多段階システムに対する生産や運搬の指示方式である, かんばん方式は, 後続工程からの需要の到着ばかりでなく, 前工程からの部品の到着や, 当該工程の処理可能の条件が揃った時点で指示する方式である.そのため, 後続工程からの需要の到着時点で直ぐに指示する, コンカレント型指示方式と比較すると, 指示の遅延が生じる.この指示遅延により, かんばん方式がコンカレント型指示方式より有利となる条件もあるが, 逆にコンカレント型指示方式が有利な条件もある.したがって, 条件に基づいた両方式の選定や, 条件が変化する場合には, 変化に応じて適宜方式を切り替えることが必要となる.これまで, 需要の非定常変動を考慮し, それに対して在庫水準を動的に制御する, 適応型ジャストインタイム方式が検討されてきたが, 本研究では, それに加えてコンカレント型指示方式との切替え方式を提案する.提案した方式の有効性を, シミュレーション実験により明らかにする.
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