日本食品保蔵科学会誌
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31 巻, 5 号
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  • 原 たつえ, 高崎 房子, 大家 千恵子
    2005 年31 巻5 号 p. 231-237
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    日常の食事の中で食物繊維を多く摂取することを目的にもち麦粉とえん麦粉の利用法を検討するために各々の澱粉のアミロペクチンの鎖長分布と糊化特性をコシヒカリ澱粉と比較した。
    (1) アミロペクチンの鎖長分布より次のことが明らかになった。
    ・Fr.III/Fr.IIの値はもち麦澱粉は3.93, えん麦澱粉は2.82, コシヒカリ澱粉は3.22であった。
    ・平均鎖長60以上の長鎖がもち麦澱粉は13.3mol%, えん麦澱粉は6.7mol%となり, コシヒカリ澱粉は8.8mol%でその割合と比較するともち麦澱粉は多く, えん麦澱粉は少ない傾向であった。短鎖では10-20の鎖長がもち麦澱粉とコシヒカリ澱粉が多く, えん麦澱粉は10以下の鎖長の分布が多かった。
    ・Fr. IIとFr. IIIの和の数平均鎖長は, もち麦澱粉32.9, えん麦澱粉31.7となり, コシヒカリ澱粉の21.6より数平均鎖長は長かった。
    (2) もち麦澱粉は膨潤力と溶解度がともに高い傾向を示した。えん麦澱粉は膨潤力は他の2種に比べて低いが, 溶解度は高かった。
    (3) RVAによるもち麦澱粉は最高粘度, ブレークダウンの値が高かった。えん麦澱粉は最高粘度, ブレークダウンは他の2種類と比べると低かったが, 最終粘度は最高粘度よりも高かった。
  • 谷口 (山田) 亜樹子, 野口 智弘, 高野 克己, 菊池 修平
    2005 年31 巻5 号 p. 239-244
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ホエータンパク質を小麦粉加工品に利用することを目的とし, うどん, 中華麺, 食パンおよび饅頭にホエータンパク質を添加し, その影響について調べた。今回用いた各種小麦粉加工品ともにホエータンパク質を添加することにより物性が改善され, 麺類は硬さおよび引っ張り強度が高くなり, コシのある伸び難い麺になった。食パンは硬さおよび弾性率が高くなり, 歯触りがよく, モチモチした歯ごたえのあるものになった。饅頭は硬さ, 弾性率および粘着率ともに高くなり, 弾力のある表面も滑らかな製品となった。この結果から, ホエータンパク質は, 生地改良剤として有効であることが示唆された。
  • 侯 智耀, 呉 柏志, 楊 鎰誠, 黄 湘玲, 呉 明昌
    2005 年31 巻5 号 p. 245-251
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究ではゴレイシを, いくつかの条件の下でバキューム・フライにする際の, 製品品質に及ぼす影響を調べた。3段階式反応表面法の製造工程において, シラップに漬け込む時間や, バキューム・フライの温度や時間などを変えた場合の, 品質への影響をパネル・テストを行って調べた。評価がもっともよかったものは原料を30°Brixのシラップに漬け込んで1時間後に108℃で46分間バキューム・フライにしたものであった。モデル式で検証してみると, 最適漬込み時間, 最適バキューム・フライ温度および時間の組み合わせで, もっともよい品質の製品が得られ, それは110ネルテスト, 一致した。
  • 時枝 久子, 落合 為一
    2005 年31 巻5 号 p. 253-260
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ツバキ油の食用油としての可能性を探るため, ツバキ油の抗酸化性および嗜好性についての研究を行った。ツバキ油は40℃の恒温器内で3カ月以上酸化されず, 良好な抗酸化性を示した。抗酸化性物質を同定するため, Camellia japonicaの種子から抗酸化物質の抽出を試みた。ツバキの種子を粉砕物からのメタノール抽出物をカラムクロマトグラフィ (シリカゲル, HP-20, ゲルクロマトグラフィー) により分画し, Folin-Ciocalteu試薬に活性な部分を追跡した。最終的にHPLC的にほぼ単一物質を含むフラクションと, 3種の物質が含まれるフラクションが得られた。前者の単一物質と思われる物質のNMRスペクトルと, 後者の3種の混合物質のNMRスペクトルは極似しており, 芳香族領域, 糖領域, メチル基領域に吸収を示した。芳香族領域の吸収はkaempferolの吸収とほぼ完全に一致した。質量分析 (FAB-MS) の結果, これら4種の物質は分子量が100づつ異なる物質 (Mw=426,526,626,726) であることが判明した。さらに詳しい構造を検討中である。ツバキ油の嗜好性は女子学生をパネラーとして色, 香り, 味, 脂っこさ, 総合評価の官能検査を行った。サラダ油との比較において, 非加熱料理の各種ソース類ではツバキ油はあまり好まれなかった。加熱料理においてはツバキ油が有意差をもって好まれた。
  • 平 智, 磯部 志帆
    2005 年31 巻5 号 p. 261-265
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    山形県庄内地方産の渋ガキ'平核無'果実を供試して, プラスチックフィルム包装を利用した長期貯蔵法について検討した。
    まず最初に, 脱渋方法の違いが果実の貯蔵性に及ぼす影響について調査した。 (1) あらかじめCTSD (高濃度二酸化炭素短期間処理) 法で脱渋した果実を個別包装して1℃で貯蔵した場合, (2) 未脱渋の果実を脱渋剤とともに個別包装し20℃に保持して脱渋を確認した後, 1℃で貯蔵した場合, さらに, (3) 未脱渋の果実を各種脱渋剤とともに, あるいは脱渋剤を入れずに個別包装し, ただちに5℃に保持して脱渋しながら貯蔵した場合の果実の貯蔵性を比較した。その結果, 脱渋果の品質には3つの方法間で大きな差は認められなかったが, 貯蔵中の果実の軟化の進行は (1) の方法が明らかに遅く, 貯蔵性が優れた。
    つぎに, (1) の方法で長期間貯蔵する際の貯蔵温度 (1℃または5℃) の影響とエチレン吸収剤封入効果の有無について検討した。その結果, 長期貯蔵には5℃より1℃のほうが優れていること, ならびにいずれの貯蔵温度でもエチレン吸収剤の効果が認められることが明らかになった。
    以上の実験結果から, '平核無'果実の長期貯蔵には, あらかじめ脱渋した果実をエチレン吸収剤とともにプラスチックフィルムで個別包装し, 1℃で低温貯蔵する方法が優れていることが明らかになった。
  • 大和 弥寿
    2005 年31 巻5 号 p. 279-281
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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