日本経営工学会論文誌
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原著論文(理論・技術)
  • 山田 晃輝, 高尾 洋佑, 山極 綾子, 後藤 正幸
    2024 年 74 巻 4 号 p. 153-166
    発行日: 2024/01/15
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル フリー

    子育てを行う親の悩みを解決するために,オンライン上に子育て特化型質問投稿サービス「ママリ」が展開されている.ママリでは,ユーザが子育てに関する質問を投稿することや,寄せられた回答を通じて他のユーザとの情報交換ができる.この質問内容にはユーザの悩みが反映されており,その悩みは子どもの成長度合い,すなわちライフステージに応じて変化すると考えられる.そのため,質問データを用いてユーザの悩みの変化を子どものライフステージごとに捉えることができれば,各ユーザに適切なタイミングで適切な情報を提供するなど,ママリの利便性向上が期待できる.ただし,ママリに質問投稿がない時期(非質問期間)においても何らかの子育ての悩みは生じているはずであり,その期間における悩みの推定ができれば更に有用である.そこで本研究では,トピックモデルを用いて期間ごとの質問の内容を表現し,生後48週以内の乳児のライフステージ変化に伴うユーザのトピック推移を捉える分析手法を提案する.また,非質問期間の前に行われた質問内容から,当該ユーザがその次の非質問期間に遷移する可能性が最も高いトピックを推定する手法を構築する.さらに,実データに提案手法を適用し,トピック推定精度の観点から提案手法の有用性を示す.

原著論文(事例研究)
  • 新村 猛, 一刈 良介, 大隈 隆史, 大浦 修一
    2024 年 74 巻 4 号 p. 167-176
    発行日: 2024/01/15
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル フリー

    本研究では, 飲食サービス業の労働生産性向上を目的として, Automate Guided Vehicle (AGV) を用いた配膳ロボットシステムを開発し, 実店舗に導入した.飲食サービス業の労働生産性はサービス産業の中でも最も低いため, 同産業の労働生産性向上は喫緊の課題である.同システムの導入に伴い, 従業員はロボットとの協働を前提としてオペレーションの変更を実施し, 配膳作業を人間からロボットへと移管した.その後, 同店の店長は週間稼働計画を変更し, 投入労働量の削減を図った.その結果, 同システムの導入によって労働時間は削減され, 労働生産性を向上することが可能であることがわかった.また, 同システム導入によって削減される人件費で, 同システムの設備投資額を法定償却期間内に回収可能であることがわかった.さらに, 同システム導入によって従業員のモチベーションや連携向上にも寄与することがわかった.一方, 飲食サービスを含むサービス産業にロボットを導入するためには, 小規模設備でも導入可能な程度にロボットの価格を引き下げる必要があること, 人と協働するロボットに要求される安全性を確保しつつより高速で稼働可能なロボットを開発する必要があること, 多岐にわたる人の作業を代替することが可能な多能工ロボットの開発が, サービス提供現場導入のために必要であることがわかった.

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