【はじめに】当院では2002年9月呼吸器外科手術に対してクリニカルパス(Clinical Pathway:以下パス)を導入した。その後改訂を繰り返し現在のパスに至った。現在1つのパスを退院日のみを変えてほとんど全ての呼吸器外科手術に適応している。今回我々はパス改訂による術後在院日数の短縮効果について検討を行った。
【対象と方法】当院にて2003年1月から2007年12月までに原発性肺癌に対して標準開胸にて肺葉切除を行った症例のうち評価可能な98症例を対象とした。症例を2003年と2004年の症例(A群26例)、2005年の症例(B群23例)、2006年の症例(C群21例)、2007年の症例(D群28例)の4群に分けて比較検討した。A群は胸腔ドレーンを3日以内に抜去、BCD群は手術翌日に抜去した。
【結果】各群に平均年齢、性差、肺癌病理病期、組織型に有意差はなかった。術後在院日数はA群18.4日、B群14.6日、C群11.8日、D群10.9日であり有意に短縮された。
【考察】一般的に開胸肺葉切除はバリアンス発生が多く、パス導入が困難と言われている。その1つの原因が胸腔ドレーン留置期間である。当院では2005年1月以降、出血とair leakがなければ排液量に関係なく胸腔ドレーンを抜去している。そのためパス導入が容易になったと考える。
【結語】パス導入困難とされている開胸肺葉切除においても、パス導入にて術後在院日数の短縮が得られた。
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