アジアの開発途上国は、特に1990年代後半以降、高水準の経済成長を継続的に達成している。各国で実施されている経済センサスの調査結果等を活用し、民間企業の収益率についてみると、製造業・非製造業ともに高い水準にある。また、各国の企業の収益率について国際間で比較してみると、特にネパールの企業の収益率がカンボジアなど他国よりも高く、また、国により業種別の企業の収益率に差異がみられた。
人々(消費者)が財の消費と流動性などの目的で保有する国債から効用を得,無限期間生きるモデルを用いて成長経済における財政赤字・政府債務の必要性を検討し主に以下の結果を導く。1) 成長経済において安定した物価のもとに完全雇用を実現するためには財政赤字が必要であり,その値は国債保有の増加に等しい。財政赤字が物価一定のもとで完全雇用を実現する水準よりも大きい場合にはインフレーションが生じ,小さい場合は不況になる。2) 成長率,消費性向,割引率に関するある条件が成り立てば,価格一定のもとで完全雇用を維持して行くために要する政府債務とGDPの比(債務-GDP比)は時間とともに一定の有限値に収束する。それは均斉的な成長経路における値である。3) しかし,2)の条件が満たされず,債務-GDP比が発散する場合でもインフレなき完全雇用が前提となっているので問題はない。