あらかじめ荷役作業を行なう前に, 荷物の大きさ(寸法, 重量), 作業面の高さ, 作業開始面と終了面の高さと移動距離, 荷役運搬機器の寸法等の作業環境や作業場のレイアウトとその工程に関する情報がわかっているとき, 作業にともなう作業姿勢は決まってくる.このため, 作業条件があらかじめ与えられると, それに従って作業姿勢を予測することが可能となる.作業を行なう前に作業姿勢が予測できれば, OWAS法のように作業観測から作業姿勢の勧告を出すのでなく, いろいろな作業条件の変更や危険な作業姿勢の回避をすることができる.本研究では, あらかじめ作業を行なう前にこれらの作業条件の情報から人体モデルと基本作業姿勢を用いて作業姿勢を予測する方法を検討する.そして, OWAS法の作業姿勢コードを生成する方法を提案する.方法として, 人体モデルと9つの基本姿勢を用いて, 荷役作業に関する作業姿勢を推論する手順を示す.作業姿勢の変化は関節角度の変化を多項式により表現して人体モデルから計算式で求める.なお, 分析結果はOWAS法の姿勢コードとアクションコードにより姿勢の評価をおこなう.実際の荷役作業の例を用いて人体モデルの数値計算からOWAS法の姿勢コードとアクションコードを生成する手順を示す.
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