本報では, 線形回帰モデルを用いた予測問題において, 計算量を抑えた近似ベイズ最適な予測アルゴリズムを提案する.近年, 線形回帰モデルの推定方法として, 統計的モデル選択が幅広く研究され, 予測問題に応用されている.しかし, 選択されたモデルに予測値が大きく依存することから, モデルによっては, 予測の精確さが悪くなるという問題を含んでいる.そこで本報ではまず, 線形回帰モデルを用いた予測問題に限定した場合, ベイズ決定理論を導入し, 複数のモデルの混合モデルを用いて予測を行うことが, 平均損失最小となることを示す.しかし, 混合モデルの計算複雑となるため, 漸近近似的に計算量を抑えた予測法の提案を行う.シミュレーション実験の結果から, 提案予測法は, 精度・真度ともに, 従来法と比較して, より有効であることが明らかとなった.
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