在庫は収益を生み出す経営資源であり,過剰な在庫圧縮は,企業のパフォーマンスを低下させる. 本研究では,需要変動や製造工程との関係を考慮し,在庫を費用的側面のみならず資産的側面からも評価するモデルを提案する.
在庫を保有するアクティビティを独立した製造工程ととらえ, 最終製品の市場価格,販売可能性,資源投入ロス,実現利益の不確実性を考慮し,各工程の価値を算出する.産業用プラスティクス網の製造工程にモデルを適用し,販売確率を変動させるシミュレーションで在庫価値を評価した.
この結果,販売確率が低いときには,製品在庫よりも,仕掛在庫の在庫価値が高くなり,収益性が高くなることが明らかになった.
本論文は,全点間信頼度と総コストの2つの評価尺度を考慮したネットワーク設計問題に対し,効率的なパレート最適解探索アルゴリズムの提案を目的とする.従来のアルゴリズムは全点間信頼度の算出に対して効果的なアルゴリズムであるものの,全ての部分ネットワークについて全点間信頼度とコストの計算を行っているため,パレート最適解の探索の際には,エッジ数が増加するにつれ多くの計算時間を必要とする課題があった.効率的なパレート最適解探索のために,本論文では,連結されるエッジの効率やパレート最適解のランクなど,パレート最適解となる部分ネットワークが持つ要素を調査した.そして得られた傾向と性質を踏まえ,計算が必要な部分ネットワークの制限を行う方法を提案する.この探索空間の制限により,得られる最適解がパレート最適解の真部分集合となるため,提案手法のパレート最適解探索の精度と計算時間の評価を行う.
混合系直交配列表は実験計画でよく用いられるが,結果に応答曲面法を適用することがある.L18, L36直交配列表は2因子交互作用が他の列と均等に交絡しないことが知られているが,応答曲面法を適用する際の問題点は明らかではない.本論文では,交絡の可視化に基づくパターンの分類を行い,応答曲面法を適用する場合にどの列を用いるべきかをCNに基づいて検討する.結果として最適と思われる利用列を指摘することができた.