン酸, リノレン酸含有率が高かった。A-59は各種形態試験の結果, Aspergillas oryzaeと同定された。本菌株は, 培養温度25℃, 初発pH6.0, 0.5%コール酸ナトリウム, パルミチン酸とステアリン酸を炭素源として, その比率が60 : 40で最も高い不飽和脂肪酸量を示した。また, 本株はパルミチン酸, ステアリン酸を菌体内に取り込み, オレイン酸やリノール酸, リノレン酸を生産していると推察した。以上より, 火腿脂質の不飽和化はA. oryzae A-59を中心とする6株が作用していることが明らかとなった。
  • ウェンダコーン K. スミトラ, 上田 悦範, 今堀 義洋, 石丸 恵
    2004 年 30 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 2004/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    バナナ果肉切片および遊離果肉細胞懸濁液に, ピルビン酸, 酢酸, クエン酸, アルコール, 補酵素等を添加し, 生成されるアセテートエステルを測定した。ピルビン酸添加では濃度が高くなると生成される酢酸エステルの量は増加した。遊離果肉細胞ではATP, CoA, Mgを添加したときに酢酸エステルの増加がみられた。TCAサイクルを促進する基質や補酵素等の添加がエステル生成を高めた。以上の結果より, 酢酸エステルの残酸基が主にピルビン酸から酢酸を経て供給されていることが明らかになった。またクエン酸からもアセチルCoAが少量供給されていると推定された。
  • 木村 英生, 辻 政雄
    2004 年 30 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2004/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    大腸菌群5種への加圧-冷凍処理に対する食塩濃度, ショ糖濃度およびpHの影響について検討した。また実際の冷凍食品として市販されている調味数の子に各菌株を付着させて加圧-冷凍処理の殺菌効果を検討した。
    はじめに食塩濃度の影響について検討したところ, Escherichia coliおよびCitrobacter freundiiでは食塩0%試験区に対して食塩1, 5および10%試験区の残存菌数がこれを下回る傾向を示した。またEnterobacter cloaoaeおよびKlebsiella pneumoniaeでは食塩濃度が10%以上で殺菌効果が高められた。しかし, Enterobacter aerogenesでは, 食塩の効果はみられなかった。
    次にショ糖濃度の影響を検討したところ, EscherichiacoliおよびCitrobacter freundiiでは食塩の場合と反対に殺菌効果が弱められる傾向を示したが, 他の3菌株では殺菌に及ぼすショ糖の影響はほとんどみられなかった。
    また, pHの影響をみると, いずれの菌株においてもpH4.3で著しい殺菌効果が認められた。このpHにおいてCitrobacter freundiiでは加圧処理のみにより, またその他4菌株では加圧-冷凍処理により完全に死滅していた。
    以上のように同じ大腸菌群の菌株であっても食塩, ショ糖およびpHの加圧-冷凍処理への影響は異なることがわかった。
    一方, 大腸菌群各株の微生物懸濁液 (5種類) を調味数の子に付着させて, 加圧-冷凍処理を行ったところ, 残存菌数は冷凍処理のみの場合と比較して約1/10程に減少しており, 加圧処理を冷凍前に行うことで殺菌効果が高められることがわかった。また数の子の外観や色調は加圧処理前後で変化がなかった。
  • 宮尾 茂雄
    2004 年 30 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 2004/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    2004 年 30 巻 1 号 p. 39-41
    発行日: 2004/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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