異業種企業や大学等の外部パートナーと組み, 自社にない資源を獲得する取り組み (オープン・イノベーション (以下OI)) に力を入れる企業が増加した. 一方で, 外部との調整やパートナー選択に苦戦する企業も存在する. 本研究の目的は, OIに活用できるノウハウ構築機会を明らかにすることにある. 特に, サプライヤー連携に着目する. 長期的な関係の中で, 調整や評価に関する体制を築くことで, 移転可能性の高い連携ノウハウ構築の機会があると想定できる. 関係性の検証に際し, 日本の製造業を対象にアンケート調査を行った. 調査データを元に, 共分散構造分析を 行い, サプライヤーとの連携度合と外部資源獲得の関係性を評価する.
近年, 国内線と国際線の両方の航空便に対する需要が高まっているため, 航空会社においては効率的な輸送サービスを提供するために経営資源である航空機材及び人員の効率的な運用が重要な課題となっている. 多くの従来研究において, 運航計画作成は以下の4つの段階に分解されて扱われている:(1) Flight Scheduling Problem (FSP), (2) Fleet Assignment Problem (FAP), (3) Aircraft Maintenance Routing Problem (AMRP), and (4) Crew Scheduling Problem (CSP). 計算上の取り扱いやすさの理由から, 多くの従来研究ではこれらの問題は独立に扱われているが, ある段階の決定が引き続く段階の制約条件となるため, このアプローチでは部分最適となる可能性がある. この事から近年では統合モデルの開発が大きなテーマとなっている. 本研究では, FSPに含まれる出発時刻調整問題, FAP, AMRPを統合するモデルを提案し, 出発時刻, 機材割当, および機材メンテナンスルーティングの全体最適化を行った. FSPで決定された便の出発時刻に軽微な変更を加え柔軟性を持たせることで, FAPおよびAMRPにおける接続機会を増やすことができ, 機材割当コストを削減する事が可能になる. これらの統合モデルを扱う研究も存在するが本研究の提案モデルは以下2点が異なる. 1つ目は従来研究では便に対する機種のタイプと数の割当のみを行っているのに対し, 本研究では機種毎の各機体の詳細スケジュールを決定している点が異なる. また, 本研究では整備可能な空港が限定されている点が異なる. これにより解空間が膨大になり, 厳密解法の適用が困難となる. 本研究ではAnt Colony Optimizationを適用した近似最適化を行い実用時間内に良解を得る事のできるアルゴリズムを作成した. 数値実験では, 出発時刻の調整幅の感度分析を行う事により, 提案されたモデルの有効性を実証した.
病棟看護師の勤務スケジュール作成は, 看護師長ら多忙なスタッフが多大な作業時間と労力を費やす消耗的な作業である。従前より自動化が強く望まれているこの問題は, ナーススケジューリング問題 (NSP) と呼ばれており, 異なるレベルの制約が縦横に絡まった複雑な組合せ最適化問題である。NSPに対して, 多くの最適化手法により様々な研究がなされている。中でも遺伝的アルゴリズムなどのヒューリスティクス手法が有望な結果を出しているが, その多くは実用規模の問題に対して, 全ての制約違反を解消した解の導出を実現できていない。またNSPには, 有料の製品も幾つか提供されているが, 経費が予算と折合わないことが間々ある. 更には, 商用ソフトのあるものは膨大な計算コストが必要だったり, また別のものは問題の性質によっては探索性能が安定しないなど, 問題を抱えているものもある。そこで本研究では, 遺伝的アルゴリズムを用いて, 実用時間内に安定して最良スケジュールが導出できるNSPシステムの開発を目指す。このシステムでは, 看護師間の勤務バランスを考慮しながら, 勤務シフトに関する要請とシフトパターンの制約を充足する解を導出することを目標とする。
本研究は, 一般廃棄物の焼却処理で発生する熱エネルギーを有効利用するため, 千葉県を事例にとり, 可燃ごみの発生要因から発生熱量を予測する手法として二段階重回帰分析を提案した.重回帰分析にはパネルデータを用い, 固定効果, 変量効果の有意性についても検証した.その結果, 固定効果に有意性は見られず, プールドOLS, および変量効果モデルを採用し, 重回帰分析を行った.重回帰分析で得られた回帰式の妥当性を確かめるため, その回帰式で得られた発生熱量から低位発熱量を算出し, 低位発熱量の公表実測値との比較を相関係数と対応のあるt検定を用いて検証した.その結果, 相関係数は0.4216となり, 相関があるとされる0.4を上回った.また, 対応のあるt検定のP値は0.5548となり, 5%の有意水準で平均に差はないという帰無仮説は棄却されなかった.以上のことから, 本研究の目的である, 可燃ごみの発生要因から発生熱量を予測手法の成果は得られた.
The Self-organizing Map (SOM) is one of the learning models widely used in market segmentation, and Growing Hierarchical SOM (GHSOM), which is a model extended to a hierarchical structure, is also used for the task. However, GHSOM cannot increase the map size due to the limitation of the number of data allocated to the underlying map. To aim for visual understanding of market data, we newly propose construction of a model through interacting with GHSOM analysts. In the analysis, we extract the newly defined indexes that show the customers behavior from the dataset as the feature vectors. Furthermore, market segments hidden in data set are visualized based on the method we propose.