日本食品保蔵科学会誌
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25 巻, 1 号
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  • 高間 浩蔵, 鈴木 鐵也, 加賀 壽, 高村 巧, 田谷 嘉浩, 下野 功, 渡辺 定嗣
    1999 年25 巻1 号 p. 3-6
    発行日: 1999/01/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    二枚貝漁場での天敵生物であるヒトデ類を活用する目的で焼成粉末とし, 食中毒菌制御剤としての利用可能性を検討した。モミジガイ (Asteropecten scoparaus), ヒトデ (Asterias amurensis), イトマキヒトデ (Asterina pectinifera) およびニッポンヒトデ (Distolasterias nippon) のそれぞれを脱脂後, 700℃前後で焼成した粉末の水溶液はEscherichia coli O-157 : H7, Staphylococcus aureusおよび.Salmonella enteritidisに対し, 試験した最少濃度の0.4%で完全に発育を抑制した。550℃前後で得られたものでは2.0%の濃度でも完全抑制は認められなかった。ヒトデ類では, 600℃焼成物は外殻組織成分のCaCO3が主要成分であるが700℃以上の焼成物はCaOであった。また, Ca, Mgがそれぞれ72-77, 11-15%からなる焼成カルシウムであった。焼成粉末の水溶液は高アルカリ性を示すことから, 共存する他の微量ミネラルなどの作用とともに, 食中毒菌に対する発育阻止作用を示したものと推察された。
  • 岸本 憲明, 田野 達男, 原田 靖裕, 増田 秀樹
    1999 年25 巻1 号 p. 7-13
    発行日: 1999/01/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    5種類の側鎖構造をもつ19のITC類の抗菌活性を検討し, 以下の点を明らかにした。
    1. ArylITC類の抗菌活性が高く, 次いでω-MeS-NCS類, ω-Alkenyl ITC類, ω-MeSO-NCS類の順で最も活性が低かったのはAlkyl ITC類であった。
    2. 側鎖構造の違いによって, 抗菌スペクトルが異なる傾向が認められた。Aryl ITCとω-MeS-NCS類は真菌とグラム陽性菌の生育をよく阻害したがグラム陰性菌に対する抗菌活性は低かった。一方, ω-AlkenylITC類は真菌とグラム陰性菌の生育をよく阻止したが, グラム陽性菌に対する抗菌活性が低かった。ω-MeSO-NCS類はグラム陽性菌とA. nigerの生育を阻止したがグラム陰性菌とC. albicansに対する抗菌活性は低かった。
    3. AlkylITC以外の4種のITC類は, MRSAに対しても高い抗菌活性を示し, MSSAと同濃度で生育を阻止した。
    4. 抗菌スペクトルの異なるITC類を組み合わせることにより, 抗菌スペクトルの拡大と抗菌力の増強をはかることができた。
    5. Alkyl ITCを除くITC類は, 代表的な食品保存料の抗菌力に比べると5-10倍高い抗菌活性を示した。
  • 多々良 泉, 辻 聡宏, 御厨 初子, 田中 政信, 劉 蚊艶, 小島 孝之, 太田 英明
    1999 年25 巻1 号 p. 15-20
    発行日: 1999/01/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    遠隔地からのイチゴは輸送振動による品質低下が指摘されている。そこで, 実輸送中に発生する振動を測定し, その振動がイチゴの呼吸速度および品質に及ぼす影響について検討した。
    振動を与える前のイチゴの呼吸速度 (CO2排出量) は5℃下で約30mg/kg/hr, 15℃下で約70mg/kg/hrであったが, 振動を与えるとそれぞれ50および84mg/kg/hrまで上昇した。また, 振動を止めると呼吸速度は減少し, 約1時間後には振動前とほぼ同等の値まで低下した。振動を与えたイチゴの外観品質は, 振動を与えなかったものより評点は低かった。また, 貯蔵温度の影響も大きく5℃で保持した方が15℃保持より評点は高かった。果皮の貫入抵抗値は振動を与えたイチゴの方が振動を与えなかったものより低く, 貯蔵温度では5℃のほうが15℃より高い値を示した。可溶性固形分, 滴定酸度及び全ビタミンC含量の内容成分は振動の有無, 貯蔵温度による差異は認められなかった。
  • 近藤 泰男, 井上 喜恵
    1999 年25 巻1 号 p. 21-25
    発行日: 1999/01/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    10%塩分仕込みのイカ肝臓を20℃で10日間遮光保蔵し, この間, 経日的に水分活性, 水分量および全脂質量を測定した。塩蔵中の水分活性は0.73を保ち, 水分量と全脂質量は, それぞれ, 約33%と43%であった。保蔵中に遊離脂肪酸画分はPUFA割合の変動 (増減) を伴いつつ経日増加した。ヒドロペルオキシド量は, 塩蔵後一周間内では遊離脂肪酸画分の変動と同様に増加したが, 脂質過酸化の進行の程度は軽微であった。低塩保蔵においてもイカ肝臓の脂質は, 酸化に対し安定性が保たれていた。
  • 大和 弥寿
    1999 年25 巻1 号 p. 27-29
    発行日: 1999/01/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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