日本栄養士会雑誌
Online ISSN : 2185-6877
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59 巻, 1 号
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  • 秦 奈々子, 山口 すみれ, 小田 隆弘, 森山 耕成
    2016 年 59 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/01/15
    ジャーナル フリー
    医療施設で発生した食中毒の傾向を分析することにより、その防止対策を検討することを目的として、厚生労働省食中毒統計調査の結果から病院で発生した事件を抽出した。さらに、記載されている原因食品からその食材と調理法を推測した。その結果、医療施設においては、最近15 年間でカンピロバクターやサルモネラ属菌等による細菌性食中毒が減少する一方、ノロウイルス感染が増加傾向にあることが判明した。原因食品別では、ウェルシュ菌は煮込み料理に多く、サルモネラ属菌食中毒は卵料理とともに野菜の和え物に多かった。ノロウイルスによるものは、原因食品が不明として報告されているものが多かった。これは、食品に付着しているウイルスが検査により検出できないほど極めて少数でも感染し得ること、このウイルスを保有している調理従事者の手指を介して給食を汚染し経口感染する経路や、嘔吐物等からの塵埃感染があり得ることが原因と考えられた。ノロウイルスによる食中毒の予防には、食品の管理のみならず、調理工程の見直しと職員の健康管理が重要である。
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